長野県伊那市にある日本料理店「いなまち澤屋」。

「伊那市に尖った店がある。」
いや、そもそも伊那市ってどこだよ?長野の方には大変失礼で全く地理感覚がなかったが、「なんかおもろそう」ということで訪問。
JR特急あずさで岡谷まで来て、そこから飯田線で伊那市駅まで。なかなかのアクセスです。
ちなみに「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」や「NAZ」など名店が多い軽井沢は電車で2時間も離れているという。長野って広いんだね・・・
場所はJR伊那市駅から徒歩約5分ほど。
尖った店主が伊那にいる。2025年5月訪問
店主: 中澤誠史さん

また不思議な方だ。
群馬県高崎市出身で京都の調理師専門学校を卒業後、関西の料理屋を経て、24歳の時にシアトルの総領事館にて公邸料理人として赴任。
帰国後、コロナ禍で京都の店で働こうと思ったらオーナーから伊那の蕎麦屋で働くように言われ、そのまま伊那市で独立。2023年11月に「いなまち澤屋」をオープンさせる。
つまり大将にとってはアウェイな土地である。このアウェイな土地でひたすら奮闘している。
アクセスが悪いうえに、この価格帯のお店は伊那市にない。
競合がいないが、なかなか集客は大変そうな立地で勝負している。
さらに面白いのが「特に決まったコースがない」ということ。
毎回仕入れが変わり、客の要望で作るものをその場で変える。これが割烹。本物の割烹である。
一斉スタートの店じゃまず出来ない。まさにここだからできるスタイルだろう。
この日もたくさんある食材からなんとなく食べたいものを言っていった。
四万十川のスッポンと鴨茄子。
熊の脂を使った山菜のお吸い物。これがまたいい出汁を引く。熊の脂は濃厚で甘く、山菜の香りもいい。
トキシラズは刺身も食べたいけど焼き物も食べたいと言う事でどちらも。
ふわふわでクオリティ高いね。
舞鶴の岩カキも超デカい。プリプリで口いっぱいに凝縮された旨味が溢れる。
「変わったもの食べたい」って言ったら、グルメ漫画の金字塔「美味しんぼ」で出てきた
「蕪の山葡萄漬け 胡桃ソース」を作ってくれた。
蕪を山葡萄の汁につけ、上にはクルミのソースをのせて。こんなこともやってくれるんだ。
トキシラズには大量の花山椒を。これ、白米と食いたい。
四万十川の天然の鰻の白焼き。
脂が綺麗。だから量を食べても全くクドさがない。
身は詰まっており、ペロッといただける。これが天然の証拠。
最後は鮎の柳川。牛蒡に花山椒を玉子で閉じる贅沢さ。
ほぼメロンのアイス。メロンと生クリームだけ。
ビール、ワイン一本あけてお会計約35,000円。
一流の京料理の技術、全国から仕入れる最高の食材、そして何よりも自由。
尖ってて面白い店なのは間違いない。
普通のコース料理に飽き飽きしてる人には本当に最高のお店だろう。ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:〒396-0025 長野県伊那市荒井3474-9
アクセス:JR伊那市駅から徒歩約5分
電話番号:0265-98-0431
営業時間: 昼:11:30~13:00(閉店15:30) 夜:17:30~20:00(閉店22:30)
定休日:不定休 席数:8席(カウンター席)
支払い方法:現金、各種クレジットカード(VISA、Master、JCB、Amex、Diners) 駐車場:契約駐車場あり