忽然と姿を消した16歳の女子高生マーゴット。行方不明事件として捜査が始まる。家出なのか、誘拐なのかわからないまま37時間が経過。娘の無事を信じる父デビッドは、彼女のPCにログインしSNSにアクセスを試みる。インスタグラム、Facebook、Twitter…。そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで別人の、自分の知らない娘の姿があった…。
以下、完全ネタバレ
全編パソコンの画面
この映画、全編パソコンの画面だけで進むというちょっと変わった映画。
「ブレアウィッチプロジェクト」なんかは全編撮影者のビデオカメラという設定だったけど(あれはほぼ内容がなくて酷かった)こちらは結構しっかり作られている。
文字のみで伝えるシーンが多いので日本語の字幕がないとしんどいけど。
最初戸惑ったけど後々この設定が功を奏している。
SNSが世界で広まったまさに今だからできた映画だろう。
単にアイディア勝負というわけではなく随所随所に謎が散りばめられていてその謎の明かし方、伏線回収なんかが非常にうまい。
「娘の失踪」という王道のテーマにもかかわらず全く飽きさせることない展開にはちょっと感動した。
けどね、こういったミステリーを観まくっている私はなんとなく犯人が想像できちゃった。
こういった映画の特徴としては「協力者が犯人」というパターンが多い。
味方と思わせといて実は敵だったとか、
逆に最初敵だと思ってたけど実はいい奴だったりとか結構ありきたりなやつ。
この映画でもそのパターンが使われていて、一度捜査官との暖かい話でほっこりさせて油断させてからの実は犯人でしたパターン。
だってこの映画って登場人物多いわりにがっつり絡むのってこの捜査官と弟だけだしその登場人物以外の人が犯人でしたとか言われてもあまり納得いかないしね。
だとするとがっつり絡む人物をもっと増やした方が予想できなかったかもね。
まぁけどそれを差し置いても話自体はよくできてます。
テーマは歪んだ親の愛情?
この話の肝はずばり捜査官の話だ。
息子がチャリティを装って近隣からお金を取っていたという件に対してデビッドは「そのあとはどうした?」という質問で「チャリティは本当です。ご協力ありがとうございました」と息子を庇ったこの返答に全てが詰まっている。
「オフレコにしてくださいね」とデビッドと捜査官との一見ほっこりするシーンだったけど私には何か違和感を感じた。
いや、間違ったことに関しては息子にちゃんと正すべきじゃないのかな?
これって親としては庇うんじゃなくしかるところでしょ。
アメリカの親ってそんなもんなんかな…とその時は思ったけど結局は自分の子供に対しての偏った愛情が原因で事件が起きてしまう。
この話が事件の布石となっているという設定は実に上手い。
だけどね。
主人公のデビッドはなんかストーカーみたいで気持ち悪い。
いや、娘を想う気持ちはわかるんだけど娘のインスタやFacebookなど覗きまくり。
パスワードも勝手に解いちゃって娘からしたら正直キモいんだろうな。
ストーリー上仕方ないんだろうけどオッサンってこんなにパソコン駆使できるものなの?
なんだかだいぶ都合がいいなとか思ってしまった。
おまけに暴走して娘の友達を犯人扱いしたうえに暴力までふるうとか頭弱いのかな。
捜査官の歪んだ愛情はもちろんだけどデビッドにも若干引いてしまった。
テーマは歪んだ親の愛情…?
最後の方はケチつけてしまったけど頭空っぽにして観ると結構楽しめます。謎解きが好きな人にはオススメの一本。
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