神奈川・関内にある鮨屋「鮨 はま田」。
横浜・関内。
歴史ある馬車道や日本大通りエリアには、クラシカルな建築とともに、隠れた名店が数多く息づいている。
その中で「鮨 はま田」は、まるで銀座の小箱をそのまま移したような、静謐で凛とした空気を纏う江戸前鮨の名店だ。
住所は、神奈川県横浜市中区太田町2-21-2 新関内ビル1階。
最寄り駅はJR関内駅、またはみなとみらい線の日本大通り駅。
駅から歩けば、わずか4〜6分ほどでその暖簾に辿り着く。
「鮨 はま田」ってどんな店?
「鮨 はま田」は、銀座の名店「鮨 青木」などで修業を重ねた親方・濱田氏が独立して構えた店。
兄弟弟子には「鮨 杉澤」の杉澤親方がいる。
親方:浜田 剛さん
出身は三重県津市。浅草で修業経験のある三重の親方に従事し、4年間の修業を積んだのちに、東京・銀座の「鮨 青木」で研鑽を積まれました。
2004年には、「次郎よこはま店」の名で店を構えていた「鮨 水谷」の水谷八郎さんが銀座に移転したあとを引き継ぐ形で同店をオープン。
その真摯な仕事ぶりと、赤酢を主体とした芯のある江戸前仕事が評価され、食通の間では「横浜で最も完成度の高い鮨のひとつ」として知られている。
カウンターはわずか8席。
木の香りがほのかに漂う静かな空間で、照明はネタを美しく見せる程度に控えめ。
席に腰を下ろすと、すぐ目の前にまな板と、職人の包丁が並ぶ。
目の前で一貫ずつ握られていく所作に、自然と背筋が伸びる。
シャリは砂糖不使用。粘りはなく、一粒一粒の主張がスゴイ。
砂糖を使わないので赤酢の酸味、米の旨味がストレートに感じられる。後味はスッと切れるような「キレ」を感じ、魚の脂とのコントラストが感じられる。
だがその分、ネタとシャリとのバランスが繊細なため、温度管理と握りの技術がとても重要になる。
いまどきこんな硬派な鮨を握る職人は珍しい存在と言えます。
2025年10月訪問
この日はサロンで8名での貸切会。
・平目
1日目と2日目。もうのっけから香りが素晴らしい。ふわっと舌触りは優しく、グッと迸る強い弾力に平目の鮮烈な香り。
「平目は味がない」って人に食べさせたいです。
これで香らなかったら味覚と嗅覚障害レベルです。
・北寄貝
甘味が強く、味わいも力強い。
・カマス
シンプルに焼きで提供。皮目の香ばしさと脂、ホクホクの身。理屈なしに日本人の琴線に触れる味覚。
・赤貝
少しサイズは小ぶりだが、香りはまさに閖上。
・鮟肝
旨味が綺麗なのは余市産の証拠。ふくよかで円やか。
・平貝の磯辺焼き
火入れによって味がしっかりと出てます。
さて、ここから握りへ。
相変わらずつまみはこの上なくシンプル。ほぼ足すことはしないがそれだけネタのクオリティが高いことがわかる。
・スミイカ
シャリは粘り気は皆無。粒の輪郭が一粒一粒ハッキリしている。
イカは刀を振り落とすようにスッと噛み切れる、ストレスなき食感。そして後半に深まる味わい。
・赤身
結乃花、渾身のマグロ。透明感があって、赤身の味も強い。
・中トロ
脂の甘味がシャリ一粒一粒に絡みつくようだ。
砂糖を使っていないシャリだからかより一層マグロのクオリティが明確化される。
・大トロ
見事なシャリとの抱き合い方だ。脂の甘味がシャリの酸を求めている。絡みつく。この上ないカップルだ。
・小肌
〆加減見事で小肌の味の輪郭もしっかりと。
・新イクラ
卵黄を彷彿とさせる濃厚さと柔らかさ、そして海苔の香りに、酸味のシャリとバランス完璧。
・〆鯖
赤身、脂、香り、どれをとっても素晴らしく、シャリがガッツリ引き立てている。
後に残るのは鯖の余韻と米の旨味。
・煮蛤
煮詰めの仕事も素晴らしい。
・鰤
これまた鰤の脂の甘味が素晴らしく、クオリティが高い。シャリも見事に反応。
・春子鯛
鰤の脂を酢〆の春子鯛で切る。
春子鯛はフレッシュに仕上げる店が多いがこちらではしっかりと味を馴染ませる酢〆。
・車海老
茹で置きで味が深まった車海老は甘味と味がこの上なく濃い。
・バフンウニ
浜中のバフンウニも甘味が際立つ。そうなるとシャリの酸味にも意識がいく。
・穴子
・玉子
鞍掛にしてシャリと。この玉子焼きが驚く立体的な味わい。
芝海老も大和芋も不使用。醤油、味醂、砂糖、酒しか使わない究極の玉子焼き。
お会計は32,600円ほど。徹底的に今っぽさを排除し、古典を追い求める浜田親方の鮨は多様性が認められるいまの時代特に刺さった。
「やっぱりこれだよね。」あとは近くにあれば最高なんだけど。ごちそうさまでした。
2025年8月訪問
横浜屈指の江戸前鮨のお店「鮨 はま田」さん。
三重の鮨屋で4年、銀座の名店「鮨 青木」さんで9年研鑽を積まれた御主人。
一口食べて、驚いた。
なぜもっと早く来なかったんだろうか。
どのネタも丁寧に素材の香りを引き出し、甘味とキレのあるシャリが見事な和合を産んでいる。
素材の目利きも良ければ仕事も実に素晴らしい。
握りは真っ直ぐに置く。右利きの方も、左利きの方も如何様にも。
ここはちゃんと向き合わないといけないお店だと思い、すぐに次の予約を取った。
関内は「なか條」だけではないんだ。
【鮨 はま田】の動画
店舗情報
店名:鮨 はま田(すし はまだ)
住所:神奈川県横浜市中区太田町2-21-2 新関内ビル1F
交通アクセス:
JR・横浜市営地下鉄「関内駅」より徒歩約6分
みなとみらい線「日本大通り駅」1番出口より徒歩4〜5分
営業時間:17:30〜21:30(最終入店19:30)
定休日:水曜日・第3火曜日(記載による)
席数・スタイル:カウンター8席のみ。貸切可、完全禁煙。
予算目安:夜おまかせコースで ¥20,000〜¥30,000 程度が多い。