鍋は、最初から完成している料理ではない。
具材を入れる前と、煮込みきった後では、スープの表情がまるで変わる。
だからこそ鍋の評価は一口目では決まらない。前半で「設計」が見え、後半で「底力」が試される。
市販で販売されている鍋スープはもの凄い種類があるが、正直どれを選んでいいか迷ってしまいません?
本記事では、市販の鍋スープの前半/後半で味がどう変化するのかを軸に、本当に美味しい鍋スープを検証していく食べるたびに記録していく育てる系レビューです。
味噌系
ダイショー「名店監修 すみれ 札幌濃厚みそ味」


札幌味噌ラーメンで有名なすみれが監修した味噌鍋スープ。
すみれって言ったらラードだよね。あの熱々のラードと濃厚な味噌と生姜が純すみ系。それ期待したら…




適度な動物系は感じるが、味噌のコクがいまいち弱い。と言うか塩分だけ高くて基本的にペラペラだ。
しばらく野菜や豚肉を入れて煮詰めてみたが、スープは最後まで開かない。最後まで物足りなさを感じた。
それは「すみれ」の名前を借りただけの単なる味噌スープだ。
「すみれ」じゃなく「味噌スープ」だけなら売れないもんな。しかしせめて「すみれ」を感じさせる何かがあってよかったのでは?
辣油を入れると少しだけ風味は増すが、〆のラーメンにしても基盤が弱いので最後まで満足度は低い。(2026年1月)
旨辛系
ミツカン「〆まで美味しい キムチ鍋つゆ ストレート」


ミツカンが展開する「シメなべ」シリーズのキムチ鍋版。
コク深いキムチ味として、唐辛子の辛味、ニンニクの香り、味噌・魚介系の旨味を兼ね備えた市販鍋つゆの中では 濃厚・しっかり系の部類。




甘さはなく、程よいキムチの酸味と程よいキムチのピリ辛感。
特に「酸味」が立ってるので、バラなどの豚肉との相性がいい(脂の甘味との相性)。
後半になっても酸味が和らぐことはないが、鍋内の出汁の濃度が上がるので後半になるほど一気にバランスが良くなる。
辛さはどうもいまいち物足りないので一味唐辛子などを足してもいい。
正直、こいつが輝くのは最後の最後だ。
おすすめ〆: うどん、中華麺。(2025年12月)
豆乳系
ミツカン「〆まで美味しい シメなべ ごま豆乳鍋つゆ」


ミツカンが展開する「シメなべ」シリーズの一つで、豆乳鍋版。
豆乳ベースなので、クリーム系とは違い軽やかなコクがある。
後味が重すぎず、スープとしても飲めるレベル。




香ばしいごまの風味と円やかさのバランスが秀逸。
練りごま+すりごまのバランスで、香りと深みが出ている。
辣油も合う。と言うか辣油を入れるとさらに風味が広がる。
〆はカルボナーラにもできるが、冷凍うどんで十分。
このミツカンのスープのクオリティが高過ぎる。
下手な鍋の店に行くより旨いと思う。(2025年12月)
清湯系
ダイショー「博多水炊きスープ」


一見すると濃厚そうな白濁スープだが、口に含むと印象は真逆。
鶏の旨味は仄かにあるが、脂の押し出しは控えめで、調味も前に出ない。
はかた地どりだしを使用ということだけど力強さはない。いい意味でも悪い意味でも無個性。




確かに後味は驚くほど澄み、雑味が残らない。
これは「まずはスープそのものを味わい、足りなければポン酢で調整する」という博多水炊きの思想を忠実に再現した設計。
白く濁らせながらも、味わいはあくまで清い。
煮詰めても後半の開きは特に感じない。
〆はうどんでもなんでもいけそうだが、今回はマルちゃん製麺の醤油味。タレは全部入れると濃すぎるので1/3ほど。
出汁は深まり厚みのある〆のラーメンを楽しめる。
これじゃないとダメ感はないのでリピートは少し考える。(2026年1月)
ミツカン「〆まで美味しい鍋つゆ 北海道産ほたてと蛤の貝だし鍋」


ミツカンが展開する「シメなべ」シリーズの一つで、貝出汁版。
ホタテの甘みと蛤のコハク酸由来の旨味を軸にした貝出汁特化型の鍋つゆ。
淡白な鶏肉、白菜・豆腐と合わせることで出汁の立体感が際立つ。



ベースが繊細なので素材によって大きく味の印象が変わる。
煮詰まるとさらにコハク酸がいい感じに素材に馴染む。素材からも出汁が出て味が深まる。
〆は雑炊、うどん、中華麺なんでもいける。
特に中華麺はどんどん貝出汁を吸って麺自体が美味くなる。
鶏肉を入れると鶏油が浮いてくる。貝出汁と鶏のWスープとなる。


派手さはないが、時間とともに味が更新されていく静かな鍋。(2026年1月)
鍋つゆは完成品ではなく、具材と時間によって評価が変わる「設計途中の料理」だ。今後も試食するたびに追記していくとする。
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