東京・亀戸の「亀戸升本」。
東京・亀戸駅南口から商店街を2分ほど歩くと、木造の蔵造りが目を惹く「亀戸升本 本店」が現れる。
創業は明治38年(1905年)──下町に息づく老舗和食店だ。
看板メニューは、江戸時代から亀戸周辺で栽培されていた伝統野菜「亀戸大根」をあさりとともに土鍋で炊き上げる「あさり鍋」。
今回はその魅力を余すところなくお伝えしよう。
亀戸升本ってどんな店?
東京都江東区亀戸に本店を構える明治38年(1905年)創業の老舗和食店。
亀戸駅北口から賑やかな商店街を抜けると、裏路地にひっそり佇む木造二階建て。暖簾をくぐると、和モダンの落ち着いたカウンター席と個室が迎えてくれる。
希少な亀戸大根を契約農家とともに復活させ、名物の「あさり鍋」をはじめとするオリジナル料理で提供している。
亀戸大根って何?
亀戸大根(かめいどだいこん)は、江戸中期から明治期にかけて東京・亀戸周辺で盛んに栽培されていた伝統野菜。
1.見た目と食感
細長い円筒形で、一般的な大根よりもひと周り小ぶり。皮はやや黄みを帯び、繊維質が細かくてスが入りにくい。
加熱するとほくほく、煮崩れしにくい。
2.風味
甘みが強く、辛味はマイルド。根の内側までしっかり味が染み込みやすいので、煮物や鍋、おでんに使うと大根本来の旨みが際立つ。
3.栄養価
水分が多い一方でビタミンCやカリウムを豊富に含む。消化酵素(ジアスターゼ)も含まれるため、胃腸の働きを助け、脂肪の消化を促す作用も期待できる。
4.栽培のいま
一時期はほとんど作られなくなったが、近年「江戸東京野菜」のひとつとして注目が再燃。
区内の契約農家や都市型農園で少量ずつ復活栽培されている。
亀戸大根あさり鍋会席 6,500円 2024年12月訪問
4つの皿の小鉢。刺身や煮物、揚げ物など種類豊富。
一気に食べるのではなく、つまみとして置いといて楽しむ。
メインディッシュ「亀戸大根あさり鍋」。
蓋を開けた瞬間に広がる出汁の香りと立ち上る湯気。
土鍋に昆布出汁を張り、大粒のあさりと厚切りの亀戸大根をじっくり煮込む。
あさりの潮(うしお)味が大根に染み渡り、口に含むとほくほくの大根とプリッとしたあさりの食感が同時に楽しめる。
具材を楽しんだ後の土鍋の残り汁を、麦菜ご飯(麦ご飯)にそのままかけていただく「ぶっかけ飯」。
鍋の旨みがご飯に染み込み、豪快かつ温かい〆を味わえた。
江戸の大根文化を楽しめた夜だった。ごちそうさまでした。
住所:東京都江東区亀戸4-18-9
アクセス:JR総武線・東武亀戸線「亀戸駅」北口より徒歩7分
電話番号:03-3637-1533
営業時間:
平日:昼 11:30~14:30(L.O.14:00)、夜 17:00~21:00(L.O.19:30)
土日祝:昼 11:00~14:30(L.O.14:00)、夜 17:00~21:00(L.O.19:30)
定休日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)※1月・8月・12月を除く
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