東京・渋谷にあるフレンチレストラン「モノリス」。
場所は渋谷駅から表参道方面へ徒歩10分ほど歩いたところに位置する。
ミシュラン一つ星を獲得するフランス料理店です。
店名のモノリスとは一枚岩の石板を意味する。
映画「2001年宇宙の旅」では、進化の象徴でした。
しかし、何もない所から進化は出来ません。
猿が長い時間をかけて人間に進化したように、
フランス料理とそれを築き上げた偉大なる料理人達に捧げるオマージュとして、基本・クラシック・歴史を大切にし、少しずつ進化したいと思い、店名としました。
料理人はもちろんサービススタッフ、店自身も同じように進化し、
まさにモノリスのように「一つ」に団結し、精進していく所存です。
ガラス張りのキッチンを横切り、テーブル席へ。ミシュランやらゴエミヨが飾られてます。
この日はランチコースに名物のパイ包み焼きを追加して。だって石井シェフのパイ包みを食べないわけにはいかないでしょう。
テーブル席には宇宙をイメージしたオブジェが。完全なる球体ではなく微妙に形作られ転がらないようになっている。
アミューズ
人参のムースを挟んだ竹墨のマカロン。しっとりとしたマカロンとクミンの香りが調和し、舌の上で優しく広がる甘さが心地よい。
フォアグラのフランはまろやかで椎茸の旨味成分が溶け込んでいる。
アマエビの甘みとイクラの塩気が絡み合い、香り高いディルが全体を引き締めるキッシュ。
モノリスエッグ
スペシャリテ。シェリービネガーとハチミツで仕立てた冷製ムースと卵、ベーコンの組み合わせ。
卵のまろやかさと香り、酸味の蜂蜜、ベーコンの塩味がアクセントになっており味の強さがもろ自分好みで一気に胃袋を掴まれた。これがスペシャリテって、素敵。
サクサクのブリオッシュと一緒に口に運べば、さらなる美味しさが引き立つ。
カリフラワー/オマールブルー/ウニ
カリフラワーの冷製スープがベースとなり、香り高いオマールエビの肉感、雲丹の甘さ、甲殻類のジュレが重なり合う。
雲丹とオマールエビの濃厚な味わいが口の中で広がり、穂紫蘇と柚子の香りが鮮やかなアクセントを加える。
天然鰤/みかん/マスタード/藁
北海道産の鰤はしっとりとして、藁の香りが程よく染み込み、食べるたびに香りが広がる。
焼かれたみかんとマスタードのソースが鰤を引き立て、軽やかでバランスの取れた一皿。
甘鯛/セップ茸/ハナビラ茸/トランペット茸/なめこ
甘鯛の鱗焼きは、サクサクの食感としっとりとした脂のコントラスト。
コンソメの旨味が豊かに広がり、セップ茸やハナビラ茸、トランペット茸、なめこがそれぞれの食感と茸たちの旨味を提供し、全体として深い味わいを作り上げている。
パイ包み焼き
かつては中身を入れる器として使われていたパイ。焼き上がったパイは捨てられていた。
今ではパイ生地は薄くなりパイも料理の一つとなった。
フランス料理の王道であるパイ包み焼きは食材の香りと旨みと温度を閉じ込める。
石井シェフのパイ包みは芸術的な美しさで見てるだけで食欲がうごめく。
パクっとカットした時に隙間がないのが真のパイ包み焼きである。その点、もはやこれ以上ない美しさ。
鶉と豚、ピジョンとフォアグラ、黒トリュフを包み込んだパイ包み焼きの2種類をいただいた。
パリッとした外側とジューシーな中身が見事なコントラストを作り出す。
赤ワインやフォンドボーを使った濃厚なソースに、小鳩の内臓を加えたサルミソースが、深い味わいとともに香りを引き立てる。香ばしさとジューシーさが絶妙に融合し、極上の一品。
だがパイ包みをナイフとフォークで食べるのは至難の業だ。
どうしてもグチャグチャになってしまう。
スマートに食べる方法はないのかとサービスに聞くと「どうしてもグチャグチャになるのでパイと具材をグチャグチャに食べて下さい」
多少の罪悪感を感じながらこの美しい芸術を崩して胃袋にうつす。
これを作るのにどれほど時間がかかるのか。
だが食べるのは一瞬。
フランス料理はとても儚い。そして美しい。
里芋/カカオ
里芋のアイスには、香ばしい里芋チップが添えられている。
トロミのあるアイスは斬新で全く違和感がない。トルコアイスか?ねっとりとした食感と自然な甘さが心地よく、カカオのほろ苦さと香りがうまく調和する。
里芋チップは香ばしさをプラスし、甘みと苦味が絶妙に交錯する。
タルト・タタン
外側には小さな姫リンゴ、中には紅玉が使われているタルト・タタン。
甘酸っぱさと香りが際立ち、アイスのリッチな味わいがさらに深みを増している。
ハーブティーと小菓子
どの料理もクオリティが高く、盛り付けも美しい。スペシャリテのモノリスエッグやハトのパイ包み焼きが特に印象的で、その美味しさに感動すること間違いなし。
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