戦後広島のヤクザ抗争の渦中の人物であった美能組元組長・美能広三の獄中手記を基にした、飯干晃一の小説を原作に描く実録ヤクザ映画シリーズの第1作。
復員兵の広能(菅原文太)は、当時まだ小さかった山守組の身内となり、敵対する土居組組長を暗殺するが、途端に山守組長(金子信雄)から邪魔もの扱いされて自首せざるをえなくなる。その後勢力を拡大していく山守組内部で、坂井(松方弘樹)ら主流派と有田(渡瀬恒彦)ら反主流派の内部紛争が始まっていく。やがて仮出所した広能は、山守組長から紛争に勝利した坂井の暗殺を促されるが…。
従来のヒロイックな任侠映画とは一線を画し、情け容赦ないヤクザ社会の実態を、手持ちぶん回しキャメラを駆使したパワフルな暴力描写でリアルに見せこみながら、戦後の日本とも照らし合わせていく。まさに深作欣二監督の金字塔であり、日本映画史上に燦然と輝く傑作。「キネマ旬報」ベスト・テン第2位。(的田也寸志)
会社で言えば上司に恵まれなかった部下の話
以外、ネタバレ注意
大学生の頃に観た以来なんで10年ぶりくらいの視聴。
舞台は広島の呉市なんですね。
呉市と言えばアニメ映画の「この世界の片隅に」の舞台でした。「仁義なき戦い」はそのちょっと後の戦後が舞台です。
ちなみにこの「仁義なき戦い」は獄中で書いた手記を元に原作が作られたノンフィクション。
もうそれだけで興奮してくる。
今作は全5作のうちの1作目。
オープニングの衝撃からお馴染みのテーマ曲。
よくコントやちょっとしたテレビのBGMなんかに使われたりしてるので聞いた時は少し笑ってしまいました。その後も映画内で何かある度にあのテーマ曲が仰々しくかかります。深作監督は笑わせる気がないので現代テレビに毒された僕が悪いんですね。
話はわりとスピーディです。裏切り、シマ争いなど定番の内容だけどこれが結構引き込まれます。名前をちゃんとインプットしていないとややこしく感じるところはありますがハラハラさせられます。この話ってヤクザでなくても世間一般でもよくある話だと思います。
画策して、裏切って、裏切られて。
極端な話で言えば政治の世界でも、会社の中でも、学校にだってこういう戦いってあると思うんです。そりゃ拳銃はないけど。
今作を会社で例えると自分の事しか考えて上司に嫌気がさす部下の話。
菅原文太は終始組長に振り回されて刑務所にはいったり。可哀想っちゃ可哀想ですね。
棒読みの菅原文太も実直な性格なんだなと解釈。キャストは他に梅宮辰夫、松方弘樹、田中邦衛など名だたる俳優陣。
「北の国から」が大好きなんですけど田中邦衛の役が狡猾な役で180度違うところもよかったです。
菅原文太が指を詰めるシーンで切った後の指が転げ落ちてみんなで探すシーンはブラックユーモアがあって好きです。北野武の映画にもこんなのありますね。
あと広島の方言がすごくリアルでした。みんな広島出身?ってくらい馴染んでた。
広島の人が観たらどういう印象なんですかね。
全体を通して骨太な作品なんだけど観始めたら
意外と観てしまう。やった、やられた、メンツがとう、仁義がどうだのとヤクザも不良高校生の喧嘩と大して変わらないんだなと言った印象。
間違いなく面白いです。
名作と言われるだけあります。少しグロイシーンなんかもあるので血しぶきが苦手な人は控えた方がいいですね。
【映画・ドラマ】3本目
コメント
IKKOさんと「仁義なき闘い」・・・
相変わらず想像の斜め上から攻めてこられますね・・・
これは絶対に予測不能です。
テーマ曲で笑ってしまうの分かります。
自分はゴッドファーザーで、細かすぎるモノマネのデニーロや、暴走族のラッパ音を思い出してしまい、同じことになりました。
映画館では気をつけなければなりませんね。