日本料理界の超重鎮「京味」。
そこで10年以上修業されてきた星野さんが独立し2012年に開業した店「新ばし 星野」。
2018年に現在の店に移転。
「いま最も予約の取れない店」として全国の食通が絶賛。
そんなお店に行って参りました。
店内はカウンター7席のみとだいぶコンパクト。
だけど非常に清潔感溢れる和食店。
料理は素材を活かし限りなくシンプルなもの。
過度に足すこともなく派手さもない。
見た目、シンプルすぎて物足りないかもと思うが実際に食べてみるとその味の奥行きに驚かされる。
緻密に計算され、技が活かされた料理の数々にただただ感動するばかり。
以下、今回いただいた料理の感想。
菊の花のお吸い物
昆布出汁でいただく。
段々と涼しくなってきたということもあり一品目からスーッと身体の中心から温まった。
柚子の皮も爽やか。
前菜五種
左からカマスの炙り、むかご、柿なます、銀杏、ばちこ。
むかごは蒸してから出汁で炊いたものだそうだ。
どれをとっても最高の酒のつまみ。
このわた
この塩辛がご飯と合わないわけがない。
ずいきの吉野煮
吉野煮とは葛粉を使った煮物のこと。
ずいきはシャキシャキっとした食感に芋っぽい風味。
全く食べ飽きることがない。
鰻の山椒焼き
浜名湖の養殖の鰻。
食べる前からタレの香りがなんともいい。
熱々で身はホクホク、皮はパリパリ。
タレのコクと香ばしさの後に脂の甘味が広がる。
松茸のフライ
かなり立派なサイズの松茸は岩手産。
今年から焼きはやめてフライと鍋のみにしたそうだ。
塩とスダチでいただく。
究極的に香りが強いく薄い衣のサクッという食感と松茸の食感がなんとも心地よい。
揚げ加減も流石。
贅沢の一言。
小肌
天草の小肌。揚物の後なのでさっぱりと。
酢が効いていてます。
鯛の刺身
噛んでいくと段々と香りが強くなっていく。
実は白身はこのアメ色のものの方が美味とされているのはここだけの話。
単に刺身のレベルを超えている。
鱧と松茸の鍋
鱧は初夏のイメージだが一度子を持ち、また戻ってきたくらいのもので非常に松茸との相性もいいらしい。
そよってる時からすでに松茸のいい香りが食欲をそそる。
松茸の出汁がなんとも素晴らしく塩加減も素材を活かす程度。
余計なものは一切足さない。だが物足りなさは皆無。
出汁という土台がしっかりしているからこそシンプルだけど完結している。
素材とこの調理の潔さはもはやセンス以外の何物でもない。
ぐじ(甘鯛)
鱗がパリパリっと箸でも割れる。
身はほくほくと最高に香り高く、香ばしい鱗もたまらない。
渡り蟹の栗蒸し
蟹の甘さ、栗の甘さが凄くバランスよく、餡がまた全体のまとめ役。
ねっとりと静かな旨味が口内を満たす。
流石の一言。
蕪
究極的にシンプル。
そして口の中で崩れるほど柔らかいのには驚かされる。
聞くと実は一度蒸してから炊いているそうだ。
そうすることで形が綺麗保たれてしかも柔らかくなるそうだ。
シンプルだけどそのひと手間が大きい。
食べた後に出てきた「福」の文字。
雑魚・漬物・しぐれ煮
いよいよ食事
もうね、この甘辛のしぐれ煮が本日一番の味が濃いものでご飯が進んで仕方がない。
おかわりしてしまいました。
わらび餅
特別に変わったことは一切せず、また今流行りの高級食材を使うことなくひたすら実直な印象。
だからこそ一切ごまかしなしの普遍的な旨さがそこにある。
素材自慢も一切なしでさらりと素晴らしいものを提供しており気づかない人はスルーしてしまいそうなほど。
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