映画「 サイドウェイ 」【ネタバレ感想】美男美女が出てこないけど不思議とずっと観てられるロードムービー

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小説家志望の中年の国語教師マイルスと親友ジャックは、旅先のレストランで美人のマヤと出会う。調子のいいジャックは婚約者がいるのにナンパした女性とうまくやっているが、結婚に破れ、小説家の夢もどうなるかわからない、何もかもうまくいかないマイルスは、マヤにひかれつつも一歩が踏み出せずにいた。

 

バツイチオッサンの恋愛克服ロードムービー

凄く簡単に言うとオッサン二人のロードムービー。

一人は結婚一週間前にハメを外そうとしてる落ち目の俳優、もう一人は前妻に未練タラタラのワインオタクのバツイチ。

この二人のオッサンがワインを飲みまくりながら一週間旅をする話なんだけど特に何があるというわけでもないのに不思議とダラダラと観れてしまうのはこの二人の空気感が自分と合ってるからか。

話の主となるのはバツイチオッサンが妻を忘れて恋愛克服するまで。

このオッサンだいぶ冴えない上にネガティヴ。妻への劣等感から浮気し、そのせいで離婚。

以来前妻を引きずりまくりで恋愛にも消極的。

小説を書いて出版しようとするけど不採用。

旅中に前妻の結婚を知るという散々なオッサン。

旅先のレストランで美人のマヤに出会いバツイチオッサンは奮闘するんだけどもうグダグダ。

対してもう一人の落ち目の俳優は無神経な上に自由奔放で結婚控えてるくせに美人でもないアジア人の女をナンパしてゲット。

こういう時ってズボラだけど適当な奴がいい思いしたりするんだよな…

真面目な奴が損をするのは世の常か。

なんとかバツイチオッサンはマヤと一夜を共にするんだけどズボラオッサンが結婚することを知って同類と思われキレられる。

旅を終え、ズボラオッサンはめでたく結婚。

バツイチオッサンは相変わらず冴えない毎日。そんなある日マヤから留守電が入っていることに気づき、意を決してマヤに会いにいく。

そしてマヤの家のドアをノックする手元のシーンでエンドロール。

このラスト、実に潔くて好きだ。

結果はどうであれ「オッサンが立ち直って前に進んでいく」と言うのが物語の核なのであえてあそこで終わらすのがいい。

まぁきっとこの後二人は結ばれるんだろうけどそこまで描き切らなかったのが逆に想像力を掻き立てられる。


 

特に山場はないけど何かいい

基本はコメディタッチのヒューマンドラマなのでちょいちょい笑えるシーンがある。

落ち目の俳優が「お前だって生暖かい所に◯◯◯入れたいだろ」とバツイチオッサンに言うシーンでそれを聞いていた爺さんが「おい!そんな大声で言う事じゃないだろ!」と怒るシーンには笑ってしまった。

この落ち目の俳優、デリカシーのかけらもねぇ。

さらに人妻の家に財布を取りにいくシーンで人妻の旦那が素っ裸で走ってくるのにも笑ってしまった。

完全に男性器出てたけどあれは映倫的に大丈夫なのか?

この映画って山場らしいものがこれと言ってないんだけどそれなのに2時間みせるのは監督の力量なのかな。

美男美女は出てこないしある意味リアルかも。

だけどこの映画を観ると確実にワインが飲みたくなる。うん、たまにはこういう映画も悪くないかも。

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