【映画】事故物件 恐い間取り「ネタバレ感」もはやこの映画自体が事故物件な理由

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2020年/日本映画/111分

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TV番組の出演を条件に、「事故物件」で暮らすことになった芸人のヤマメ。
その部屋で撮影した映像には白い”何か”が映っていた・・・。
番組が盛り上がり、ネタ欲しさにさらなる怪奇現象を求め、事故物件を転々とするヤマメ。
“事故物件住みます芸人”としてブレイクしていく一方で、次々と怪奇現象に巻き込まれてしまう。
そしてある事故物件で、ヤマメの想像を絶する恐怖が待っていた―。


 

久々に酷い映画を観た。

なかなかないよ、酷い映画を観るって。

そもそもこの歳になるとなんとなくヤバそうな映画って経験値でわかるので大きなハズレを引くことはなくなったが今回は久々にやってしまった。完全なハズレだ。

中田監督といえば「リング」が最大の大ヒット作だけど、個人的には「女優霊」が好きでホラー映画に関しては一目置いてた監督さん。

その後だんだんとホラーから遠ざかってしまい中田監督の作品を観る機会がなくなってしまったと言う事もあって今回はある種「相当久しぶりの再会」となったのだが、その久しぶりの再会でまさか大きく落胆させられるとは。

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そもそも人が気持ちを持ってかれるのは「単発的な出来事」ではなく「蓄積」の結果だと思っている。

例えばホラーならジワジワーっと「何か嫌だな…」と思わせた回数が多ければ多いほど観てる方はドキドキしてくる。

それが徐々に大きな不安や恐怖に繋がり、しまいにはちょっとしたことでもビクビクする様になりラストでドーンと脅かす。これが鉄則。じゃない?

「リング」だって気持ち悪い感じのシーンをちょくちょく挟み、徐々に気持ち悪がらせていってからあのラストのテレビから貞子が出てくるシーンで一気に爆発する。

逆にそう言ったプロセスを一気に省いていきなり冒頭で貞子がテレビから這いつくばって出てきたら失笑でしょう。

ラストがたとえ荒唐無稽でもそこまでのプロセスである程度、人の感情を盛り立てていればそのまま突っ切ることもあるのではかろうか?

この映画の致命的な欠点はことごとくその昂りを邪魔されるんです。

原因は芸人の存在。

主人公のヤマメは芸人なので仕方ないかもしれないがクロちゃんやビーバー、高田純二が出てくる度に緊張感が一気になくなってしまう。

確かに緩急も必要だとは思うがこれでは怖がらせたいのか笑わせたいのか何がしたいのかよくわからない。

どうしたって彼らがホラー映画に出ることってホラー映画にとってはマイナスでしかない。

むしろ彼らが出ても特に笑えなかったので「もはや誰も得しない」というある意味これが事故物件である。

もうシンプルに邪魔である。

それだけではなくちょっとしたラブストーリーなんかもぶち込んでくるもんだから余計に感情の持って行き場が散漫になり恐怖に一点集中できない。

普通に考えていくら恋心だろうがヤマメに利用されて事故物件で怖い目に遭わされたんだからあそこまでヤマメにこだわる意味もよくわからない。

とは言ってもこの映画、題材はなかなか悪くはないと思う。

事故物件なんてホラー映画にするなら格好の素材である。

ところが大きく滑った。

理由は上記に挙げたことだけではない。

おばけが大集合するラストシーンのチープさと言ったらギャグ以外のなにものでもない…

特にダースベーダーみたいな格好のラスボス。

正直、唖然としてしまった。

ビジュアル全然怖くねぇし!!

しかも線香の火を吹いてやっつけるってこれではあまりに雑魚すぎるしお粗末すぎる。

最後の最後で中田監督はどうでも良くなってしまったとしか考えられない。

このシーン、映画館ではどんな空気だったんだろうか?そっちの方に興味がある。

ホラー映画の初歩的な緊張と緩和に失敗しラストの盛り上がりで大いに爆笑を取った映画。

中田さん、本当にどうしちゃったんだろう。

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