煙が立ちこめ、タレが肉に、空気に、記憶に染み込んでいる。
高級焼肉でも、映える焼肉でもない。
地域の日常に溶け込む焼肉屋、それが「町焼肉」。
都内には今も常連に支えられ続ける「町焼肉」が存在する。
そこで本記事では、私が実際にいただいた都内の町焼肉店を厳選し、流行ではなく旨さで生き残ってきた町焼肉の名店を厳選して紹介する。
焼肉 幸泉|新規予約不可!究極の町焼肉店

「焼肉 幸泉」は京成立石にて、40年以上続く焼肉店。
都内で修業した店主・安氏が2022年に代替わりし、肉の仕入れや味付けを刷新したことで人気に火がついたお店。
外観、内観共に昭和を感じさせるノスタルジックな雰囲気と現代の焼肉技術の組合せが新鮮。
現在は新予約は不可で、常連さんに連れてきてもらうほか方法はありません。
オペレーション上、一般的には肉をカットしてつけダレにつけ置きする店が多いが、こちらでは店主・安氏がカウンターの目の前で肉をカットしていき、徹底した下処理、タレは部位毎に変える徹底ぶり。
おかげで肉の香りがよく鮮度の良い状態でいただける。
赤身角切、タン塩、ハラミ、新鮮なレバーなどが人気で、濃厚な牛出汁のコムタンスープ、炊いた炊き立てのご飯も最高です。
再開発で移転前に是非。

焼肉 スタミナ苑|予約ができるスタミナ苑!タレ焼肉の真髄

鹿浜の「スタミナ苑」ではなく、こちら「江東区北砂のスタミナ苑」もおすすめ。名前が同じだけで全く関係がありません。
あちらは予約ができず並ばないと言えないが、こちらのスタミナ苑は予約ができる。
ブランド牛は固定せず、毎日届く肉の状態を見て最適な部位の切り方・味付けを施す。
何が凄いってタレ焼肉がとくにかく美味い。
肉質よりもタレなどの味付けで勝負する店でシンプルに白米とめちゃ合うんです。「昭和ハラミ」「ジャンクレバー」「爆ネギハラミ」と魅力的ななメニューが並び、冷麺も「韓国冷麺」と「盛岡冷麺」の2種類用意。

スタミナ苑|予約不可・行列必至!総理大臣も並ぶ伝説町焼肉店

日本版「ザガット・サーベイ(1999)」にて、全レストラン中「第1位」を獲得し、予約ができないため、総理大臣も並んだとされる伝説の焼肉店。
ここの魅力は個人的に肉よりも、一品料理のクオリティ。
特に常連になればなるほど色々出してくれ、楽しめるようになっている。
「煮込みの塩」は必食。もはや焼肉より美味いです。
ほかにも「カクテキ」「つぶ貝」「揚げ茄子」「魯肉飯」なども旨く、「焼肉も美味しい居酒屋」と言った感じ。
あとは「並んで食べる」という体験価値か。

高円寺 焼肉ここち 本店|その場でカットし、部位ごとにタレを作る名店

2023年4月に高円寺の大一市場にオープンしてすぐにバズったお店。先輩は京成立石の「焼肉 幸泉」の安氏。
店主の木村氏は国分寺の老舗「焼肉山水」で12年間修業を積んだ後、地元高円寺で独立を果たした長身のイケメン。
「焼肉ここち 本店」では、部位ごとに異なる揉みダレを使用し、注文ごとにその場でカットと味付けを行うスタイルが特徴。
これにより、肉の鮮度と旨味を最大限に引き出しており、全てにおいて非の打ち所がないクオリティ。
また、米は新潟県産の「新之助」を羽釜で炊き上げ、肉との相性を重視。

焼肉 三宝苑 中野|これぞ下町焼肉の新境地。

高円寺の「焼肉ここち」の木村氏のお兄さんによるお店。
1966年創業、中野区野方で愛され続ける老舗町焼肉店の中野店で、「野方店」と合わせ直営は2店舗目。「炭火焼肉 三宝苑 阿佐ヶ谷店」、「三宝苑 koenji」のFC合わせて4店舗目となる。
目指すのはクラシックな焼肉の中に新しい組み合わせやエッセンスを加えて新しい発見のある焼肉屋。
勿論、タレや味付け、カットなどかなり洗練されており、かと言って庶民でも気軽に来れる価格設定と店の雰囲気は非常に間口が広い。
ハラミやツラミなども刺身でいただくことができ鮮度もいい。生姜ダレのロース青唐辛子のツラミなどどれも絶品。冷麺はなんと昆布水冷麺。
いままさに中野を代表する町焼肉店となった。

ホルモン コウ|2,200円飲み放題&ホルモン焼肉で元取れる

店主の徳山京介氏は、赤坂「炭火焼ホルモンかぶん」(現在閉店。系列店の「KABUN-CHIKA」は営業中)で皿洗いからスタートし、9年間弱修業。2022年8月に同店をオープン。
ちなみに徳山氏は京成立石の予約困難店「焼肉幸泉」の安氏と同級生。
お肉は1枚から注文できるので、一人でも気軽に色々な部位を楽しめるのも特徴。
全体的に味は強めなので白米と合わせるといいかも。
飲み放題があり、飲む人は確実に元がとれるのでおすすめ。

炭焼ホルモン えいた|オリーブ牛×ホルモンの絶妙コンビ

日本橋界隈でじわじわと評判が上がっている焼肉店。香川県産のオリーブ牛と新鮮なホルモンをいただけることで有名。
店主の林 泰進(イム・テジン)さんは韓国生まれの韓国育ち。
当時エンジニアとして勤めていた韓国の会社で日本人エンジニアと仲良くなり、2008年に日本へやってきた。次第に焼肉に興味を持つようになり2017年に「炭焼ホルモン えいた」を開業。
奥様が香川出身ということで、オリーブ牛に出会い惚れこんだため、店で卸させてもらうことに。
オリーブ牛をメインに新鮮なホルモンを気取らない雰囲気でいただける。

焼肉家てっちゃん|昭和レトロ×炭火焼肉の魅力

完全カウンター14席というこぢんまりとした空間ながら、「目の前で切って、下味をつけて、炭火で焼き上げる」鮮度抜群の焼肉スタイルが評判の隠れ家。
肉を切る・味付けする・焼く、その一連の流れがすべて目の前で完結する。
切りたての肉は空気に触れる時間が短く、余計なドリップも出ない。
だからこそ、タレに頼らずとも肉そのものの輪郭がはっきりと立ち上がる。
店内の空気感も印象的で昭和レトロを基調としながらも、過度に作り込まず、あくまで「近所にあったら通いたくなる焼肉屋」。のんびりとした空気感も魅力。

町焼肉とは、流行ではなく時間と日常に磨かれてきた焼肉だ。
煙とタレ、その積み重ねこそが、都内の名店を名店たらしめている。また良い店があれば追加していこうと思う。
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