とあるラーメン屋に向かう途中、なんだかめちゃめちゃ雰囲気のある町中華屋があった。店名を「一番」という。数人が並んでいる。
なんだろう?やたらと惹かれる自分がいるがまずは当初の目的を果たさないと。という事でラーメン屋へ向かった。
店を出て駅まで帰る途中、先程の中華屋の前をみると待ちは一名のみ。
本当はこのあと別の店でラーメンをハシゴする予定だったが、多分これを逃したらこの地には来ない気がする。
よし、行こう。いい店は外観から吸い寄せられる何かがある。私はあっさりと計画を変更した。
待ってると中から年配の女性店員さんが出てきてメニュー表を渡してくれた。凄い種類があるけど町中華の基本のチャーハンと餃子をお願いする。
すぐに入れるかと思ったらなかなか待たされる。席数は少なめで皆さんゆっくりディナーを堪能してらっしゃるので仕方がないか。
店内にはカウンター席はなくテーブル席のみ。5組だけしか座れなので回転率は良くないはずだ。家族経営だろうか?
瓶ビール 中 500円
焼き餃子 550円
餡は肉がぎっしとして肉汁もジュワる。野菜は少なめなめだ。あぁ、これ好きな餃子だ。
海老チャーハン 950円
凄いな、この海老の量。少し圧倒される。
オイリーでもなく味は強すぎるわけでもなく。ご飯はしっとりふっくらとして玉子も淡い。もっと強いのを想像したけどだいぶ食べやすいぞ。プリプリの海老の存在感が引き立つ。
餃子と炒飯を交互に胃袋にぶち込み、一気にビールで流す至福。町中華ってこれだよ、これ。色んな人と来たらもっと色々な種類食べられるのになぁなんて毎回一人で来るたびに同じ事を思う。
ふと目の前を見ると3人家族が食事してるのが目に入った。どこにでもあるとある家族の食事風景。
その瞬間、自分が小学生くらいの頃によく家の近所の中華屋で家族四人で夜ご飯を食べた記憶が蘇った。
中華と言えばご馳走で弟と競う様に炒飯やら餃子やらエビチリやら限界まで詰め込んで。そんな僕らを親は微笑ましく酒飲みながら見てたっけ。どこにもでもある何でもない思い出だ。
そうだ、子供たちがもう少し大きくなったら家族で中華屋に来ようか。親が自分達にしてくれたように、何気ない日常が将来きっといつか宝物になる日がくる。
お会計は2,200円。
「ありがとうございました!」と厨房の奥から店主のかなり元気のいい声で見送られた。
こちらこそ、ごちそうさまでした。
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