クリント・イーストウッドとレオナルド・ディカプリオの初めてのタッグを実現させたのは、一人の伝説の男──J・エドガーFBI初代長官にして、死ぬまで長官であり続けた男。明らかな英雄でありながら、彼にはつねに黒い疑惑や、スキャンダルがつきまとう。国を守るという大義名分のもと、彼がおこなった“正義”とは何だったのか?ナオミ・ワッツら豪華キャストを配した最強布陣で臨む、事実に基づく隠されたドラマ。
印象に残ってるのは男同士のキスシーン
この映画を観た感想を一言で言うと「しんどかった」。
劇中はほぼ会話。
とにかくセリフが多くてディカプリオのインテリ風の話し方がだんだん途中からイライラして仕方がなかった。
テンポは決して悪くはないんだけど全体的に特に大きな展開はなく淡々としている。
その結果、印象に残るシーンがほぼない。
これって映画として致命傷だと思う。
事実を基にした映画だから仕方ないかもしれないけどもうちょっとやりようなかったのかな?
おまけに画面は全体が銀残しみたいな淡い色彩だから集中力いるし気抜いてたらどんどん話が進んでいってしまうので観ていてパワーいる。
その中でも唯一印象に残るシーンは副長官との激しい殴り合いの後の男同士のキス。
FBI初代長官の実話をもとに描いた話で唯一印象に残るシーンが男同士のキスシーンってどうなのよ?
そもそも論だけど日本にはFBIがない。
だからあまり興味が湧かないというのがデカい。
この映画をアメリカ人が観るのと日本人が見るのとでは全く意味合いが違ってくるだろう。
主人公が魅力的じゃない
何よりも私はこの映画を好きになれなかった最大の理由はこのディカプリオ演じるFBI初代長官自体が好きではないからだ。
やたらと「国の為」とか言って「自分のやってることが一番正しい」と信じ込んでいる。
こういう人間大嫌い。
大義名分振りかざしてくせに実際やってることは盗聴だとか狡い。
そのくせ自伝は嘘と誇張だらけだしもう人物像がブレブレ。
正直信用ならない人物だ。
何で映画の主人公にした?イーストウッド。
せめて主人公なんだからもうちょい魅力的に映してほしい。
実話だからそんなに話を変えることはできないだろうけどそれにしても物語の主人公が全く魅力的じゃない。
彼が何かのきっかけで変わってくとかならまだわかるが結局この調子で最後までいくから物語としては全く強弱がないし面白みもない。
2時間以上もの長い間観ていて「何もなかったな」という感じ。
「FBI初代長官は同性愛者だった」としか印象にない。
老人のメイクはコントみたい
老人になったディカプリオも違和感たっぷり。
やっぱりメイクしてるなと思ってしまう。
そこに意識がいってる時点で集中できてないんだろうけど同じ役者が演じるならこれはもう仕方ないかも。
「バックトゥザフューチャー」なんかは同じ役者がメイクで年寄り役を演じてたけどあれはコメディタッチなのですんなり入ってきた。
だけどこの映画はシリアス路線なのでどうしてもそこのギャップは隠せない。
それをも感じさせない強い推進力みたいなものがあれば気にならないんだろけど残念ながらこの映画にはそれが全くなく退屈な故に違和感を感じてしまった。
もう一つ気になる点としては劇中で「あなたの子供達が」という台詞があるけどこの人結婚してたの?
結局最後までその説明もない。
あのシーンはちょっと説明足りなさ過ぎじゃないかな?
ゲイで恋人の副長官が女の話をしただけで烈火のごとくブチギレたからてっきり結婚しなかったのかなと思ってたけどあの台詞はちょっと混乱したな。
ディカプリオはこの頃は「タイタニック」のイケメン役を払拭してはいるけどアカデミー賞欲しくて必死。
結局「レヴェナント」で賞を取るんだけどそれまでまだまだかかることになる。
個人的にはやっぱり「ウルフオブウォールストリート」のディカプリオがブチ切れてて好きだな。
作品に恵まれなかったというか確かに波長はあるんだろうけどそれまで正直パッとしなかった。
「ウルフオブウォールストリート」をまだ観てない方は是非。
この映画を観るくらいなら絶対そっちを観た方がいい。
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