東京・広尾にある鮨屋「鮨 陸」。

本記事ではいま広尾で話題の鮨屋「鮨 陸」についてレポートします。
「鮨 陸」ってどんな店?

店主の戸田陸氏は、「鮨 水谷」や「日本橋蛎殻町 すぎた」などで研鑽を積み、王道の江戸前技法を軸に、自身の解釈を加えた鮨を握る職人。
オープンは2024年9月12日。
鮨 陸(すしりく)のオープンは2024年9月12日。
「鮨 水谷」、「すぎた」で4年半修業し、そのあとは5年間バンコクの「鮨いちづ」を任され、食文化の本質を捉えたレストラン評価を行うOAD(Opinionated About Dining)により4年連続アジア100店に選出。
さらに日本国以外の寿司店でアジア1位を獲得し凱旋帰国。
赤酢と米酢を使い分けたシャリは、ネタとの一体感と米粒の立ちを両立。
つまみから握りへと流れる構成も完成度が高く、開業直後から鮨通の間で静かな話題を呼んでいる。
ちなみに南青山にある「すし 陸」とは一切関係がありません。たまにお客さんが間違えてあちらに行かれるそうです笑

実食レビュー【2026年1月訪問】
場所は広尾駅2番出口より徒歩3分ほど
「鮨 在」やビストロ「epice t.(エピス)」なんかのすぐ近くです。


店主・戸田陸氏は今年(2026年)で34歳の歳。
「鮨 水谷」での修業経験もあるということで、同じ「鮨 水谷」で修業した「鮨 ゆうき」が同広尾エリアにあるのもなんだか縁を感じますね。

つまみには海ものと山のものを取り入れ野菜も印象的。時にフカヒレの唐揚げなど食べ手を飽きさせない演出などが用意されているが、これが決してケバくない程度に抑えられており、しっかりと握りへの架け橋となっている。
握りは食べ応えのある厚切りのネタともっちりとした米粒の甘味が見事な調和を果たしている。
酸味、塩味は穏やかで、ネタの方にしっかり仕事がしてある。
それ故にシャリは温度によって酸味やまろやかさが変化し、ネタごとに表情を変えてみせる。戸田親方の握りは特に温度変化による味わいが顕著。
特に塩の調整、塩梅、バランスがまさに適量でこれ以上いくと塩辛い、これ以下だと少し物足りない適度なゾーン。
個人的に料理人の塩加減が合うか合わないかって凄く重要だと思うが、僕は単純にこの塩加減が好みです。
以下、いただいた料理。
・揚げ銀杏

もっちりとした澱粉質を感じる銀杏は程よい苦味と塩がいい感じ。

マグロ卸は結乃花。本当に結乃花扱うお店、増えましたね。
・おこげと蛤出汁

シャリの底のおこげは捨てずにつまみとして。この蛤出汁が非常に濃くてコハク酸による旨味と香ばしさがまた独特の魅力。
・アオリイカと帆立のお造り

どちらも方向性は甘味だが、プリッとした帆立、ねっとりとしてじんわり甘味が膨らむアオリイカのコントラストが面白い。
特に厚くカットして包丁を入れたアオリイカは咀嚼が快感ですらある。
・メジマグロ

皮目はしっかり炙り、サクッとパリッとした食感。
しっとりとした身は赤身の酸と甘い脂の種類の異なる味わいを背と腹で見せてくれる。
・太刀魚と聖護院かぶの茶碗蒸し

海のものと大地のもので作る茶碗蒸し。聖護院かぶの擦り流し、茶碗蒸しのなかに太刀魚の身が入っている。
・タラの白子

焼いたタラの白子は香ばしい香りとねっとり濃厚な旨味の余韻がある。この白子のためにマッコリを合わせてくれた。
・アコヤ貝の一味醤油漬け

むっちりとした弾力だが歯を入れれば繊維が割れ貝の甘味がジワジワと滲み出てくる。一味醤油のピンポイントな辛味が特徴。
・あん肝、椎茸、数の子の味噌漬け、牡蠣、焼いた牡丹海老の頭

肴が「もっと酒を飲め」と言ってる。
・フカヒレの唐揚げ

フカヒレ、揚げちゃった。

こちらにセコ蟹の餡をかけたもの。一気に中華っぽくなった。ワイン飲みたくなるなぁ。
さて、ここから握りへ。
・小肌

トップバッターは「すぎた」出身者の定番の小肌から。
フカヒレの脂を切る意味合いもあり、これがシャリというより小肌の方にしっかりと酢〆と塩がキマってます。
どちらかといえばシャリは穏やかで全力で小肌を受け止めている。
優しく〆るお店が多い昨今、ここまで一口でインパクトを残す小肌も珍しいかな。
ちなみに鮨下駄が珍しくて奈良の陶芸家・辻村史朗氏の作品だそうで、めちゃくちゃ鮨が映えます。
・白甘鯛

厚めにカットしたシラカワはふわっとした舌触りに、むっちりと肉厚。
噛めば香りが湧き出る感覚。うまぁ。
・北寄貝

肉厚プリプリ。なるほど、シャリの酸や塩は穏やかな分、北寄貝の旨味をダイレクトに感じられる一貫。
・カワハギ

中には肝を忍ばせてあり、これまた香り抜群のカワハギと肝と温度が低くなったシャリと交わる。
シャリは一種類だが、この温度変化によってまったく印象が変わるのが戸田親方のシャリの魅力だ。
・春子鯛

これだけ肉厚だと溶け感が爽快だ。シャリと交わる見事な調和っぷり。
・血合いぎし

まだフレッシュさを残し、水分もある。
きめ細かく、しっとりとして酸味もあって、脂の甘味や香りもしっかりと感じさせる。
血あいぎしはマグロの醍醐味だ。特に厚いカットなのでしっかりと噛ませるため、余計香りを感じやすいですね。
・煮蛸と菜の花の和ガラシ和え

菜の花の苦味と蛸が合いますな。
・蛇腹

筋が全く気にならない溶け感。シャリは熱くなり酸味と脂の甘味と合わせる。
・赤身

漬け。脱水によりもっちりとして、赤身の香りがしっかりと。
・カンヌキ

・鰆の藁焼き

塩をして皮目を炙っている。サクッとして、この塩の塩梅が実に見事で口内調理としてきまってます。
シャリが優しい分、しっかりと魚の方に塩を効かせており、ボヤけさせない。
・鰤のしゃぶしゃぶ

脂はあるがスッと切れていく。天然が故のクオリティ。
・牡丹海老

大きめの牡丹海老の上に卵をたっぷりと。これは口いっぱい頬張る握り。
・金目鯛

皮目を炙った香ばしさと身の甘さや香りが調和する。
・バフンウニ

シャリは温度低く、もっちりとした食感に変化。
・味噌汁

鯛出汁の味噌汁。
・太巻き

穴子、玉子、干瓢、牛蒡などが入った豪華な太巻き。
やはり海のものだけで、なく陸のものも取り入れ、バランスを取っているのかも。
・自家製わらび餅

ビールと焼酎ソーダ割り一杯づつでお会計は約47,000円。
系譜からもっと硬派なつまみを想像したが、これが思った以上に自由度が高く、だけど主役はしっかりと握りに焦点が当てられていた。
全てのバランスが良く、食べ応えのある「しっかりと旨い握り」をいただけた。ごちそうさまでした。
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【鮨 陸】の動画
店舗情報
名称:鮨 陸(すしりく)
住所:東京都渋谷区広尾5-13-6 ARISTO広尾ビル1F
最寄駅:広尾駅 徒歩3分
営業時間:17:00〜 / 20:00〜(2部制)
定休日:日曜・月曜
席数:8席(カウンターのみ)
予約:完全予約制
支払い方法:カード可(VISA / Master / JCB / AMEX)
予算:¥40,000〜¥49,999
禁煙・喫煙:全席禁煙
駐車場:なし(近隣にコインパーキングあり)
オープン日:2024年9月12日







