本日は上海料理店の「Mimosa」へ。
オープンは2016年7月。ミシュラン一つ星獲得。
店名は花のミモザから。
オーナーシェフの南俊郎さんは新宿御苑にある上海料理の「シェフス」で料理長をされていた方。
幼い頃、家族との外食で食べた中華料理の想い出が南シェフの原風景となっている。
場所は表参道駅より徒歩3分ほどの青山通りから一本入った路地裏のビルの2階に位置する。
ビル自体お洒落でまさに隠れ家っぽい感じ(最初扉がよくわからなかった)。
店内は縦長のオープンキッチンとテーブル席。
席からは南シェフが調理している姿が見え、鍋をふるう音などわりとライブ感があります。
円卓を囲んで静かにかしこまって食事をという感じではなくカジュアルさがありデートにもいいかも。
コースは12,000円(税別)。
その前にまず中国4大料理(四川、広東、北京、上海)のうちの一つである上海料理の特徴を簡単に
・上海だけでなく蘇州、杭州などの江南エリアで発展した料理
・海に面しており、長江や湖沼、運河の多さから海、川問わず魚介類が豊富
・醤油、酒、黒酢などを使った濃厚で甘辛い味付けが多い
ザックリとこんな感じでしょうか。
日本では上海蟹や小籠包なんかが有名ですよね。
さて、以下いただいた料理。
前菜
大根パイ
みじん切りにした金華ハムと大根を包んだ大根パイ。
シャキシャキとした大根、フワっとしてサクサクのパイの食感。
そして金華ハムの塩気がまたいい塩梅。
叉焼胡桃
チャーシューに飴掛けしたクルミ。甘さと食感の妙。
このチャーシューがまた美味い。
大根シュガー
乾燥クラゲと中国生まれの色鮮やかな紅芯大根。砂糖に熱を加え塩を足している。
実際砂糖の甘さがありどこかスイーツの様な感じだがこれが不思議と
チシャトウ
中国野菜であるチシャトウを自家製の葱油で和えたもの。シャキシャキの食感。
エゴマの葉の中にほぐしたホロホロ鶏に胡麻ダレを加えバンバンジー風に。
胡麻ダレと口の中でほぐれていく鶏が混ざり合い、大葉の様な香りのあるエゴマの葉が全体を品良く包み込む。
蒸しあげた穴子に片栗粉をつけて揚げ、甘辛の醤油ダレを絡めたもの。
八角の様な香り。
松茸と鱶鰭(フカヒレ)・金華ハムのスープ
帆立の貝柱、鶏、金華ハムのスープ。
フカヒレと松茸を一緒に蒸しあげている。
松茸の香りとしっかりとした旨味。
上海料理特有の優しい甘めの味わい。
オマール海老の香り蒸し
にんにくのすりおろしと一緒に蒸しあげたオマール海老に白髪ねぎを乗せて熱い油をかけたもの。
スープはオマール海老、蛤の出汁から。
この熱々の油でネギの香りが引き立っている。
肉厚でブリブリのオマール海老も旨味、甘み共に強く食べ応えがあり香りの余韻も長い。
スープの味はわりとしっかりめ。
甘鯛の鱗揚げ
キリッとした中国醤油の甘辛ダレに鱗を揚げた甘鯛。
カリっとして、ホロっと甘みのある甘鯛。
極力足さない。
素揚げした白髪ネギがいいアクセント。
鮑とアキレスの上海煮込み
蒸し鮑と牛のアキレス腱を鶏のもみじで取った出汁と醤油やオイスターソースなどで味を調えたもの。
上には長ネギを揚げて香ばしさを。
ムチムチの鮑に、ホロホロ、トロトロのアキレスをコク深いタレをたっぷりと絡めて。
〆は炒飯と坦々麺から選択。
少量で両方も可能と言うことで甘えることに。
てか選べないって。
金華ハムと海老の炒飯
なんともいい香りです。しっとりとして細かめにカットした金華ハムの塩味もまたいい感じ。
坦々麺
ほんのり甘めでミルキーな味わいに黒酢の酸味、独特なスパイス。
桃とバニラのアイスクリーム
めちゃシンプルだけど油の後にスッキリと。
3人でワインボトル2本を入れてお会計は約27,000円。
前菜が6種類と色んな味を楽しめた。
中華なので当然油を使用しているが胃もたれはない。日本人による日本人のための上海料理。
甘辛の上海料理の味付けはきっと日本人にとって親和性が高いんだろう。
見た目の派手さはないが理に叶った、どこかホッとする料理を提供する。
やたらと高級食材を使って金額を釣り上げようとする店も多々ある中で、しっかりと自分の表現方法を確立しているところに好感が持てました。
上海蟹の季節にまたこれたらなぁ。
ごちそうさまでした!
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