映画: 紙の月【ネタバレ感想】宮沢りえの絶対に幸せになれない幸薄感がやたらリアル (105本目)

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2014年/日本映画/126分

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主人公の女性・梨花は夫と二人で暮らしながら銀行の契約社員として働いていた。

一見不自由のない生活だったが、子供がいない夫との関係は希薄であった。

年下の恋人のため顧客の預金を横領してしまったことから歯止めが利かなくなり、後戻りできなくなっていく。


 

公開当時なかなか話題になったらしいんだけど自分の中で完全にスルーしていた作品。

意識的じゃなくて完全にすっぽり抜けていてNetflixで発見し視聴。

 

宮沢りえって言うと「北の国から」のイメージが強くてあの頃から比べるとだいぶ痩せたなという印象。

ほうれい線は仕方がないけど相変わらず綺麗です。

綺麗なんだけど幸なさそうな雰囲気が凄くリアル。

 

ああいう普段は大人しくて夫に一見順応そうなんだけど思い詰めると何しでかすかわからない役を演じさせると上手いな。

失礼だけど不倫とかの役とか似合うんだよなぁ。美貌と幸薄感が独特な存在感を際立たせてるような稀な女優さんだ。

 

全体的にそんなに悪い感じはなかったけど1つだけ気になったのがあのもさい男に惹かれたきっかけがよくわからない。

よくわからないままいきなり抱かれるシーンに突入。

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たしかにペアの時計をプレゼントしたのにも関わらずさらに高級な時計をプレゼントし返しすようなデリカシーのない旦那とは対照的に自分の事を求めてくれる存在なのはわかるけど、ちょっとあの男に惹かれる描写が弱いかな。

どちらかと言うとキモいストーカー寄りの描き方してたような気がするけどなんかもうちょいきっかけとか魅力的に見えるシーンが欲しかった。

 

映画自体は全体を通してそんなにダレることなくなかなかいい緊張感でラストを迎えた気がする。

所々スローモーションになって音楽がかかるシーンなんかはミュージック・ビデオ観てる感じ。けど少し一辺倒かな。

 

この手の映画だとてっきり最後は捕まって終わるのかと思いきや海外へ逃亡するとは。

朝帰りした朝に見た月が偽物と感じ、はじめて自分が「自由」になれたと思う宮沢りえ

でも結局海外へ逃亡したところで警官から逃げ回る人生って果たして自由なんでしょうかね?

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ラストに関しては色々と考察出てるようだけど小難しく考えようとすればいくらでもできるラストです。

個人的にはあのサラッとした終わり方は嫌いじゃないです。

 

しかし銀行に勤めていて目の前に現金があるとふと取ってやろうとかよぎるのかな?

映画にもあったようにボケてしまった老人の個人客とかやろうと思えばいくるでもできそうな気がするけどなんだか自分の自制心を試されてる様で疲れそうな気がしなくもない。

なんだかんだ大島優子の「止めてくださいね、私の腕が勝手に…」のくだりが妙に生々しく一番印象に残ってるシーンだった。

 

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