東京都稲城市と神奈川県川崎市多摩区にまたがる遊園地「よみうりランド」内にオープンした、ポケモン初の屋外常設テーマパーク「ポケパーク カントー」。

東京都稲城市のよみうりランド内に2026年2月5日オープンした、ポケモン初の屋外常設施設「ポケパーク カントー」についてレポートします。
「ポケパーク カントー」ってどんなテーマパーク?

よみうりランド、読売新聞東京本社、ポケモンによる共同事業として誕生し、約2.6ヘクタールの敷地に600匹以上のポケモンが暮らす世界を再現しているテーマパーク。
園内は、多摩丘陵の地形を生かした森を歩きながらポケモンを探す「ポケモンフォレスト」と、グッズショップやアトラクション、ステージなどが集まる「カヤツリタウン」の2エリアで構成。
ポケモンの世界そのものを歩いて体験することをコンセプトにした施設となっている。
体験レビュー【2026年8月訪問】
真夏に2時間並ばせる入園システムがまず理解できない
今回訪れたのは8月。10時に現地へ到着したものの、開園は12時だった。
つまり入るまで丸々2時間待つことになる。
しかもこの2時間を自由に過ごせるわけではない。列は少しずつ前へ詰めていくため、「列から離れないでください」と案内される。
真夏の灼熱の中、いつ動くか分からない列に拘束されながら待ち続けることになった。
これが春や秋ならまだしも、8月という一年でも特に暑い時期にこの運用はかなり厳しい。そもそも開園時間もよく分からない。
6月までは10時開園だったものが、現在は12時開園。そして10月からは11時開園になるという。
なぜ季節によってこのような時間設定になるのか、利用者側からすると意図がまったく見えてこない。
ポケパークへ入る前の段階ですでに疲れる。この導線はもう少しどうにかならなかったのかと思う。
子ども向け施設なのに、なぜか料理だけ妙に凝っている
食事についてもかなり気になった。


例えばフライドポテト。普通のフライドポテトで十分なのに、ほうれん草を使った緑色のポテトにシーザークリームソースを合わせるなど、妙にひねった内容になっている。
おにぎりも同様で、梅、おかか、鮭、ツナマヨといった分かりやすい定番ではなく、大葉味噌と鮭、昆布とツナマヨネーズ、牛肉のしぐれ煮とごぼうなど、「なぜか」一手間加えた組み合わせが並ぶ。
もちろん大人向けの飲食店ならこういう工夫があってもいいが、ここは小さな子どもを連れてくるテーマパークだ。
子どもに食べさせることを考えると、普通のでいい。
唐揚げも黒っぽい見た目で、個人的にはあまり食欲をそそられない。実際に食べてみても衣が厚く、もっさりとした食感。味自体は普通で、少なくとももう一度食べたいと思えるものではない。
全体的に見た目やポケモンらしさを優先するあまり、「食べ物として普通に美味しい」という部分が後ろへ回っている印象が残った。
レストランがないという、かなり大きな問題

そして飲食面で一番きつかったのが、ポケパーク カントー内にレストランがないこと。
基本的には購入したものを屋外で食べることになる。真夏の施設でこれはかなりしんどい。

隣のよみうりランドまで行けばレストランはある。しかしポケパークという一つの施設として見た場合、屋内で座って食事ができる場所が用意されていないのは大きな弱点に感じる。

特に子ども連れなら、歩き回った途中で冷房の効いた場所に座り、食事をしながら休憩したい場面は当然出てくる。そうした逃げ場がない。
自動販売機も基本的にキャッシュレス。飲料はポケモンのキャラクターラベルになっているが、その分なのか価格もかなり高く感じた。
テーマパーク価格なのは理解できる。それでも、料理の満足度、休憩環境、飲み物の価格までまとめて考えると、飲食面はかなり弱い。
メリーゴーランドも「ポケモンにした普通の遊具」に見える

メリーゴーランドも同じだった。
ポケモンのキャラクターに乗ることができ、施設側としては「ポケモンとの旅」という世界観を持たせている。
ただ遊具そのものを見れば普通のメリーゴーランドである。
馬の代わりにポケモンがいる。それ以上の驚きは特になかった。
もちろん小さな子どもなら十分楽しめるだろうし、自分の好きなポケモンに乗れるだけでも嬉しいはず。ただ、アトラクションとして何か新しい体験があるかと言われると、かなり弱い。
ポケモンという巨大なコンテンツを使っているだけに、こちらも勝手に期待値が上がってしまう。その期待に対して、実際には「既存の遊具をポケモン仕様にしました」という範囲から抜け出していないように感じた。

「ピカピカパラダイス」もピカチュウでなければ成立しない理由がほとんど感じられない。
キャラクターを既存型の遊具に載せただけに見え、ポケモンならではの体験性や独自性が弱い。
世界観への没入や仕掛けの工夫という点で、他の大型テーマパークと比べるとかなり簡素に映る。
ここまで体験した限り、ポケパーク カントーは「ポケモンがそこにいること」そのものを楽しめる人には刺さる一方、テーマパークとしての快適性やアトラクション、飲食の完成度まで冷静に見るとかなり気になる部分が多かった。
特に真夏の待機環境と飲食環境は、キャラクターへの愛だけでは片付けにくい問題だと感じた。
不信の停止

僕の感覚としては、目の前にあるのがプラスチック製のピカチュウだと認識した瞬間に、どうしても「これは作り物だ」という現実へ引き戻されてしまう。

一方で、そこに本当にピカチュウがいるかのように気持ちを高揚させ、写真を撮り、世界観そのものを楽しめる人もいる。
だからテーマパークを楽しめるかどうかは、施設側の完成度だけではなく、客側がどこまで虚構に身を預けられるかにも左右される。
現実主義が強い人間ほど、その仕掛けや素材、構造まで見えてしまい、没入しにくい。
逆に言えば、「作り物だ」と分かっていても本気で楽しめる人は、かなり幸福なのかもしれない。
現実に即していないものへ感情を乗せられる力そのものが、娯楽を楽しむ才能とも言える。
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施設情報
施設名:ポケパーク カントー(PokéPark KANTO)
所在地:東京都稲城市矢野口4015-1 よみうりランド遊園地内
開業日:2026年2月5日
施設形態:ポケモン初の常設施設
エリア:ポケパークエントランス広場/ポケモンフォレスト/カヤツリタウン
登場するポケモン:600匹以上
営業時間:2026年7月〜9月 12:00〜20:00 ※営業日・時期により変更あり
アクセス:京王よみうりランド駅からゴンドラ「スカイシャトル」またはバスなどでよみうりランドへ
支払い:ポケパーク カントー場内はキャッシュレス決済のみ
公式アプリ:あり
運営:合同会社ポケパーク・カントー/株式会社ポケモン
備考:よみうりランドへの入園を含むポケパーク カントーの対象チケットが必要







