【映画】イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密【ネタバレ感想】生まれた時代を呪いたくなる程救いがない話

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映画・DVD・Blu-ray

2014年/アメリカ映画/114分

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第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>。
世界の運命は、解読不可能と言われた暗号に挑んだ、一人の天才数学者アラン・チューリングに託された。
英国政府が50年以上隠し続けた、一人の天才の真実の物語。時代に翻弄された男の秘密と数奇な人生とは―?!


 

「爆発のない戦争映画」ということで視聴。

結果、最近観た映画の中では一番まともだった。というかむしろ作品としては凄くいい映画だと思う。

コンピュータの基礎を作ったアランは偉業を成し遂げた後も同性愛者という事で逮捕され、ホルモン治療の後に自殺。

このホルモン治療してる時のアランは明らかに顔色悪いし手は震えてるしこの治療こそが彼を死に追いやった原因だと思わざるを得ない。

「化学的な去勢」という非人道的な行為の方が戦争よりもなんだかよっぽど後味が悪い。

今でこそ普通じゃなかったり同性愛なんかを肯定する世の中になっていることを考えば言わば彼は時代に殺された犠牲者と取るべきか。

国の為にあんなに頑張ったのに死んだあとに恩赦もらってもねぇ…。

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しかしアランは果たして幸せだったんだろうか?

学生の頃から異質が故にイジメにあい、戦後も差別され死んでいく。

唯一の親友(?)であるエニグマを奪われない為にホルモン治療するアランは「1人にしないでくれ」と涙を流す。

なんだかずっと孤独に見えて仕方がなかった。

「普通じゃない天才」と言えばこないだ観た「ビューティフル・マインド」を思い出す。

内容は違うけど主人公の毛色は似てる気がする。

主演のベネディクト・カンバーバッチ(すげぇ名前)もちょっとひ弱で神経質でいかにも普通じゃない感じの演技がやたらリアルだった。

世界最強の暗号であるエニグマを解けてもなお、死ぬ人がいたこと。

戦争に勝つ為に生かす人と死ぬ人を選別していたこと。

そして同性愛というだけで人権は無視され薬物投与されたことなど、「人はなぜ暴力をふるうのか?」というアランの問いからも戦争映画というよりかはむしろ人間の傲慢さ、残酷さをテーマにしてるのかなとすら思えた。

学校の教科書には書いていない事実に触れることができたという意味ではいい映画を観たと言えるけど、生まれたのがこの時代だったら…と考えるととても恐ろしい気持ちにもさせられた。

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