福島・郡山にある蕎麦屋「蕎麦彩膳 隆仙坊」。

福島・郡山の中心街から少し離れた住宅地。
清水台の静かな一角に、ひっそりと佇む一軒の古民家がある。
のれんをくぐれば、そこは喧騒を忘れさせる和の別世界——
「蕎麦彩膳 隆仙坊(りゅうせんぼう)」。
隆仙坊ってどんな店?

古民家を改装した風情ある佇まい。
玄関で靴を脱ぎ、囲炉裏のある座敷に通されると、ゆるやかな時間が流れ始める。
ここ「隆仙坊」は、手打ち蕎麦を中心に季節の一品料理を供する蕎麦懐石のような店。
郡山駅から徒歩約10分、清水台・大慈寺の門前にある。
蕎麦は、福島県産をはじめとした厳選国産そば粉を毎朝石臼で自家製粉。
打ち立て・茹で立て・盛り立ての“三たて”を徹底する。
口に含むとまず香りが立ち、噛むほどに甘みが広がる——
郡山の中でも屈指の完成度を誇る一杯だ。
こだわり抜いた「香り」と「余韻」
隆仙坊の蕎麦の滋味深さの真髄は、つゆと薬味のバランスにも現れている。
かえしには徳島産の天然醸造醤油を使い、土佐の鰹節と昆布で取った出汁を合わせる。
一口すすると、塩味と甘みが柔らかく重なり、蕎麦の香りを引き立てる。
人気の「せいろ蕎麦」はもちろん、季節限定の「変わり蕎麦」も評判。
柚子切りや桜切りなど、季節の香りを練り込んだ蕎麦は、まるで和菓子のような上品さを放つ。
さらに名物「蕎麦刺し」は必食。
三角形に切った蕎麦を氷水で締め、山葵醤油でいただく。
しなやかで冷たく、蕎麦の香りがストレートに伝わる逸品だ。
酒と愉しむ蕎麦前の美学
夜の隆仙坊は、もうひとつの顔を見せる。
小柱と海老のかき揚げ、揚げそばがき、出汁巻玉子。
どれも蕎麦屋ならではの繊細な肴で、地酒との相性は抜群だ。
「蕎麦屋は酒を飲む場所」という江戸の文化が、ここ郡山でしっかりと息づいている。
締めにいただくせいろは、しっとりとした余韻を残し、最後の蕎麦湯まで丁寧に味わいたくなる。
2025年9月訪問
平日の昼12時半に訪問。外観は古民家。店内もなんだか懐かしい感じの日本家屋。

新蕎麦の時期に訪問したので今回も新蕎麦目当てです。

席には通されずまずは待合室に通されます。

またこの待合室も古風で、特集された雑誌などが置かれてます。郡山市では「蕎麦切り あなざわ」に並ぶ二大蕎麦屋です。
しばらくして座敷に通されました。
なんだかお店のノスタルジック感がたまらない。
メニューを見るとつまみが多く、江戸の蕎麦前を感じます。「どじょう」まである。凄いな。
・お通し

酒を頼んだら出てくるのかな?鶏肉の味噌がけ。
・玉子焼き

だし巻きではなく、甘い玉子焼き。これはだし巻きが良かった…
・蕎麦刺し

商標登録されている当店の名物。
氷水の中に三角形の形をした蕎麦が紅葉と共に入っていて清涼感がある。

これを醤油と山葵につけて。つるりとして噛んでいくと甘味を感じます。またすする蕎麦とは異なる蕎麦の表現。
・きのこ

・生ゆば

・そばがき

もっちりとザラっとした舌触り。蕎麦の甘味を感じる。
・揚げそばがき

そばがきの他にこちらでは揚げたそばがきも人気。
サクッとして、中はもっちりと。揚げた方がより香りと甘味が際立ちますね。
海苔といただくとまた蕎麦の香りと見事に抱き合います。ここに来たらこれは必食でしょう。
・天かき揚げせいろ

海老と帆立の小柱のかき揚げ。これもしっかりしてます。
・【限定十食】福井県坂井 丸岡在来種 玄そば 粗挽きそば 二色

そして2種類の蕎麦がきた。

新蕎麦は酸化してないので緑がかっています。
そしてめちゃ香る。

こちらも甘味が立ってます。つゆの鰹出汁も濃厚で蕎麦の香りを引き立てる。
郡山の二軒行きましたが個人的にはこちらのお店の方が好みではあります。シンプルにいい蕎麦屋だと思います。ごちそうさまでした。
結びに:郡山の蕎麦文化を継ぐ名店
隆仙坊の魅力は、「香りを味わう」「余韻に浸る」「静けさを愉しむ」——
そんな蕎麦時間そのものを体験できる場所。
職人の丁寧な仕事、木の温もり、そして一碗に込められた誠実さ。
それは、都会の名店にも決して引けを取らない。
郡山を訪れたなら、ぜひ足を運ぶべき一軒である。
店舗情報
名称:蕎麦彩膳 隆仙坊(りゅうせんぼう)
住所:福島県郡山市清水台2-6-5 大慈寺門前 ※住宅街の中、古民家を改装した店舗。
電話番号:024-932-0194
最寄駅:郡山駅(東北本線)から徒歩約8〜10分
営業時間: 昼:11:30~14:00 夜:18:00~20:00(蕎麦売切次第終了)
定休日:月曜日
席数・設備:座敷あり、掘りごたつ式テーブルあり、全席禁煙。駐車場あり(店前3台+第2駐車場あり)
決済:クレジットカード・電子マネー不可との情報あり








