東京に住んでる方なら「昔ながらの東京ラーメン」と言われると何軒か浮かぶとは思うが、私の中ではダントツで「春木屋」である。

荻窪駅北口の駅前商店街にある春木屋は昭和24年(1949年)に屋台として創業し、流行り廃りに振り回されることのない確固たる位置を築きあげた。数々の文豪や映画監督からも愛され、伊丹十三監督の「タンポポ」にも登場。

何で私の中で春木屋かと言うと昔々親とよく来ていたというラーメン体験の原風景的なものの影響もあるかもしれない。
そして何よりも一番重要なのが、来るたびにちゃんと旨いと言う事である。ノス系と言われる昔ながらの中華そば屋に再訪しいただいた際、私が変わってしまったのか、店が変わってしまったのかはわからないが幾分ガッカリさせられる事が多い中、この春木屋は来るたびに毎回旨い。
よく「昔ながら」と表現されるが創業当時から味を変えてないわけではない。
スープに使う煮干しも常に良いものに変え、麺は季節によって太さを変える。
根幹の部分は変えず時代に合わせて細かくブラッシュアップを繰り返している。だから春木屋のラーメンは懐かしさはあるが、新しくもある。何より70年経ったいまでも行列ができるまで支持されるのはこういった努力の積み重ねの結果である。

この日は久々(半年ぶり)という事でわんたん麺を。

ちなみに私のYouTubeチャンネルにて調理風景を含めた動画を撮影させてもらいましたのでよかったら一番下までスクロールしてご覧ください。
動画は一番下のリンクからご覧ください!
わんたん麺 1,280円

具材はチャーシュー、メンマ、葱、ワンタン、海苔。

何だろう、この三角海苔になんだかノスタルジーを感じる。

煮干し、削り節、さらに数種類の野菜や鶏ガラなどの素材をふんだんに用いて煮込んだ出汁。ここに香り豊かなオリジナルブレンドのかえしをひとさし。
オイリーなラードで守られた熱々のスープは煮干しの風味と骨太な旨味に溢れている。火傷しそうになるくらい熱々だがレンゲが止まらない。今日も相変わらず旨いじゃないか。

手揉みを施し仕上げた中太縮れ麺は食感良くスープを程よく持ち上げる。麺を啜れば煮干しや葱が綺麗に鼻を抜けていく。ここで葱の重要性に気がつかされる。
試しに自宅で葱なしの宅麺なんかを作ってみてください。葱のないラーメンはなんと間抜けな味かと思うことでしょう。

肉餡わずかなワンタンはまさにヒダヒダが主役と言わんばかりの薄くて繊細でトロトロだ。口中で絹のような舌触りを楽しむもよし、麺に絡めて啜るもよし。

お、今日のチャーシューはフワフワだ。一般的にはチャーシューと言うとバラ肉を出す店が多いが春木屋のスープは大変熱い為、その温度でバラ肉の脂が溶けてしまう。そのため脂の少ないもも肉を使用する。

無我夢中であっという間に完食。
戦後、貧しかった時代から飽食の時代となり人々の味覚、嗜好が変化する中で、「変わらない味」と言われる為に常に変わり続ける春木屋。
私はこれからも店がある限り通い続けるだろう。変わらない味を求めて、変わっていく春木屋のラーメンを楽しみに。ごちそうさまでした。
2022年4月訪問
東京ラーメンの重鎮「春木屋 荻窪本店」へ。
場所は荻窪駅北口より徒歩3分。

歴史ある東京ラーメンの元祖的存在。
この通りにいつの間にか二郎系インスパイアの「ラーメン豚山」ができて獣臭がする…
二郎系を欲してない時に二郎系の匂いって邪魔だな。

食券機は店の外に設置されている。
大盛りやチャーシュー麺にすると一気に金額が跳ね上がるようだ。
夜も夜で会食があるのでデフォの中華そばを。
・中華そば 850円

具材はチャーシュー、海苔、メンマ、ネギ。
昔ながらといえばそうだけど少し寂しい。
海苔はこのサイズ必要あるのか?
まぁ見た目のバランスですか。
スープはだいぶ液体油多めで熱々オイリー。
火傷注意です。
煮干しの主張とふくよかな鶏ガラが優しくもしっかりと地に足ついた味わいを。
変わってない。これですよ、東京ラーメンって。
わかっちゃいるけどつい飲んじゃうんだよね。
チャーシューはパサ気味です。これがいいって人もいるよね。
メンマはほんのりと甘く味付けされている。

麺は中太縮れ麺。
久々に来たら結構縮れてます。
オイリーなスープを持ち上げズズッと。
香る魚介がなんともノスタルジックであります。
具材や化学調味料からいって他の店ならもっと安くやるとは思うけどまぁこれは文化なので。ごちそうさまでした。
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