都内唯一の鮟鱇料理専門店「いせ源」。
場所は小川町駅A3出口より徒歩3分ほど。
創業は天保元年の1830年。
現在の3階立ての建物は関東大震災による全焼後、昭和5年に立て直したもの。
鮟鱇はそのグロテクスな見た目とは裏腹にめちゃめちゃ繊細。
少々の傷が味の劣化に繋がるため、漁港からの流通体制が肝となる。いせ源が都内唯一なのもその鮟鱇の扱いの難しさを物語っている。
店内に入ると急な傾斜の階段を上がり3階へ。
席が用意されてたはずがまだ片付いておらず多少まごつき10分ほど待たされる。
物凄い客数なのでさばききれてないのかな。
本日は9品の10,000円コースに。
以下、いただいた料理。
前菜
左)牡蠣のどて煮、真ん中)子持ち昆布、右)サツマイモの甘露煮
鮟鱇の卵巣の煮凝り
煮凝りはほんのり甘く昔懐かしい味付け。
鮟鱇の卵巣自体は柔らかな食感だけで味はない。
鮟肝
鮟鱇は深海にいるため栄養分を肝臓に蓄え少しづつ消費するようにしている。そのため脂肪分が40%もありねっとり滑らかでクリーミー。
変なクドさや臭みはなく清らかでいて旨味が濃い。海のフォアグラと呼ばれるだけある。
鮟鱇の唐揚げ
身は柔らかくホクホクの白身だけどめちゃめちゃ淡白。
鮟鱇鍋
肉、肝、水袋、ぬの、エラ、ヒレ、皮。
7つの道具である鮟鱇をふんだんに使った鍋。
他にもウド、三つ葉、椎茸、銀杏、豆腐、白滝、絹さやなど。
まず割下が抜群に旨い。
嫌味のない甘さに出汁のバランスが素晴らしい。
鮟鱇はどれがどの部位だかまるでわからない。
プルプル、クニュクニュ。そしてクリーミー。
色んな顔を持つ。
追加
茶碗蒸し
鮟鱇の頬肉が入った茶碗蒸し。
だけどどれが頰肉かわからない。あん肝の主張が強い。
煮込めば煮込むほどどんどん割下が濃くなっていき肝の脂も溶け出していく。
これがたまらんのです。
とも和え
身と皮を肝と酢味噌で和えたもの。
菊正宗が進むじゃねぇか。
ここで店員さんにおじやを作ってもらう。
ご飯を混ぜるとデンプン質が出て焦げてしまうのであまり混ぜないらしい。
さらに溶いた卵を入れこれも混ぜずに一、二回切ってそのまま。なるほど、卵は完全に混ぜないんだ。それから心配になるくらい放置。
だが水分気がなくなりそうな絶妙なタイミングで完成となる。おじやと雑炊の違いですな。
煮詰められた割下、鮟鱇や野菜などの出汁、まろやかな卵、ネギの風味が渾然一体となる。
いまがこの鍋のピークです。
パンナコッタ
黒蜜掛け。
お会計は4人で約60,000円(一人当たり約15,000円)。
寒い冬に最高のご馳走でした。身も心も鮟鱇で温めるならいせ源へ。
ごちそうさまでした。
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