東京・住吉の鮨屋「鮨 海宇」。
場所は住吉駅からは徒歩5分ほど。
店内はL字のカウンター7席のみ。
大将と外国の女性店員だけの落ち着いた空間。
大将による緊張感はなく、物腰柔らかくとてもリラックスして過ごすことができる。基本的に会話に入ってくることはなく客同士の会話を尊重してくれる。
これ当たり前?
いや、料理提供になると空気感一気に変える店主もいるでしょ?ここの大将は非常にナチュラルに雰囲気を壊すことがないんです。それが居心地の良さに繋がってるのかと思われます。
外国の女性店員さんは日本語が流暢で、僕が相馬焼に反応を示したらしっかりリアクションしてくれました。なんでしょう、この安心感。
コースは6月から少しだけ値上がりするそうです。それでも十分お安い。
最初に6品ほどつまみを、そこから握り。
このつまみがちゃんと握りへの序章になってて、尚且つ丁寧に仕込まれてるんです。
一品目は甘味と瓜感ある香りが魅力の鳥貝に身は柔らかめだけど味が抜けていない平目のお造り。
稚鮎の甘露煮は苦味と甘味が共存し思わず酒が欲しくなる。
牡蠣は昆布出汁と共に。
初物の海蘊はシャキッと食感は鮮烈。
蛸は適度に歯応えを残してくれる。これは好みだけど煮蛸は柔らかすぎると蛸じゃなくてもイイじゃないかと思ってしまう。
蛸はちゃんと噛ませる食べ物であってほしい。噛めば噛むほど味が出るのが蛸の理想だけど硬すぎても良くない。だから親方の蛸に対しての考え方がダイレクトに出るわけです。
太刀魚は塩焼きではなく幽庵焼きで。
さて、ここから握りに参ります。
一貫目は鰆。ネタは少しシャリに対して重め。
赤酢ガッツリの強目のシャリかと思えばそうでもなく適度なコクと酸味がタネと交わります。
鰹はとても味わいが綺麗ですね。クリア。技術ある漁師が増えたのでしょう。
墨烏賊もだいぶシャリに対して厚めですね。だけど咀嚼していてストレスにならない。烏賊のポテンシャルですね。
雲丹の手巻き。巻物じゃないのが今どき新鮮な感じもします。
サクラマスにはネギを忍ばせコクを出す。
中トロ。
小肌。
シマエビ。
穴子。
芝海老の効いた玉。
本日のお酒
これでこのコース値段は凄い企業努力じゃないか。拍手ものですよ。
気の利いた肴に握り。握りもしっかりと握れてます。「しっかり握る」とは手でも箸でもいいけどつまむまで形はしっかり保たれ、口に入れるとパラっとほぐれること。握りは団子じゃない。ガチガチに握ってもダメ。
ネタとシャリとのバランスは個性ととります。
皆さん、いい鮨屋が住吉にありますよ。食べログの予約困難店ばかり目が向いてるようだからこういう店が百名店に選ばれる意味であると思われます。ごちそうさまでした。
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