【東京・西麻布】KOBAYASHI(コバヤシ)「熟達した技術が凝縮した異次元のシン・中国料理」

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中華料理・韓国料理

東京・六本木一丁目にある中華レストラン「KOBAYASHI」。

ランドスケープデザイナー・桝井淳介氏による「自然と対峙しながら内外をつなげる」というコンセプトを体現しした店内に足を踏み入れると、まずその空間に驚かされる。石や木を多用した内装、自然と調和した庭園デザインは、まるで仙郷への入り口のような神秘的な雰囲気を醸し出している。

店内はゆったりとした一枚板のカウンター8席と個室が5部屋のみ。

なんとこのレストラン、カウンターと個室とでは提供する料理が異なるとのこと。

個室では小林シェフの昔ながらの料理をコースとして提供し、カウンターでは小林シェフの新たな挑戦「シン・KOBAYASHI 中国料理」を楽しめる。

季節のおまかせコースは38,500円。

シェフ : 小林武志さん

⼤阪・辻調理師専⾨学校を卒業後、同校で8年間講師として勤務。

その後、吉祥寺「⽵爐⼭房」など数々の有名中国料理店で研鑽を積み、2005年に港区三⽥に「御⽥町 桃の⽊」を開店。

2020年、店名を「⾚坂 桃の⽊」に変更し、東京ガーデンテラス紀尾井町に移転。

2023年同店を退き、2024年6月6日より六本木「KOBAYASHI」シェフに就任。

料理は桃の木時代からかなり深化を遂げています。特にじゃがいも炒めに関しては変態級で、だいぶ玄人向けのものも。

何品かは小林シェフが出てきて目の前で調理してくれます。これがなんだかテレビの料理番組を観ているかのよう笑

まだ食べたことがない中国料理を食べられる凄い店が今年オープンした。

2024年10月訪問




以下、いただいた料理。

・上海蟹の春捲き

中には上海蟹と北海道産の毛蟹、鹿児島県産の車海老を詰めた春巻き。

サクッとした春巻きの食感、ブリっとした海老の食感のあとはフワッと甲殻類のいい香り。小林シェフの春巻きは鼻で楽しむ料理なのだと教えてくれる。

・牡丹海老の紹興酒漬け / キャビアのグリーンサラダ

スプーンの上には香港の赤酢を使った酢飯、北海道産の雲丹とイクラ。

奥はバジルと和えた春雨、揚げワンタン、アボカドなどを使用したグリーンサラダで上にはキャビアとカラスミ。

胡瓜はトリュフ葱ソースで味付けされている。

なによりもこの包丁のカットの細かさに驚かされる。

・前菜の盛り合わせ

上海よだれ鶏の瞬間燻製。蓋を開ければフワッと漂う燻製香。

すでにこのよだれ鶏ソースが実に旨い。燻製香とパクチーの香りが混じるとなんと妖艶な味わいになるのだろう。鶏は北海道の「赤平火をどり」。

秋田の鮑の白トリュフソースで和えたもの。

まさにこのカットこそが小林シェフの技です。なんと1mm角。

細かくすることで揮発する量が変わってきて香りを感じられるのと、舌触りも全く気にならなくなってくる。

山口の萩の甘鯛。

・KOBAYASHI特製XO醬 ULTRAstyle

甘鯛の油淋ソース。目の前で作ってくれました。

油淋ソースはごま油を使うのが一般的だが、小林シェフは重くならないように辣油を使い辛味を足す。

甘鯛は片栗粉ではなく、強力粉を薄く付けて揚げることで、ゴワゴワせず、切断面が綺麗に見えるように揚がっている。

もはや気が遠くなりそうな1mm角のカットは見た目も美しく葱の食感と香りもいい。ザクっと鮮烈な音を立てる鱗、しっとりと潤いと甘みのある身と甘辛の油淋ソースのキレがいい。素晴らしいです。

小林シェフのスペシャリテの一つ「自家製XO醤」をたっぷりと使った海鮮料理。

XO醤は干し貝柱と金華ハムをふんだんに使用し、ニンニクなどは最小限でとにかく旨味が物凄い。

太白ごま油であっつあつのアヒージョ風に仕立てており、中毒的な旨さがある。

なかには北海道産の鱈の白子、京都舞鶴の牡蠣、鹿児島県の車海老。

追加のXO醤はつまみとしてワインと嗜む。持って帰りたい。または白米だな。

パンはオイルにつけてアヒージョ風に。




・じゃがいもの細切り炒め

なんじゃこりゃ…じゃが芋を均一に細く切り、歯ごたえを残しつつ、火を入れてある。澱粉化されないうちに火を通す。もはや至難の業だ。

簡単に言ってしまえば「じゃが芋炒めだ」。だが、小林シェフの業が詰まっている玄人向けの料理だ。今回一番感動した料理。

・上海蟹と豆腐のとろみ煮

上海蟹の味噌や内子を使用し、火を通す前に丁寧にすりつぶすことでまろやかな食感と色合いを引き出している。

滋味深いまろやかさ。味が強いというわけじゃなく、少量の味付けだけで構成されている。

・手羽先 / フカヒレ/銀杏

仕上げに15年物の紹興酒を香りづけに。

フカヒレと銀杏を手羽先に入れた料理。

添えてあるのはマコモダケ。

・KOBAYASHIとNUMAMOTO

世界トップレベルのカット技術と言われるミートスペシャリストの沼本憲明氏による沼本カットの山口県産「高森和牛」と岩手の松茸。

牛肉の部位は前足の二の腕にあたる部位「マクラ」。

調味料を打ち込んで仕上げる調理法。タレの量と加えた油で調味料を絡めていく。

食材と火力に対してギリギリの調味料を加えているので炒めてる最中に蒸発するので香りが出る。

噛んでもなお、松茸の味がする。牛肉にも松茸の香りが移っている。素晴らしいね。

・鶏そば

地鶏の煮込みそばは小林シェフのスペシャリテ。トロみのあるスープはまさに濃厚で深い味わい。胡椒や白トリュフオイルなど入れて味変を。

・玉子チャーハン

香りが抜群です。このパラパラ感。これが小林シェフが作る玉子チャーハンです。もう香りだけですでに旨いんです。玉子と米の甘味。炊いたあと一晩冷蔵庫に寝かせることでよりしっとりと仕上がるようだ。

・干し貝柱のチャーハン

そこに干し貝柱の旨味が加わる。

・正式杏仁豆腐

杏の核をすりつぶし、生クリームなどで仕上げた作り方が正式な杏仁豆腐。香りもエレガントだ。

・芒果布丁(マンゴープリン)

30年前の香港のペニンシュラで作られていたマンゴープリンを再現したもの。

・生月餅

中は抹茶とココナッツのパウダーで仕上げてある。

お会計は一人約84,700円。

進化と深化が融合した「新華」。

小林シェフの熟達した技術とアイデアが凝縮された中国料理はまさに圧倒的。

自身の名を冠した「KOBAYASHI」はまさにシェフの集大成であり、新しい中華の世界を体験させてくれる。ごちそうさまでした。

【KOBAYASHI】の動画

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