東京・外苑前にある鮨屋「海味」。

外苑前駅から徒歩3分、南青山にある「海味(うみ)」。
わずか10席ほどのカウンター鮨。かつてミシュラン二つ星を獲得し続けたことで知られる東京を代表する名店です。
その裏側には、代々大将が暖簾を継ぎ、店の看板を守り続けてきた歴史があります。
「海味」ってどんな店?
独立し、その後多くの名店を生み続けてきたお店です。下記が代々暖簾を守ってきた大将たち。
初代:大滝氏
「海味」の創業者である初代・大滝氏。
江戸前の技法をベースに、後に続く鮨職人たちの舞台を作り上げました。ここから外苑前「海味」の系譜が始まります。
二代目:長野充靖氏
力強く華やかな握りで人気を博し、海味の名を全国区へと押し上げました。
この時代に「ミシュラン二つ星」を獲得し、外苑前「海味」を世界的に有名な鮨店へと成長させます。
しかし2015年、長野氏は急逝。その早すぎる死は鮨界に大きな衝撃を与えました。
ちなみに長野氏のもとで修業したのは長野の「中野屋」、福岡の「鮨 さかい」堺大悟氏、東京の「東麻布 天本」天本正通氏など名店揃い。
三代目:中村龍次郎氏
長野氏の急逝後、三代目を継いだのは中村龍次郎氏。
金沢「葵寿し」で修業を始め、銀座「萩わら」を経て2014年に「海味」に入店。師・長野氏の死後は店を支え続け、三代目として暖簾を守りました。
その後2019年11月に独立し、外苑前に「鮨 龍次郎」を開業。現在は予約困難な人気店として知られています。
四代目:平公一氏
三代目・中村氏の後を継いだのは平公一氏。
「ザ・リッツカールトン 京都水暉」で料理長を務めた経験を持ち、四代目として迎えられました。
独自の感性を取り入れながら、短期間ながらも「海味」の暖簾を守った大将です。
現在は独立し、西麻布「すし 田いら」で腕をふるっています。
五代目:島本氏
現在「海味」を率いるのは五代目・島本氏。
お店の雰囲気
カウンター中心(10席前後)で、大将の仕事を間近に体験できるライブ感 接待や特別な記念日にもふさわしい一方で、鮨そのものを楽しみたい常連も多いです。
予約は常に困難で、1〜2ヶ月先まで埋まっていることも珍しくありません。
長野氏の時代は昭和の豪快さ、中村氏の時代はいかに明るく楽しく過ごせるか、平氏の時代は穏やかでアットホームな雰囲気とそれぞれ大将の空気感がお店の雰囲気に左右されてきました。
料理に関しても特に海味だからこうでなければならないという厳格なルールはなく、大将が自由に個性を発揮(オーナーにもよるが)できていす。
2020年12月訪問
本日は半年ぶりに外苑前の「海味」へ。
平大将に変わってから3度目の訪問。何だかんだ冬に来るのははじめて。
相変わらず平大将、大きい。

関係ないけどO型らしいです。

元相撲選手だけど性格はおっとりしてます。柔らかい雰囲気の方で皆さんリラックスしながら食事を楽しんでました。
以下、いただいた料理。
イクラ

低温で火入れしたイクラを出汁と共に。
玄米とキャビア
塩分濃度は2.6パーセントのオリジナルキャビア。塩分濃度を抑えると持ちが悪いんだとか。
熱々の玄米は香り高く、塩分抑えられた丸みのあるキャビアとの相性がとてもいい。これは美味い。
フグと白子
山口のフグ。別皿でペーストした白子も。じんわりとした甘み。
鰆
皮目を藁で炙った鰆は脂よくのってます。
牡丹海老
味噌と卵と共に。かなり強いねっとり感。
ちょっと量が多い味噌にシャリとか入れるみたいなのはなかった。言えばやってくれると思う。
カワハギ
肝は醤油に漬けて中に挟み、上にはネギ、大根、ポン酢を混ぜたもの。
確かに肝だけだと少しこってりなのでポン酢はいいアイディアだと思います。
というか夏に比べると明らかにシャリが硬くなってる気がする。
小肌
平目
淡路島。
蝦蛄
オス。
あん肝
余市のあん肝は特に綺麗なクリーミーさ。軽さもある。
ほかのあん肝に比べて獣感がなく、かなりクリアな味わい。奈良漬と共に。
墨烏賊
中には錦胡麻を入れ香り付けを。
咀嚼するとふわっと胡麻の風味が嫌味なく広がるのが素敵。
松葉蟹
味噌と和えてある。
赤身の漬け
今日のは大間。ねっとり。
中トロ
カラスミ餅
これはなかなか面白いアイディア。
カラスミ自体も塩味控えめで海苔の香りもいい。
大トロ
北寄貝
雲丹

白いのはチーズです。
フワッと軽く塩味も柔らかめなので全く違和感ありません。
映えるし面白い発想だと思います。
車海老
かなりのサイズ感で食べ応え凄。
甘みという点ではもうちょい。
トロタク巻き
トロ、沢庵、ごま、胡瓜。香りの妙を楽しむ。
穴子
玉子焼き
フワッとしてスフレ系。美味しく頂きました。
味噌汁
ル・ルクチェ
洋梨。この時期の旬で品のある糖度がいい。
最後苦しくなるくらい腹パンになったのはシャリが以前より硬くなったからかな?
平大将のオリジナリティ溢れるアイディアは好きです。従来の海味とは異なる新たな平さんなりの海味、これからも楽しみです。ごちそうさまでした!
2020年6月訪問
青山通り(246)から外苑西通りへ入り5分も歩かないうちにシックな外観のお店が現れる。
「海味」である。ミシュラン二つ星の今更説明するまでもない名店。

いままで「海味」を盛り上げてきた中村龍次郎大将が独立し、新たに平公一大将を迎え、お弟子さんたちも総入れ替えとなった。
つまり「新生・海味」。
前回訪問して感じたのが中村龍次郎大将の時とはガラッと雰囲気が変わり体育会系だった店内はどちらかというと落ち着いた正統派な鮨屋となった。
平大将は関西の「ザ・リッツカールトン 京都水暉」で鮨を握っていた方で長年の経験による客あしらいも立派。
距離感も心地よくガツガツこないので印象がいい。
派手なパフォーマンスはないが確かな実力のある握りをいただける。
以下、いただいた料理。
ガリ
ガリは最初から盛られている。甘み強く、辛さ、酸もそこそこに。
ビール
真っ白だけど真っ白な容器なだけです。
半生ばちこ、ヤングコーン
愛知県のヤングコーンと半生のばちこ(ナマコの卵巣)。
ばちこはホタルイカの味噌を塗って外側を炙ったもの。
厚みもありなによりも半生の食感が新鮮。
キタムラサキウニ
岩手県洋野牧場のムラサキウニ、出汁のゼリー、叩きオクラ。
オクラのネバネバに海ぶどうのプチプチの食感。
ウニは甘みが強くクリアで雑味がない。
玄米とキャビア
塩分濃度を2.8%まで落としてるそうだ。
原価たかそう。
玄米の上にのせると贅沢なキャビアご飯。
たしかに玄米と一緒に食べる分にはベストな塩分だ。
ホシガレイ
香り強いです。噛んでるとじんわりと甘みも。
スジアラ
シャリの藁で炊いたスジアラ。
器は有田焼でめちゃめちゃ凝った演出。
スモークの香ばしさもいいけどアラも噛めば噛むほど味が出てくる。
小肌

一発目は小肌。前回も一発目は小肌だったな。天草産。
身質柔らかく酢の主張、おぼろが角を取る。
シャリは前回伺った時は3種類だったけどいまは1種類で統一してるとのこと。
そりゃ3種類も炊いてられないよな。
色々試行錯誤していまのブレンドになったようだ。
赤酢独特のパンチはあるが強すぎず、コクと酸のバランスもいい。
これなら白身にも違和感なく合いそうなシャリだ。
アコウ(キジハタ)
淡路島。水分が多い魚だけど塩〆による脱水が絶妙。
渡り蟹
宮城の渡り蟹で内子は醤油漬け。
おかげで蟹の身がとにかく甘く感じる。
クロムツ
勝浦。表面は醤油で洗ってあるので赤くなっている。
香り付けとして中に柚子。
若干水分と脂が多め。
マナガツオ
徳島からマナガツオ。
緑色のは大根おろしと花山椒を混ぜたもの。
鯵
鹿児島出水の鯵。香り、脂共に抜群。
肉厚で旨味も強い。
フルーツトマト
箸休め。お出汁とお酢で漬けてある。
墨烏賊
スカッと爽快な食感。若干甘くもある。
本日の鮪

噴火湾のは魚体が小さめだ。
赤身
北海道噴火湾の定置。
ザ・夏の鮪といった感じでサッパリで酸が爽やか。
太刀魚
千葉竹岡の太刀魚。赤いソースは万願寺の裏ごし。
フワフワっと軽い食感、ホロホロっと香りも上品。
中トロ

こちらも漬けと同じ魚体の北海道噴火湾のもの。
3日ほど寝かせたようだけどだいぶ脂まわってて香りも強め。
大トロ
こちらは赤身、中トロとは別の魚体で沖縄の延縄。
一週間ちょい寝かせてある。
身質は少し硬めだが香り強いです。
白海老
富山。昆布で少し水分を抜いてあり甘みの主張もかなり強い。
トロ
こちらも沖縄の延縄。
歯ごたえがしっかりとしてる部位なので藁で表面だけ燻して漬けにしてある。
鮑
房州白浜。
海苔で巻いて肝を塩漬けにして裏ごししたものを上に。
薄くカットされた鮑は香りがいい。
シャリの酸に意識がいくな。
ダイセンのキタムラサキウニ
赤雲丹
赤雲丹好きと言ったら出してくれた。
萩。上に塩。味は濃く十分美味しい雲丹。
キタムラサキウニ
大間の新根産。
やっぱ粒の大きさが違うな。食べてみると驚くほど口溶けが滑らかでさらに甘みも強い。
車海老
鹿児島。
トロタク巻き
海苔の香り、トロの甘み、沢庵のぽりぽり、ゴマのアクセント。うまし!
味噌汁
秋田のジュンサイ入り。うす味で染み入ります。
穴子

玉子焼
しっとりとして甘み控えめな玉子焼きで本日のおまかせは終了。
雰囲気は中村大将の時とは全くの別の店の様な感じ。
料理は完全なる江戸前鮨にこだわるというよりも所々遊び心を入れたラインナップ。日々よく研究されてるのがわかる。
本日のお会計33,000円。
またしばらくして進化した海味を楽しみに本日はこれにて。ごちそうさまでした!
2019年12月訪問
本日は一年半ぶりに外苑前の「海味」へ。
その間に中村龍次郎大将が独立し、リッツカールトンで働いていた平大将を新たに迎え新生「海味」になり初訪問。
もともと中村大将のもとで働いていたお弟子さん達も一緒に中村大将について行った様で完全に総入れ替えとなったようだ。
尚、今回は写真は所々しか撮っていないので各料理の細かい感想はやめておく。
代わりに私が感じた新生「海味」の印象を細かめに述べていきたいと思う。
訪問は17時半。
店に入ってみるといささか狭く感じたその理由は二つ。
以前はテーブル席があったが店内は改装されておりカウンター席のみとなっていた。
ちゃんと一人一人のお客さんと向き合える様にという事なのか。
確かにテーブル席があると料理を運ぶ従業員も必要になってくるわけで単純に手間が増えると言えば増える。
平公一 大将

そして店が狭く感じた理由のもう一つは平大将の身体が非常に大きいこと。
正直、今まで会ってきたどの大将よりも大きくインパクトは絶大。
あ、別に悪い意味はないです笑
関西の「ザ・リッツカールトン 京都水暉」で鮨を握っていた方で長年の経験による客あしらいも立派。
関西の方なんだけど客との距離感も心地よくガツガツこないので印象はいい。
一つ気になったのがお弟子さん達の動きがまだ慣れていない感じで案の定大将から指摘されまくっていた。
まぁ、こればかりは仕方がないし頑張ってください。
そして「海味」といえば何と言ってもあの超体育会系の雰囲気。
初めて行く人は全員戸惑うだろってレベルのバキバキの体育会系接客は驚くべきことにほぼなし。
あの元気な雰囲気が「海味」じゃないのか?という方もいるだろう。
確かに「海味」っぽくはないがこれはいずれ定着していくんじゃないかな。
中村龍次郎さんの独特のキャラとうまくマッチしていただけにあの感じを求めていくと拍子抜けするかもしれない。
だが逆に料理を食わすという意味においては本来の?正統派な鮨屋になった感じはする。
無理に同じ事しても仕方がないのでガラッと変えたのは正解かと。
料理はつまみ、握りと交互に出てくる以前のスタイルを継承したもの。
シャリは赤酢、米酢、さらに玄米を使った3種類と大変手間がかけられている。
握りの形も綺麗でしっかり握られている。やわやわな握りも多い昨今印象もいい。
当初、中村龍次郎一派がいなくなって味は大丈夫か?と心配されていたが食べてみると思った以上にしっかりしているではないか。
以下、いただいた料理(すんません、今回は撮ったり撮らなかったりで一部のみです)
墨烏賊

基本的に正統派な江戸前鮨だけどこれは少し遊んだものでカラフルなのは胡麻。
鯨の尾の身
鯖
鮪は2種類
赤身
中トロ
大トロ
牡蠣
ホッキ貝
馬糞雲丹
車海老
穴子
太巻き
具材は10種類とかなり豪華。
玉子焼き
通常の江戸前の玉子焼きと「海味」の焼印が押してある白身の割合を増やしまくった玉子焼きの2種類。
プリンっぽい味わい。
ネタに対して丁寧な仕事を施され、さらに熟成されたネタもあり全体を通してクオリティは高め。
まだ試行錯誤している部分もあるがこれからも楽しみなお店。
少し時間経ったらまた来ます。ごちそうさまでした!
2018年7月訪問
本日は外苑前にあるいま何かと話題のお店「海味 (うみ)」さん。
シックな外観に「海味」のみ。
なんか潔い。知らない人は鮨屋だかわからないだろうな。
この日は18時からの予約で少し前に着いたが入れてくれた。
店内はまるで柔道部。気合の入った出迎えだ。
一番乗りでビールで乾杯。全部白いけどグラスが白いんです。
ジュンサイと蜆の出汁

ジュンサイのツルツル感と蜆出汁の合わせ技。よし、食うぞと胃が言っている。
中トロ

いきなりの中トロ。
沖縄県の本鮪で赤身に近い中トロ。確かに赤身っぽくさっぱりしている。
この店ではつまみと握りが交互に提供される。
アラの刺身

皮入りのポン酢と一緒に。主張はないがサッパリ。
ここから日本酒で。お任せで頼むと少量づつたくさんの種類を飲むことができる。
蒸し鮑

千葉県房州産。ムチムチの食感。房州鮑はやっぱり美味い。
鯵

島根県浜田産の鯵。シャリはマイルドでネタを活かしたもの。鯵の旨味が口内に広がる。
めひかり

茨城県の大洗産。深海魚です。皮パリパリ、身がフワフワ。
あん肝の茶碗蒸し

北海道余市のあん肝の茶碗蒸し。
茶碗蒸し自体は冷たくてあん肝の甘味が凄い。もうちょい量が欲しいところ。
毛ガニ
北海道昆布森の毛ガニの握り。崩れやすかったがさすがは毛ガニ。
しまエビと赤雲丹

赤雲丹が美味い季節だ。エビのねっとり感と雲丹の甘味がナイスコラボ。
鰯のガリきゅうり巻き

北海道釧路産の鯵。日本酒どんどんいきます。
本あら

青森県産。
天然うなぎ

長崎壱岐産天然うなぎが出てきた。穴子じゃないんだ。
骨のパリパリかんとホロホロがいい。
鰹

宮城県三陸産。
やりいか

塩とカボスかな。
キス 昆布締め

淡泊だけど身が柔らかくて美味しい。キスは天ぷらだけではない。
イサキ

大分県産。脂が乗ってます。
赤身の漬け

宮城134キロ。夏の鮪でサッパリ。
大トロ

こちらは赤身と対照的に上質な脂が口内に広がる。
ベッカムのサイン入り包丁を見せてくれた。

大将 中村さんのサービスショットいただきました。
小肌

バフンウニ

もう最高に甘くてとろける。
いう事はありません。
煮蛤

千葉県九十九里。プリプリの食感と甘酢かな?美味しい。
穴子

金沢八景産。皮パリパリの身がフワフワ。
メリハリが効いた穴子。
玉子焼き

出汁がとにかく優しい。ある意味オーソドックスな玉子焼き。
味噌汁

白味噌と数種類ブランドしていて少し甘味のある味噌汁。
カマス

追加でいただきました。皮が香ばしい。
体育会系だけど和気あいあいとしていてとても楽しい回でした。
お鮨も江戸前鮨に今風のアレンジを加えた感じ。
大将の中村さんはカメラサービスいいしインスタにのっけられてさらに人気になるんだろうな。
店舗情報
所在地:東京都港区南青山3-2-8 三南ビル1F
アクセス:東京メトロ銀座線「外苑前駅」から徒歩約3分
席数:カウンター約10席/個室なし(基本カウンターのみ)
営業時間:18:00~23:00(1日2部制・完全予約制)
定休日:日曜・祝日
予算:ディナーおまかせコース 約30,000円〜
予約:完全予約制(OMAKASEサイト経由が一般的)













































































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年齢上がる程に赤身肉ばかり食いたくなってしまってますが、IKKOさんの動画やブログ拝見すると寿司や蕎麦も食べたくなります。IKKOさんのお陰で食のバランス取れている気が。。。^_^ ;