東京・墨田区の鐘ヶ淵にある「酒亭 田中」。
こちらはあの「鳥田中」が2023年5月に同地店舗にてリニューアルしたお店。
【酒亭 田中】ってどんな店?田中ご兄弟の経歴
1962年生まれの兄・田中惣一郎氏と、3歳年下の
弟・栄司氏。
東京都赤羽に生まれ育ち、兄の影響もあり共に日本料理の道を志す。
伝説の和食の名店「京味」で7年間研鑽を積んだ後、河豚や鶏の専門店でも研鑽を重ねた惣一郎氏。
2013年、恵比寿で日本料理店「ごっ惣」を兄弟で開業。
2017年には鐘ヶ淵へ移転し、下町にて料理人としての集大成として焼き鳥に挑戦。弟の栄司さんと共に「鳥田中」を開業。
「鳥田中」はなかなかの立地にもかかわらず、田中惣一郎さんの超ハイレベルな一品料理と弟さんが焼く焼鳥とのハイブリッドで人気を博したお店です。
多分この店のためじゃないと絶対に降り立たないであろう鐘ヶ淵駅。
2023年からは若手料理人の育成も兼ね、2部制の「酒亭 田中」に改めた。
店主:田中惣一郎さん
焼鳥屋で出てくる一品料理のレベルを遥かに凌駕するクオリティの品が次から次へとテンポよく出てきます。
もうこれだけで大満足で帰れるが、さらに合間に熊野地鶏を用いた串物も負けていない。
実食レビュー 2024年12月訪問
・鴨つくね栗蒸し
下飯沼の栗餡かけ。
季節の野菜の小鉢
柿の胡麻酢和え、キノコの旨煮、生姜艶煮。
熊野地鶏は旨味の余韻を放つが、地鶏特有の硬さ歯応えはなく、とても柔らかい。
レバー
海老芋と帆立の唐揚げ
大阪・富田林の海老芋と帆立の半割り。
手羽先
骨を抜いた手羽先。
熊野地鶏の白レバー、ハツ、砂肝
特に白レバーですよ。丸い旨味の余韻を残して官能的に舌上で溶けていく。
鮮度の良さも伺える。
アメーラトマトのサラダ
黒酢のドレッシングで和えて。
バイリング
強いコリコリっとした食感は鮑を彷彿とさせる。
漬物
つくね
なかから肉汁溢れる。
ここからは追加。
ソリレス
背肝
腎臓のこと。ホルモンの旨味にほんのりと甘味がある。余韻が長い。
あか
内腿肉は柔らかく、食べ応えある。
牡蠣ラーメン
地鶏と牡蠣出汁のハイブリッド。
ラーメン屋でも並ぶと思う。
三陸の牡蠣も大ぶり。
お会計約15,000円。これだけ食べて飲んでこの金額なのはもはや神コスパと言わざるを得ない。鳥田中よりも気軽にアラカルトが追加できて少しだけ敷居が低くなったような気がする。ごちそうさまでした。
実食レビュー 2025年6月訪問
半年ぶりの再訪問。今回は私のオンラインサロンで貸切会。
鳥田中こと、酒亭 田中。
こちらのお店から独立された「酒亭 湯澤」も予約でいっぱい。活躍されてます。
しかし物凄いスピードで京味仕込みの超ハイクオリティな料理が出てくる。
たとえば、「冷しなすび」。
焼鳥屋でこんなにもたくさんの美しい包丁が入った茄子は出てくるだろうか?
白芋茎吉野煮が出てくるお店はあるだろうか?
こんなにも美味しい車海老の海老真丈揚げが出てくるだろうか?
こんなにも塩味を削ぎ出汁の旨みで仕上げた鶏白湯スープと鮑出汁の鶏粥があるだろうか?
もっとゆったりと提供すれば料理だけで3万円くらい取れそうなのにそれをしない。
あくまでお店は「酒亭」。肩肘張らない気楽さがある。
お兄さんの料理は素晴らしいのはもちろん。そして今回特に感動したのが弟さんの焼鳥の完成度だ。
鳥田中時代より明らかに素晴らしい。
こんなこと言うとアレだが、鳥田中時代は焼鳥は素晴らしいのだがお兄さんの一品料理のインパクトが強すぎてどうも印象が薄いイメージだった。
これが変わった。
串が良くなってる。
ついに酒亭田中は誰にも、どこにも真似できない唯一無二のお店になった。
難点は遠いけど。
素晴らしい食事でした。ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:東京都墨田区墨田3-14-7
アクセス:東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)「鐘ヶ淵駅」より徒歩約5分
営業時間:詳細な営業時間については、公式情報をご確認ください。
定休日:不定休 予約:完全予約制
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