東京・代々木八幡にある日本料理店「礼讃」。

東京都渋谷区代々木八幡にある日本料理店「礼讃(らいさん)」は、伝統的な京料理を基盤としつつ、現代の感性を取り入れた繊細な料理で知られている。
【礼讃】ってどんな店?
「礼讃(礼賛)」は「尊いものをありがたく思い、ほめたたえること。」という意味の仏教由来の語。季節の食材や生産者、出汁文化を敬う店の姿勢と重なる言葉だ。
トイレに「美味礼讃」の本があった。
「言ってみたまえ、君が何を食べているか。そうすれば、君がどんな人か言ってあげよう」
このフレーズで有名なフランスの美食家・法律家ジャン・アンテルム・ブリヤ=サヴァラン(1755–1826)が晩年にまとめ、1825年末(死の約2か月前)に匿名で刊行された美食論集である。
美食を単なる趣味ではなく「文化・社会・政治を映す学」として語り、以後の食文化研究・随筆に大きな影響を与えた本です。日本では長く『美味礼讃』の邦題で紹介され、現在は玉村豊男編訳の中公文庫新版(2021年刊)などが入手しやすい。
店主:鉦本周仁さん
徳島県出身。日本三大料亭の一つとしても有名な新橋の「金田中」出身。
余計な料理の説明はしません。情報よりもしっかりと味蕾を満足させてくれます。
なんでしょう、塩はほとんど使ってないのに素材の持つ旨味、個性でしっかりと味が完成している。
よく化学調味料を使った料理だと腹が減っていても途中で食べれなくなったりするが、ここの料理は食べれば食べるほど腹が減っていく。
この感覚、早稲田の薬膳中華の「旧雨」現象やんか!
会席 18,000円~。この価格帯、本当に素晴らしい。いまの和食屋さんは5万くらいが標準な気がするからずいぶんお財布に優しい金額だ。飲んでも2万ちょっと。これなら月一とかで来たい。
これが、美味しい料理である。
2025年7月訪問
美味すぎて再訪問。
・新銀杏
翡翠色の鮮やかな色。短期間しか市場に出回らない新銀杏。
皮は柔らかく、ホクホクとしてみずみずしく、ほのかな香りと甘味があります。
・京都山科唐辛子
皮が薄くやわらかいので口当たりが優しい。唐辛子だが、辛さはほぼなくむしろ甘味がある。
万願寺唐辛子と似てるけど万願寺唐辛子はもっと肉厚です。
・鯵棒鮨
〆ない三重の鯵、針生姜。しっとりとしてみずみずしさがある。普通にお造りを出すよりもよっぽど手間がかかってる。
・信州高原レタスのお浸し
調味料は薄口1滴のみという潔さ。それなのにこの澄んだ出汁の味わい十分だ。
出汁はつかむもの。
・天草の鱧 焼き霜
表面を炙ると微量の水分と脂が蒸発し、うま味成分が薄く濃縮されるため、「淡白なのに味がしっかり感じられる」味わいになる。
四川胡瓜の妻、自家製梅肉醤油につけて。
・お椀
川千鳥 美人ねぎ 忍び生姜。
京都では「すっぽん」のことを「川千鳥」と言います。
ネギは甘く、スッポンの旨味と出汁が馴染んでます。
・伊吹のマナガツオ 味噌漬け かもじ葱
添え物はジャンボなめこのポン酢焼き。味噌とかもじ葱の相性もいいです。
・田辺茄子 茗荷
京野菜。砂糖は使わず、干しエビの出汁で炊いて甘みをつけているからナチュラルなんだ。
・トマトとオクラ鍋
トマトは北海道産「北の極み」。オクラは皮が固くない新潟のオクラ。
出汁は、人参、生姜、セロリなど入れて薬膳スープに。
猪の脂を入れることで少し動物性の旨みが入る。トマトの爽やかな酸味と甘みにさらに辛子も忍ばせて味の輪郭をつけてます。
・白米(徳島「あきさかり」)
まずは炊ける前の状態で一口。特に甘味と旨味がよくわかる。
・自家製糠漬け 胡瓜 夏かぶ
葉唐辛子のきんぴら。
・赤出汁
・中川牛と松茸 醤油だけのすき焼き
調味料は醤油だけ。つまり醤油だけのすき焼きだ。
砂糖を入れる必要がないくらい牛の脂の甘味と旨味がしっかりしている。
・クレソンのかき揚げ
丼ダレは海老の頭を入れて煮詰めている。
・TKG
・有りの実 クインルージュ
有りの実とは梨のこと。「梨」を「無し」と取るとネガティブな印象があるので有りの実と呼ぶ日本人のユーモアさよ。
お会計は23,000円。飲んで食べてこの値段なんてほんとに素晴らしい。ごちそうさまでした。
2025年5月訪問
・無花果(イチジク)
走りの無花果を炭焼きにし、上から酢味噌、サッと柚子を。
・しろ菜
京野菜のしろ菜。昆布、いりこの出汁。
・マコガレイ
昆布〆で程よい脱水にモッチモチですね。土佐酢の酸味に木の芽の香りと共に。
・お椀
塩が入っておらず、羅臼の昆布、まぐろ節で出汁を取ったお椀は物足りなさが皆無。ジュンサイと素麺が食感アクセント。
・天然縞鯵
・鮎
四万十川の鮎。苦味からの甘味が爽快だ。
この鮎なら10匹食いたい。
・角煮
濾したジャガイモと共に。
・水貝
鮑。歯応えはあるがそんなにストレスのある硬さではない。
・鍋
猪の脂の甘み、揚げた加茂茄子の甘み、花山椒の香りが調和。
・トキシラズ
トキシラズのフライ。
・白米
新牛蒡のきんぴら
・雲丹海苔ご飯
・赤だし
・炒飯
・TKG
・マンゴー
久々にこんなに食べた。白米を。
腹パンになるまで満足させてくれます。まだきます。
店舗情報
住所:東京都渋谷区代々木5-9-9 カーサブリランテ代々木公園 1F
アクセス:小田急小田原線「代々木八幡駅」
徒歩3分、東京メトロ千代田線「代々木公園駅」徒歩4分
電話番号:03-6416-8474
営業時間:
月・火・木・金:17:30~22:00(L.O. 料理20:00)
金:17:30~22:00(L.O. 料理22:00)
日・祝日:18:00~21:00(L.O. 料理18:00)
定休日:水曜日
席数:9席(カウンター5席、テーブル4席)
予算:ディナー 15,000円~19,999円
予約:可(電話予約推奨)
支払い方法:クレジットカード可(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)
公式サイト:http://rai-san.com/