基本情報
公開年:1999年
監督:サム・メンデス(長編映画監督デビュー作)
脚本:アラン・ボール
製作国:アメリカ
ジャンル:ドラマ/ブラックコメディ
上映時間:122分
言語:英語
あらすじ
主人公レスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)は、広告代理店に勤める中年男性で、妻キャロリン(アネット・ベニング)と高校生の娘ジェーン(ソーラ・バーチ)と共に郊外で暮らしています。家庭内では会話も少なく、仕事にも生きがいを感じられない日々を送っていました。ある日、娘の友人であるアンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)に魅了され、彼女への妄想に耽るようになります。同時に、隣家に引っ越してきた元海兵隊員のフランク・フィッツ大佐(クリス・クーパー)とその家族との関係も物語に影響を与えていきます。
感想
ケビンスぺイシーって気持ち悪い役やらせたら右に出るものはいないってくらいキモい役がハマる役者だと思う。
いや、褒めてますよ?
「セブン」の時のサイコパスっぷりとかゾクゾクしたし、かと言って「交渉人」みたいなカッコいい役もこなせるから役者としては優秀だと思います。
プライベートではいまは性的暴行事件で大変みたいだけど。
さて、「アメリカン・ビューティー」という映画を観た。
この映画のケビンスぺイシーがまた最高に「キモい役」で個人的にはますます好感度が上がるばかり。
要は娘の友達に一目惚れした親父がその子を抱く為に奮闘する家族の話。
ストーリーとしてはそれだけなんだけど独特なテンポとだんだん変貌を遂げていくケビンスぺイシーの怪演で最後まで一気に観せてくれる。
アカデミー賞も受賞し当時結構話題になった映画。
以下ネタバレ注意
↓
端的に結論を言うとケビンスぺイシーは最後に殺されます。
この映画は彼が殺されるまでを描いた内容で殺される本人が淡々とナレーションを入れるという構造。
冒頭に娘が「あんな父親死ねばいいのに」と愚痴るシーンがあってボーイフレンドが「じゃあ殺そうか?」というシーンから映画は始まる。
当然観てる側からすればこの娘のボーイフレンドがケビンスペイシーを殺すんだろうなと思いながら話は一年前に戻る。
「私はこの一年後に殺される」というこのナレーションでオープニング。
つかみは最高だ。
ケビンスペイシーは妻や娘にすっかり「人生の敗北者」だと思われ夫婦間、親子間はすっかり冷めたものに。
朝にシャワーを浴びながら自慰行為に勤しむケビンスペイシー。一日のピークが朝の自慰行為でその後は急降下な日常。
悲しすぎるぜケビンスペイシー…
彼自身もきっかけがあれば変わりたい、まだ自分は終わっちゃいないと思っている。
きっかけは娘の友達に一目惚れしたことだ。
この娘の友達は金髪で妙に色気があってビッチ臭がする。
ケビンスペイシーはその子にぞっこん。
夜な夜な寝ている妻の隣で自慰行為。
(こいつどんだけ自慰行為してんだよ)。
うん、女性ならみんなドン引きするであろうシーンにもはやニヤニヤが止まらない。
その金髪ビッチ臭がケビンスペイシーの娘に「あなたのお父さんが身体を鍛えていい身体になったらファックする」という爆弾発言を盗み聞きしたケビンスペイシーは単純にも身体を鍛え始める…
そこから彼の性格は劇的に変わり、マリファナをはじめ、馬鹿にする妻にも、会社にも全く媚びない態度になる。
(上司を脅迫したりだんだんクレイジーに)。
最終的に色々あって(めんどいから割愛する)、金髪ビッチ臭となんとか念願のベッドイン。
(まだ未成年だぞ…)
からの金髪ビッチ臭が発した衝撃の一言。
「私、はじめてなの…」
「え?…」
固まるケビンスペイシー。
なんと彼女はバージンだったのだ。
魔性の女として勝手に欲情していたケビンスペイシーはその言葉を聞いて覚めてしまう。
結局我に戻り何もせずに終わるのであった。
で、彼が殺されるのはこの後すぐ。
なんでケビンスペイシーが殺されることになったかと言うと、きっかけは隣の家の親子間のトラブルだった。
自分の息子がケビンスペイシーと仲良くしているシーンを見てしまった親父。
いや、「仲良く」って言ってもケビンスペイシーはその息子からマリファナを買っただけなんだけど窓越しにまるで息子がケビンスペイシーにフェラをしてるように見えてしまったことで親父が激怒。
(もうこのシーンは爆笑もの)
親父の勘違いで息子をボコボコに。
自分の息子がそんなことを…というのもあるんだけど問題はそこじゃなくて実は親父こそがゲイだったのだ。
そんなこんなでこの親父はケビンスペイシーに近づき慰めてほしいとキスをする。
要は自分も抱いてほしいとケビンスペイシーにいい寄ろうとする。
もうこのシーンもブラックジョークが過ぎるだろ…
いきなり親父からキスされ困惑するケビンスペイシー。
「いや、俺そういうんじゃないから…」
元軍人の親父は激しくプライドを傷つけられケビンスペイシーを拳銃で殺す…
はかなくも「本来の父親」を取り戻した直後のケビンスペイシーだったが…
結局娘のボーイフレンドが殺したわけじゃなかったのね。
というわけでアメリカの日常をエグった作品としてアカデミー賞を受賞したわけだけど最後まで独特なリズムで飽きずに観れた。
ケビンスペイシーが上司に「異常者」だと言われ「僕は普通の男だ」と言うセリフが妙にリアルで納得言ってしまった。
確かに映画だから多少デフォルメされてる部分はあるけど一個一個の話としてはそんなに非日常でもないのかなと思った。
コメント
コメント一覧 (1件)
最近DVDレビューが増えて嬉しい限り。
ケヴィン・スペイシーで思い出すのは、山下達郎のSPACYというアルバム(ジャケットが少年)のyoutubeコメント欄に、「このアルバムはケヴィン・スペイシーが小児性愛者になることを予言している!」というブラックなコメントが書かれていたこと。
スペイシーといえば、そういうイメージなんでしょうか。
自分はようやく、シティポップネタ(山下達郎もあり)で更新。
よかったら読んでみて下さい。→(http://txt87.xsrv.jp)