ラーメン二郎を超える史上最強のラーメン
学生時代に狂った様に通ってた「蓮爾」。
簡単に言えばラーメン二郎インスパイア店。
確かラーメン二郎 町田店の流れを汲むこの店。
色々あってこの登戸という場所へ。
正直言ってこの街には何もない。
蓮爾以外。
それだけ蓮爾が強烈すぎるのだ。
ラーメン二郎可愛く思えるのはこの店くらいか。
久々に小田急線の向ヶ丘遊園駅を下車。
(登戸駅よりも向ヶ丘遊園駅の方が若干近い)
金曜ということもあり駅前は大学生だらけ。
サークルの飲みか。
どうせ社会にでたら馬車馬の如く働かされることになるんだからいまのうちに遊んどきなさい。
で、蓮爾まで徒歩10分程
この道も何度通ったことか…
センチメンタルな思いを封じ蓮爾まで勇み足で向かう。
ガソリンスタンドを右手にして通りを挟んだ向こう。
マジかよ…
推定30人…
学生がほとんどだが社会人もちらほら。
卒業しても蓮爾の味が忘れられなくて自分と同じようにこの店へ集ってくる。
そして年々卒業生が増え、新たな新入生達がこの味を覚える。
(僕が大学生の頃はこんなに並んでいなかった)
列の最後尾の人から食券を買うように言われ、食券を購入。
販売機に「近々値上げします」の文字。
これずっと貼ってあるし、「新町一丁目店」でも貼ってある。
何なんだこれ…
いつでも値上げしてやるぞとやけに高圧的な感じだ。けど大きく値上げってしてないよな?
食券を購入したら髭面の武者の様な店員に渡す。
「1人?」
先輩かよ。
「1人です」
「後ろ声かけて」
「はい」
自分の後ろの人に食券を買うよう促す。
これがこの店のルール。
決して自分のペースで食券を購入する事は許されない。
社会に出たら自分ルールは通用しない。
郷に従うこということをこの店で教わることになる。
回転率は悪い。
1人で並ぶのは本当にキツイ。
暇と孤独のWパンチでラーメンの前に萎えそうになる。
だがこの「待つ」という行為が蓮爾をより美味しく頂くためのスパイスでもある。
前に並ばずに食べたことがあるが有り難みがなかった。
仕方ないので興味もねぇ友人のインスタ画像やTwitterを見て時間を潰す。
並ぶこと50分。
携帯の電池もなくなりかけたところで席へ案内される。
孤独と退屈の50分だった。
ようやく座ることができた…
目の前にはカレンダー。
赤字の日(休日)は基本休み。
日曜など稼ぎ時であるがそれはこの店には関係ない。
まるでサラリーマンだといわんばかりにゴーデンウィークまでもガッツリ連休を取ってくる。
店内にBGMはない。
すする音のみが店内に響く。
壁も黒ずんでいる。
これは一体なんの黒ずみなのか不明。
程なくしてニンニクの有無を聞かれる。
本当はガッツリ入れたいところだが明日もあるのでニンニクはやめとく。
小ラーメン 700円
素晴らしい。完璧なルックス。
ヤサイは程よいクタ感。
豚が細切れになっているが味が染みてて柔らかい。この豚、本当に美味い。
人はこの麺と対峙した時様々なものに例えようとする。
「うどん、モチ、ギターのシールド…」
だがどれもうまく例えられてるものはない。
うどんに至っては凡庸な例えの上、一番近いが一番遠い。
ここの麺は中心が生煮えである。
いくら茹でても芯まで茹だたないのか、あえて茹でていないのかは不明だがボキボキというラーメンに似つかわしくない擬音の食感を体感することになる。
そのおかげでオーションを思う存分堪能できる。
これは天ぷらの名店「美かさ」の天ぷらと相通ずるところがある。
思う存分麺を食らう。
麺が重いので軽く腱鞘炎になりそうになる。
かなり顎も疲れてくる。
ラーメンを食べているのにカロリーを消費している様だ。
スープは絶妙な乳化具合。
ほんのり甘味を感じる。
無我夢中でこのぶっとい小麦の塊を胃におさめる。
途中から一体何の作業だろう?と疑問に思いながらもこの不思議な食事は10分足らずで終わっていた。
うっすらと汗もかいていた。
帰り道、幸福感に包まれながら次はいつこれるだろうかと蓮爾に思いをはせる。
色々美味しいものを食べてきたが蓮爾は特別だ。
それは来る度に思う。
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コメント
「正直言ってこの街には何もない。蓮爾以外。」って正面切って住人に喧嘩売るIKKOスタイルに吹き出しました。
でもって、よもやの「美かさ」と「蓮爾」の共通点への言及。
IKKOさんが昔から積み重ねてこられた「ジャンク系も多いラーメンカテゴリー」と、年齢と共に開拓された、新キラーコンテンツである「大人が喜ぶ名店カテゴリー」のよもやのコラボレーション。
いつも思わぬ角度で楽しませていただいております。
自分の食費が明らかに激増しているデメリットには目を瞑りつつ。
ふざけまくってるけどなぜかドラマティックかつ真理をついてそうな文体に笑いました
最近西東京から引っ越しちゃってなかなか行きづらくなっちゃったけど絶対今度はすみ行くぞ!
二郎系を食べててよく思うのですが「食べる」というより「胃にぶちこむ」という表現が思い浮かびます。それでもたまに食べたくなる不思議な食べ物。
遊園地があるんじゃないの?