奇しくも東京・浅草の「すしや通り」にはいまや鮨屋がほぼ残っていない。
そんな中、今回は「浅草 寿司清」へ。
場所は雷門から徒歩5分ほど。
創業は1891年。ここすしや通りで最も古い歴史をもつ鮨屋。
ドアをあけると階段があり2階にあがると明るいカウンターと元気な大将がお出迎え。
現在の大将は四代目。いい意味で勢いがあって脂が乗ってます。
2024年6月訪問「21キロのマグロは旨いのか?」
・ジュンサイご飯
和風出汁のジュレと合わせたジュンサイ、醤油で炊いた新生姜とシャリ混ぜて。
シャリのキレキレの酸味、ジュンサイの食感。
・アラ
・蛸
・中トロ
・鱧
梅酢醤油、青唐辛子醤油。添え物は万願寺唐辛子。
・ニタリクジラ
・アカムツ
2024年3月訪問「やま幸最強の鮪・カリスマ漁師藤本氏による圧巻の魚で神回決定」
東京・浅草の鮨屋「浅草 寿司清」。
130年以上この地で愛される超老舗。
四代目 : 長岡たかひろさん
相変わらず客足来も上手く、心地いい空間。
仕入れ先は前回から代わり、愛媛の藤本さんからの魚が増えた。これも長岡さんの人柄ゆえの賜物だろうなぁ。
以下、いただいた料理。
・コウジンメヌケ (メヌケ)
「幸神目抜け」と漢字で書く通り縁起物で高級魚。ハタやクエにも匹敵する旨味がある。
・メジマグロ
きめ細かいし、ちっちゃい烏賊食べるので余韻もある。筋も旨い。
・帆立貝
四年貝。繊維が縦だから噛み切る感じでいただく。まさに帆立ステーキです。
・マカジキ
勝浦。酢飯の酸味と腹部分の脂の甘味が交じり合う。こんなにうまいマカジキってあんま出会わないかも。
・トリ貝
プリっと甘く、瓜系の香りハッキリと。
・八尺雲丹
函館直送の甘い。そしてクリア。
・シラカワの鱗焼き
身はふわふわ、鱗はサクサク。
あぁ、美味い。美味すぎる。
・鮟肝
焼き芋入りの鮟肝。チーズ入りのクラッカーとともに。
・魚出汁
鯛や河豚の頭から取った出汁。藤本さんの魚は本当綺麗で力強さがある。
・真鯛
こちらも愛媛の藤本さんの鯛。塩締め。
口に入れた瞬間香りが爆発する。美味すぎる。
・墨烏賊
最初刺身で出すのかな?と思ったほどだいぶ厚めのカットで包丁をザックリ。
パキパキの食感に後半からだんだん甘く味が出てくる。
・鰆
・虎河豚の刺身
こちらも藤本さんの。
・赤貝
閖上。もちろん香り特上。
・鰯
脂と酢飯の酸が反応し、もはや、マヨネーズ。全然いい例えじゃないけど、マヨネーズ。
・赤身
沼津の釣り。きめ細かく、香りも抜群。なんと言ってもこの酸味の効いたシャリと合う。
・中トロ
同じく沼津。
・大トロ
なんと鹿児島の定置網。え?鹿児島で定置とれるの?
なんじゃこりゃ…香りの余韻がめちゃめちゃ長い。ずっとミルキーが居座ってる。
このレベルの鮪ってもはや今後出会えるのか?
ここで特別にもう一貫。
・血あいぎし
今度は舞鶴。定置ならではのこのきめ細かさとクリーミーさ。だけど水っぽさはなく、むしろハリがある。そして香りも素晴らしい。
・小肌
しっかりと脂ののった小肌は塩と酢がちゃんと馴染んだもの。
・煮蛤
・車海老
ボイルしてから炭火で焼いたもの。おかげでめちゃ香ばしい。
・雲丹海苔巻き
雲丹もスイーツのように甘いんだけど、この海苔の香りがめちゃ強烈。海苔が主役。
・味噌汁
本日の魚出汁を使った最強の味噌汁。寿命伸びるわ。
・穴子
・玉子焼き海苔巻き
甘い玉子焼きと酸味のシャリ、そして海苔の香りが全体を包む。美味いなぁ。
・プリン
長岡大将の1日の一番最初の仕事。
濃厚でなんだか懐かしさのあるスイーツでコースを〆る。
ビール、熱燗飲んで一人約28,000円。安過ぎない?ってことで今年あと2回予約してしまった。ごちそうさまでした。
2022年1月訪問
白子・蕪・セリ
まず一品目は温かなトロミのある「銀あん」から。
トロンとした白子に蕪の摺流しが優しく寄り添い胃袋にそっと染み込んでいくよう。そこにセリの香りと柑橘の爽やかさがなんともいいアクセント。
平目
下田のオリジナルの塩で軽く脱水したもの。
平目本来の味が濃い。
鯛
明石でなく垂水の刺し網漁でとった鯛。
こちらも塩で脱水してもっちりと。
蛸
大根で叩く昔ながらの江戸前の仕事。
ある程度柔らかく、蛸の食感も残しつつ、香りよく味もしっかりと。
特に頭はとても柔らかくプリプリ。
つぶ貝
函館から新幹線でやってきたらしい。
甘みよりも旨味。
穴子
5日間干した穴子。脂がのってていい穴子なんだけど塩で食べると少々疲れそうなところ、レモンで食わせてくれるのが嬉しい。酸と脂がとてもマッチしてます。
虎河豚
厚めにカットし咀嚼回数を増やす狙い。
後半徐々にじんわり旨味を感じるようになる。あぁ、河豚屋いかなくてもいまは鮨屋で食える幸せ。
数の子
塩抜きして出汁で味付け。
シャリっと、ポリポリっと歯応え強め。
クエ
澤井スペシャル。
赤酢と塩のみで炊き上げたシャリの温度は人肌で後に残る酢飯の綺麗な余韻が印象的。
米は新潟の「はえぬき」。
粒が大きいとこだけを選り抜きされたものを羽釜で炊く。
シャリとネタとのサイズのバランスは良く、持ち崩れのないしっかりめな握りだが口中での解けも良い。煮切りは煎り酒で割ってるらしく独特な甘味も一役買っている。
一貫食べただけでテンションあがる。
スミイカ
パツッ、スカッ。これぞスミイカ!の食感にこれまた酢飯の良さが出てる。
太刀魚
サイズが大きいのかかなり脂がのっててホワトロ。焼き太刀魚の理想系。
縞海老・鬼海老
どちらもたまり醤油漬け。
下に置かれたレモンの風味がなんとも爽やかです。穴子の時もそうだったけど柑橘系の使い方が好き。握りの合間なので大将の手と客の手にレモンの匂いがつかないように下に置いてある。
〆鯖
勝浦。四枚付けにして表面積を増やすことで脂と旨味を感じられるように。〆鯖の酢は淡めだけどシャリの酸と鯖の脂が馴染む。
小肌
身質は柔らかく脂もある。
シャリ含め、酢が綺麗。
小柱
これも酢飯の酸味、特注の丸山海苔の香りが抜群。
春子鯛
かませた朧はほんのり甘く、身質は柔らかさもありジューシー。
血合いぎし
舞鶴の定置網。もう食べただけで舞鶴の定置網味。なんとも気品のある香りに赤身の余韻、脂の甘味と完璧なバランス。
シャリは鮪だけ変えており赤酢は3種類ブレンドしたもの。
明確に花形である鮪を食べさせたいという方向性がハッキリしてる。
背の漬け
神津島の背の漬け。味わいはやや野生的です。
背トロ
同じ神津島の背トロ。シャリの温度は上がり脂は甘く、ワイルドさも相まった。
腹上
函館沖。シャリ、鮪の温度が理想的。
今日一の完璧な握りをいただきました。
砂ずり
気仙沼。スジも味があって噛めば噛む程美味くなっていく。圧巻の鮪5貫でした。
虎河豚の白子
火傷注意の熱々。
旨味が濃く、それ故に海苔の香りも相乗効果。
煮烏賊の印籠詰め
車海老
昆布出汁に季節の野菜などを漬けたもの。
旨味と甘味が良く出てます。
蛤
味噌汁
河豚、クエ、鯛、クロムツ、イサキなどの出汁の味噌汁にラーメンが入ったもの。
味はしっかりめ。コースじゃなくこれ単体ならさぞ美味しくいただけただろう。
穴子
澤井スペシャル。
玉子焼き
江戸前とだし巻きの2種類。
特に自然薯で作った江戸前はかなり空気を含んでおりそのエアリー感に驚く。
追加: 干瓢巻き
朧と共に。
自家製のプリン
相当濃厚。お土産に持って帰りたいくらい。
全体を通してどのネタを食べても酢飯の旨さが際立つ。
コースは鮪にしっかりと照準をあわせシャリを変える。ちゃんと食べさせたい狙いがハッキリしているようだ。
温度にも相当気を使っておりその仕事も細やか。
ネタには余計なものは足さず、理にかなった包丁の数でネタを傷つけず。
ストレートな鮨の旨さを堪能できた。
お会計は23,000円。鮪こんだけ食べてこの価格とは…破格。
ごちそうさまでした。
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