静岡・熱海にあるオーベルジュ内にあるレストラン「LAT.34°N by 蒼」。

熱海の海を真正面に見下ろす高台に、静かに佇む一軒のオーベルジュ「無為自然 -ATAMI-」。
華やかな観光地としての熱海ではなく、静けさの中で食と向き合う体験できる場所、ホテル内あるレストラン「LAT.34°N by 蒼」である。
食材が一番おいしい瞬間を見極めて提供するという熱海ならではの哲学がある。
「LAT.34°N by 蒼」ってどんな店?

2025年8月にオープンした、熱海「無為自然 -ATAMI-」内に併設された完全予約制のダイニング。
監修は、東京の人気店「蒼」を率いる峯村康資シェフ。
店名の「LAT.34°N」は、スペイン・バスク、フランス南部、日本の瀬戸内、そして熱海――
世界有数の食の豊かな緯度を示す北緯34度がモチーフ。
伊東・稲取で獲れた黒潮の恵みを受けた魚介を中心に、鮮度を超えた最適をテーマにした料理を提供する。
食材は温度・湿度・時間まで徹底管理し、漁港での網上げから一秒も無駄にしない処理精度が特徴。
華美な演出を排し、素材本来の力を引き出すミニマルなフレンチに落とし込む。
コース・宿泊について
ディナーのみのレストラン利用も可能で、完全予約制(利用4日前まで)。コースは
・夕食のみ:22,000円(税別)
・ペアリングセット:30,000円(税別)
と、オーベルジュとしては比較的手が届く価格帯 (2025年現在)。
客席は18席、個室1室(6名)があり、全席禁煙。熱海駅から車で約20分、事前予約で送迎も可能。
「北緯34度」という美食の名産地と呼ばれる緯度帯に位置し、熱海の海と大地が育む最高の素材を、ここでしか生まれない形で提供する。
滞在者以外でも「食のためだけに訪れる価値がある」と評価される、熱海屈指のオーベルジュレストラン。
2025年11月訪問
初日
お目当ては「LAT.34°N」。今年の4月にオープンしたばかりにも関わらず早くも話題沸騰のレストランである。
しかし困った。
一人でふらっと食事だけの利用のつもりが、どうやらホテルが素敵すぎて、ばちくそ泊まりたい。

ということでこのまま勢いで一泊します。
どうせなら一番眺めがいい部屋「Executive Corner」で一人で泊まる贅沢さよ。

ディナーと朝食がついて、お会計は20万円なり。
人間、いつ死ぬかわかんないから使っておけ。

しかし絶景であります。大きな窓の左手には熱海の街並みと海が広がり、正面には初島がアクセントのように見えるまさに景色が主役部屋。

これ一人じゃもったいないな・・・。

この日のディナーは17時から。
ちなみに夕食のみだと30,000円税別。
食べて帰るの?この素敵なホテルみたら無理っしょ。
さて、いよいよディナーの時間。

まずはシェフから本日使用する食材についての説明があります。魚は「さかな人」で知られる長谷川さんから。
・鯖のコンソメ

おぉ、めちゃシンプルな一皿目。
網代漁港の鯖を丸ごと数匹使用し、塩などの調味料は一切使わず、純粋に素村そのままスープにしたもの。
鯖の酸味、旨味が際立ち、臭みは一切感じない鯖を感じるスープ。
・釜揚げしらすの冷製フェデリーニ

シェフの地元は和歌山県とのことで山利の釜揚げしらすを使用したパスタ。
パスタの麺には蛤のスープをたっぷりと含ませており、麺自体がコハク酸による旨味に溢れております。
・お造り三種盛り

相模湾、駿河湾でとれたお造り三種は金目鯛の炙り、イシガキダイ、アオリイカ。

金目鯛は稲藁でスモークしたあと備長炭で皮一枚を炙ってあり、香ばしくもパリッとした皮の食感としっとりとした身の旨味のコントラスがいい感じです。
鯛は背と腹の二種類あって、特に腹の方は香りが豊か。
鮮度がいいアオリイカなのに甘味が強いのに驚き。
お造りにもちゃんと驚きがあるのがスゴイな。
・雪室2年熟成きたあかりのグラタン

熟成させ糖度を上げたジャガイモのグラタン。余計な装飾は一切なく、潔いシンプルなビジュアルが好感持てます。
そしてめちゃ幸せな香りがしてきます。

表現したいのはでんぷんによる糖化。そしてふくよかな旨味のグラタンがめちゃ旨うまであります。
・小柴港 太刀魚のフリット

フリットはサクッとして、脱水された太刀魚もフワフワ。このフリット、見事です。
ソースは中国甘酒と柚子胡椒の香りのするヴィネグレットソース。
・パプリカムース

牧之原市にある「もぐはぐ農園」のパプリカを使ったムース。下にはトマトのジュレ。
台地を感じるような土っぽいニュアンス。だけどネガティブな要素はなく、箸休めレベルではなく、美しい一品だ。
・天城軍鶏のガランティーヌ

メインの肉が地鶏?と思った人、天城軍鶏って高いんですよ?

「やきとりshira」で使われてる最高の鶏肉ですぜ?


旨味がめちゃ濃いんです。噛むごとに旨みが押し寄せる。
ソースはパセリとバター。
三島西麓野菜杉正農園のアヤメ蕪、姫人参、スティックセニョール、カマルグ地方の塩、台湾胡椒。
・伊勢海老のリゾット ビスクとともに

伊東漁港から。
本枯節で炊き上げたお米。この和出汁が消えない程度に計算されたビスクの濃厚さ。
・シャインマスカット

ソーテルヌジュレ。
・丹那牛乳アイス

丸みがあるミルクアイスは余韻が長く続きます。
・フィナンシェ

熱々のフィナンシェと先ほどのアイスの温度差も魅力。
本日のペアリング







フレンチの技法を使いながらも和のエッセンスも加わり、シンプルで旨味へのアプローチが一直線。
だけど食べればこだわりを感じられるコース内容でした。
ホテルだからこそ小難しい料理ではなく、わかりやすく旨くを徹底されているんだな。
さて、部屋へ戻って、飲み直します。

美しい星空。これは部屋の露店風呂から見える景色。
東京にはない空があります。なんて幸せなひと時だろう。

部屋の露天風呂からは熱海の街の光が見える。これを独り占め。
気持ちよく眠りにつく。
翌日
いつもはこんなことはないが、たまたま朝の6時前に目が覚めた。
うっすらとした光を感じ、ゆっくり視線を向けると、窓の向こうで夜がほどけかけ、太陽も起き出そうとしている。

調べるとこの日の日の出は6時半。起きてるか。

はい、きた。おはようございます。毎回なんだけど朝日拝めると勝手に運気が上がるような気がする。
さて、昨日と同じ「LAT.34°N by 蒼」で朝食を。
夜だと真っ暗だったが、食事をしながら見える景色が美しい。

干物。鯖の塩干し、鰯とフグの醤油干し。全部いただきます。
・出汁巻き玉子と静岡お野菜盛り合わせ

もはやこの朝食で一日分の栄養がとれそうな勢いだ。
・ご飯のおとも 5種

丸亀さんの烏賊塩辛、卵黄醤油漬け、山利のちりめん山椒、伊豆山葵味噌、小松菜のお浸し。
・土鍋で炊いた山形の「つや姫」

赤だし

京都 山利商店の赤味噌を使用。網代産のあごと宗田節が効いてる。もはや高級日本料理店レベルの出汁です。
・削りたての鰹節

0.01mmの削りたての宗田節。
こいつをご飯の上に乗せて、醤油をかけて山葵と共にいただけば武士丼の完成。

削りたての鰹節、山葵の香りの共演。本当に素晴らしい。
ここで干物が出てきた。

炭火でやいてるので皮はパリッと。
梅干しも2種類。甘めのものと容赦ない酸味のもの。実は甘い梅干しが苦手なのでこの2択はありがたかったり、

広島の三國屋のこんとびの海苔も典雅な香りだ。これも山葵と共にいただけば熱燗が欲しくなる。
食材原価一体どんだけかかってるんだ・・・。
もっと食べたい気持ちはあるけど朝飯を食べる習慣がないのでご飯2杯以上は厳しい。もっと大きな胃袋があれば、買いたい。
フレンチだけでなく、朝の和食も旨いってすげぇなぁ。
間違いなく一生忘れることができないほどの体験ができます。ありがとうございました。
▶ 一休で空席を確認する

おすすめオーベルジュ・宿3選



店舗情報
・名称:LAT.34°N by 蒼
・住所:静岡県熱海市網代591-38 無為自然-ATAMI- 1F
・最寄駅:網代駅(車約20分)
・営業時間:
7:30〜10:30(L.O.10:00)
17:00〜22:00(L.O.21:30)
・定休日:無休(要確認)
・席数:18席(個室あり)
・予算:30,000〜39,999円(口コミ平均6〜8万円台)
・カード利用:可
・電子マネー:可
・QR決済:可
・駐車場:あり
・送迎:あり
・備考:完全予約制、オーベルジュ併設
・オープン日:2023年(無為自然ATAMIと同時期)





