本日は銀座の「一㐂(いちき)」へ。
オープンは2021年4月。
銀座駅B9出口より徒歩1分。
店内はL字のカウンター13席に個室が2部屋。
おまかせコースは税込で17,000円とだいぶ良心的。
一斉スタートではない為、自由に予約が取れるのも嬉しいポイント。
大将は「寿し屋の勘八」の流れを汲む「寿し屋の市勘」「寿し屋の市喜」で鮨を握ってきた職人歴30年以上の大ベテラン。
ところが体調不良により「市喜」は閉店。
休養後、今年銀座にて「一㐂」として復活。
お気づきだろうか?いまの店名は「市喜」の漢字を変えてある。
市喜への並々ならぬ思い入れが伝わってくる。
店内は堅苦しさや緊張感はなく居心地のいい雰囲気。
スタッフの教育も行き届いており動きもテキパキと。新店ではあるがすでに老舗店の風格すら感じる。
以下、いただいた料理。
大トロ
脂による甘み、温度、香りと理想的。
シャリはホロッと崩れネタと上手く調和。
赤酢は強過ぎず、柔らかな風味。
握りの大きさはつまみの品数を考慮されているのか食べやすいサイズ感。
お椀
松茸の香り、ホロッとした甘鯛の旨味。
握り、つまみと交互に出てくるスタイルの様です。
白烏賊
上は炭塩と柚子塩。
シャリは米酢。ネタによって2種類のシャリを分けられてる。
包丁はざっくりと入れ烏賊としての食感は残す。
ねっとりとしてどんどん甘みが強くなっていく。
金目鯛
下田。昆布〆による脱水でもっちりと。
旨味、香り、甘み。
蛸の小豆煮
小豆で茹でたもの。蛸としての食感は残しながらも硬過ぎず。
真つぶ・ハタ
真つぶはコリコリっとして噛めば噛むほど甘くなる。
漬け
漬けとカラシがまた合うのなんの。
毛蟹
味噌と和えて詰め直したものとジュレ。
旨さは言わずもがな。
この笹切り近頃の鮨屋じゃ見かけないから逆に新鮮。
八角
足が速いため北海道からの産直。
みずみずしく脂も強い。
身の香りもあることはあるが脂による甘みと旨味の方が印象的。
銀鱈の西京焼き
脂がのっておりパサつきは一切なし。
品ある味噌の甘みと脂の甘みが素晴らしく、ちゃんと相乗効果になってます。
新子
まさか9月で新子に出会えるとは。
柔らかく仕上げ、後味は仄かな砂糖の甘み。
鯵
脂は控えめだが香りと舌触りの良さ。
ノドグロ
カボスでなく和歌山の「爽涼みかん」の風味が爽やか。
あえて甘味が少なく酸味の強い夏の時期に収穫したみかん
一㐂巻き
トロ、玉子、胡瓜、大葉、ネギ、そして海苔。全てのネタがうまく調和。
秋野菜の天ぷら
鮨屋で天ぷらまで出てくるとはお得感。
特に舞茸天は香り良く、蕎麦が欲しくなる。
小川カンパニーのバフンウニ
バフンウニ
小川カンパニーの産直。
透き通る様なクリアな旨味と甘み。
美味いな。雲丹は鮮度命なのは間違いない。
東京でこれが食べられる幸せ。
車海老
上には味噌を。
海老は茹で置きでしっとりと。
おかげで旨味、甘味もしっかりとまわってます。
大トロ炙り
藻塩、シャリの酸味によりトロの甘さが際立つ。
イクラ
かなりねっとりとしてまさに卵黄の様。
塩味は強め。
穴子
脂ののりもよく口の中でホワりと蕩けていく。タレも旨濃。
干瓢巻き
パリッとした海苔の香りの良さ。
醤油がキリッとした干瓢。山葵の辛さ。
改めて完成された食べ物だと思う。
赤だし
色んなアラの味噌汁。熱々で旨味が凄い。
玉子焼き
しっとり、ねっとり。
甘みも嫌味なし。
デザート
シャインマスカットと
ワタぱち?
本日のお酒
お会計は約19,800円。正直かなり安いと思います。
つまみは遊び過ぎないいい塩梅で握りも至極真っ当。
若くして独立する大将が増えている中、新たにベテランによる昔ながらの仕事をしっかりと堪能できる貴重な店。
60代で新たにまた銀座で勝負するってのは一生職人でいる気概を感じた。
是非若い方にこそ来てもらいたい。
ごちそうさまでした!
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