新潟駅の目の前にあるビルの三階に位置する「鮨喜 やまだ藤七」。
「藤七」と書いて(とうしち)」と読みます。
握り手は「山田さん」と「藤七さん」の2人だから「やまだ藤七」。
新潟駅万代口から徒歩1分、コープシティ花園[GARESSO]の3階に位置する、隠れ家的な高級寿司店。
カウンター席だけでなく、個室席も充実している。
こちらでは新潟では珍しい江戸前の仕事をしているお店。
新潟で鮨というと新発田市の「鮨 登喜和」以来だ。
店舗情報
住所:新潟県新潟市中央区花園1丁目2番2号 コープシティ花園[GARESSO]3階
アクセス:JR新潟駅万代口より徒歩1分
営業時間:16:00〜23:00(L.O.22:30)
定休日:月曜、日曜、祝日
席数:32席(カウンター12席、テーブル20席)
電話番号:025-250-0858(予約は15時以降に受付)
公式サイト:鮨㐂やまだ藤七/天㐂あらた
Instagram:Instagram
オープンは2022年3月。店内は凛とした白木のカウンター。
銀座?一瞬ここが新潟だということを忘れてしまう空間だ。
おまかせコースは24,200円税込み。
・店主:山田敏明さん
1961年新潟市南区(旧白根市)生まれ。「ホテルオークラ新潟」の和食部門で経験を積んだ後、新潟市内の鮨店で店長を25年間務め、2022年より「鮨㐂やまだ藤七」の店長に就任。
食材は地産地消に拘らず、東京・豊洲の仲卸から仕入れた鮪をはじめ、全国各地から厳選した食材を使用。
シャリは米酢と赤酢の2種類を使い分け、ネタとの相性を重視。
2025年5月訪問
前菜
新潟のコシヒカリの玄米に雲丹ソース、玄米煎餅、アスパラガス。
特にこのアスパラガスは香りが鮮烈で甘味が際立っている。鮨屋でもこういう野菜があるといいな。
地産地消だとなかなか良いものが揃わないということで、特にこだわっていないそうだ。
ぶっちゃけ豊洲に集まってますもんね。マグロもやま幸から。無理して新潟産で揃えると品質にバラツキが出てしまうので懸命な判断かと思います。勿論地産地消で頑張ってらっしゃる店舗さんもあるのでそれがどうとは言わないが、大変なのは間違いない。
・うすい豆すり流し
アサリ出汁。豆の香りとコハク酸がまた合うんです。こういう挑戦的な料理は大好きです。
・鰆酢〆
新潟産の鰆を酢締めにして、皮目を炙っている。厚みをもたせたカットで食べ応えもある。
・南蛮海老塩辛
新潟産。卵は酒塩に漬けてあり、海老の甘味が際立ちます。
・蒸し鮑
佐渡。ムチムチで柔らかく、香りも鮮烈です。
ここまででも結構新潟のもの出てきてるけど、相変わらず食材の宝庫です。
定番のシャリを入れてリゾット風に。シャリはもうちょい欲しかった。
・山葵の千切りと鰹節
・穴子の白焼き
その場で締めた穴子を白焼きにし、佐渡の粗塩と長野安曇野の本山葵で提供。
塩だとより脂の甘味が引き立ちます。穴子の握りにせずにこれで終わる贅沢さ。
・ガリ
高知県産の新生姜を赤酢に漬け、スッキリとしてコクのある味わいに。
・シャリ2種類
名刺代わりだろうか。シャリ玉にして違いを堪能。
ネタに合わせて赤酢と米酢の2種類のシャリを使用。
・アラ
握りはややコンパクト。
米の甘みを引き出し、口に入れた時にふわりとほどけるよう炊き上げたシャリは仄かな酸味が主張。あくまでキレのある酸味ではなく、穏やかにネタと調和する。
・墨烏賊
新潟。墨烏賊も甘いですね。シャリのおかげか。
・バイ貝
新潟。噛んでると徐々に味が膨らみ、最後にはどんどん甘味が増していく。
・赤身
銚子。本日は塩釜の延縄。やま幸から。
軽く漬けにしてサッと柚子を振る。濃いマグロの味わいに漬けのバランスにコクのあるシャリが調和する。この辺は熟練の技が出てます。
・中トロ
あえて中トロは塩で脂の甘味を引き立てる。延縄の野性味ある香りを堪能。
・カマス
新潟。皮目を炙って酢締め。
ニンニクっぽい当たりネギと共に。
・車海老
大ぶりの茹でたての車海老は黄身酢を挟んで。
尻尾は塩、頭は煮切り醤油で。味噌のコクと煮切りが合う。
・喜巻き
中トロ、中落ち、青紫蘇、河豚葱、たくあんを巻いた名物巻物。巻物もコースに入ってるの嬉しい。
・蝦蛄
ここにきてまさかの蝦蛄とは。予想外な流れ。
・卵焼き
こちらは江戸前ではなく、甘い出汁巻。こう言うのも良いですよね。
・お椀
・苺 (越後姫)
お会計は1人約28,500円。
新潟で江戸前の仕事をする鮨屋としてオープンして3年。
徐々に浸透しつつある赤酢のシャリや仕事をしたネタの数々。
勿論東京のピンを出す店と比べるとまだまだ余白はあるが、間違いなく新潟を牽引する鮨屋の一つになるだろう。ごちそうさまでした。