2020年/日本映画/114分
今から1800前。中華統一を巡り三国【魏・蜀・呉】が群雄割拠していた時代。民の平穏を願い、のちに英雄と呼ばれる一人の男が立ち上がった。激動の乱世を経て、物語はやがて[魏軍80万]VS[蜀・呉 連合軍3万]という圧倒的兵力差が激突する
えらい評判悪いですね、この映画。
「ずっとスベってる」というレビューも多く見受けられるけどもともと福田監督が作る作品ってこんなんじゃない?ドラマでも特に大きな笑いはないですよ。
むしろこういうスベリ散らすグダグダトークみたいなのが売りなんじゃないのか。
みんな福田監督の作品に何を求めてるんだろう?
福田雄一監督と言えば「ヨシヒコシリーズ」や「今日から俺は!!」などのゆるーいテイストの笑いが特徴だけど今回もまさにそれです。
キャストも毎回似た様な感じ。
佐藤二郎、ムロツヨシ、山田孝之、小栗旬…
だから「毎回代わり映えがない」と言うか特別感がないというか有名劇団が配役変えて演じてる様な感覚。
諸葛亮孔明の役は別にムロツヨシでなくてもいいし、大泉洋の劉備も同じく。
大泉洋とムロツヨシってなんとなく似ててお互いの個性を打ち消してる様に思えてならない。
キャラが全部似通った福田雄一テイストによる被害者とでも言おうか。
出てる俳優陣はやたら豪華だったけどそれもあまり活かせてないため、無駄遣いの様にも思える。
佐藤二郎に関してはもはや佐藤二郎という役をどの作品でも演じてるだけなのでは…
この作品、スベッてるかどうかは置いといてそれよりも物語に盛り上がりがない方が問題だと思う。
もはや淡々とオチのない長ーいコントを見せられている感じ。
ドラマの尺ならそれもいいけどやはり二時間この感じをみせられるのは少しシンドイ。
「これ映画でないといけなかったのかな?」と思ったのは私だけではないはず。
ヨシヒコシリーズはRPGの世界観を低予算というのを逆手にとって表現したところに面白みがあったが、本作は普通に金をかけてます。
普通に金をかけた時代劇。
そこに意外性もない。
唯一「新解釈」ということでその辺狙ってはいるんだろうけどそれだと何でもアリになってしまうのであまりワクワク感は得られなかった。
唯一良かった点を絞り出せと言われればラストの西田敏行のセリフ。
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三國志を知らない人はこれをきっかけに興味が持つ人が増えるかもしれない。
あまりに古い物語の為、わからないことが多い三國志。
その「穴」こそこの映画の様に「きっとこうだったのではないか?」と自分で想像を巡らせそれぞれの三國志を完成させるのもまた一興。
確かそんな内容だったと思う。
歴史は文献や残された物を頼りに現代人が推測したに過ぎない。
新たな発見によって実は全然語られてきた事と違っていたなんて事もあり得る。
戻れるはずもない遠い昔に思いを巡らせ、先人達の知恵や経験を拝借し、いまの我々の生活に活かすのもありかなと。
歴史って学生の時よりも大人になってからの方が沁みます。
そりゃそうだ、学生なんて人生経験乏し過ぎてピンとこないわな。
なかなか手を出しづらいと思われてる三國志にこの際、福田雄一監督の力を借りて覗いてみるのも悪くないかも。
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