東京・六本木一丁目にある焼肉屋「六本木 大皿焼肉 老中」。

六本木という街には、時に派手な看板よりも静かな迫力を纏った店のほうが記憶に残ることがある。
え?文章気取りすぎ?
焼肉というジャンルでありながら、まるで割烹のような店が六本木に現れました。
本記事では名古屋から新たにやってきた注目店「六本木 大皿焼肉 老中」について紹介して参ります。
「大皿焼肉 老中」ってどんな店?
東京の人には馴染みがないかもしれないが、名古屋で食通から支持を得るのが焼肉店「大皿焼肉 老中」。
その特徴は、店名の通り「大皿で供する焼肉」という独自のスタイル。まんまやん。
「なんでわざわざ大皿なのか?」と言うと、創業当初はワンオペだったからだと言う。なるほど。
古伊万里の金襴手の皿に、その日もっとも状態の良い特上肉だけを盛り込む一皿が名物。
食べログの焼肉部門で百名店を獲得したこともある人気店が、2025年11月25日、東京・六本木一丁目にオープンした。
ちなみに名古屋には「大皿焼肉 老中」の他に、「肉 裏篠田」も営業しており、東京支店で3店舗目となる。
店名の由来
幕末、井伊直弼が彦根藩主になった際、徳川斉昭への牛肉の献上を仏教徒としてやめてしまった。
斉昭は怒り、「桜田門外の変」を本人に伝えなかった。
もしもあの時、牛肉の献上をやめていなかったら…
旨い肉は歴史を変える。
と言うエピソードがあるが、実際問題、店名の「老中」は、井伊直弼の役職とは関係がない。
井伊直弼は実際には「大老」で、「老中」より上の役職だ。
店名の「老中」は、江戸幕府の重役を象徴する言葉として格式・重み・歴史感を表すためのブランド名。
幕末エピソードはお店の演出で、史実をそのまま使っているわけではない。
歴史の勉強になったね。
特徴
●日本古来の美意識を取り入れた店内
店は落ち着いたトーンで、カウンター中心。器や空間づかいに和のニュアンスがあり、焼肉店というより肉割烹に近い雰囲気。

空間自体がまるで幕末にタイムスリップしたかのようです。
●名物・大皿焼肉
古伊万里の大皿に、その日一番の上質な肉を盛りつける看板料理。
視覚的にも華があり、店のアイコン的な存在。
●他店では珍しい一品料理
・京黒七味で食べるハツ
・泡醤油を合わせたサガリ
・はらみ刺し
など、焼肉のサイドメニューというより酒肴の印象が強いものが並ぶ。
2025年11月訪問
さて、今宵は新しく六本木にオープンした焼肉店へ。場所は六本木一丁目駅3番出口直結。

「鮨 さいとう」と同じビルですね。家賃高そー。

この日はまだオープンしたてということで、「よろにく」などからもお祝いの花が送られてました。
さて、店内は靴を脱いで上がるスタイル。
ちなみにトイレは一度靴を履いて同じフロアの共用トイレを使います。サンダルか何かあると便利かなと思います。理由はトイレの度に靴を下駄箱から出さないといけないので滞在時間が減って勿体無いかなと感じました。

カウンターの上はとても華々しく、重なった高価なお皿が印象的。

店内、コンセプトとしてもとことん「和」にこだわってはいるが、BGMはヒップホップ、特にヌジャベスやbonobosなんかが流れている特異な空間。
こういう抜けてるギャップは好みであります。
本日のコースは15,000円。名古屋だと15,000円コースが一番高いんだとか。
こちら東京だと上は18,000円コースと言うことで土地代に対してだいぶお安いかと思います。
以下、いただいた料理。
・白菜のりんご酢漬け

キムチではなく、甘味の強いりんご酢で味をつけた白菜。
・センマイ刺し 生ポン酢

コリコリっとしたセンマイ刺しに自家製生ポン酢と胡麻酢餡を合わせた一品で、酸味と旨味と食感のバランスがいいです。
・ハツ刺し 九条葱と黒七味だれ

食感のハツに甘辛のタレに黒七味、木の芽で香り付けを。
・出汁香る和牛の肝吸い

ハチノスなど、ハツモト、お麩などが入ったお出汁。少々温度帯がぬるめなのでもう少し熱々だとこちらのテンションが上がります。
・名物 近江彦根和牛京味噌漬け

名古屋らしく味噌漬けにした極厚のヒレ肉を自分たちで焼きます。

ヒレ肉の香りというより、味噌漬けの味と食感を楽しむもの。とても柔らかく咀嚼に対してストレスがないです。
・名物泡醤油とさがり刺し

トリュフユッケ泡醤油という飛び道具。
それがなくてもユッケは口溶けが良く、香りの余韻があります。
・旬食材の黒楽土鍋ご飯

本日はスペイン産のポルチーニを使った炊き込みご飯。食事の位置ではなく途中で出てくるセオリー破り。

もちろんポルチーニは旨味成分が物凄いのでご飯も旨味の塊。この後肉食えるかなぁ。
・名物菓子椀ゆっけ

卵黄を崩し肉をたっぷりと絡めて。これもあえて温度帯を低くすることによって口溶け感と鼻を抜ける余韻を楽しむ。
・紅芯大根漬け

甘くてわりと味が強い。
・いなべの清流クレソングリーンサラダ

・大皿焼肉老中金欄手盛り

映えますね。これで二人分はだいぶ太っ腹であります。
タン、レバー、イチボ、ランプ、ヒレ。

特に印象的だったのはタンの香りの良さ。しかし二人で4枚づつってなかなかの量です。

そうか、このコースではこの焼肉がメインなのか。
〆は下記3種類から選択。
老中雲丹いくら丼
スパイス香る和牛カレーライス
麺乃はる牛骨白湯ラーメン
・牛骨ラーメン

牛骨や野菜などを使っただいぶ濃厚な旨味のあるスープ。

平打ちの太麺はつるりと舌触りがいい。
スープが濃厚なので生姜とミョウガでシャキッとさっぱりと。
・自家製プリン

柔らかめのプリンでこれが旨い。ミルキーな旨味の余韻がある。
お会計は飲んで一人20,000円ほど。
内容にしては十分安めかと思います。
あとは全体的に名古屋らしい濃いめの味付けが目立ったのでここをどう調整するか。
何より濃い味付けが続くとせっかくのメインの焼肉が美味しく食べられない。
「焼肉を美味しく食べさせたいのか」「焼肉も食べられるコースを食べさせたいのか」で今後の料理の組み立て方も変わってくるかと思います。
さて、今後とも東京の人にどう受け入れられるか挑戦を見届けたい。ごちそうさまでした。
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店舗情報
・名称:六本木 大皿焼肉 老中
・住所:東京都港区六本木1-4-5 アークヒルズサウスタワー 1F
・最寄駅:六本木一丁目駅(徒歩すぐ)
・営業時間:16:00〜24:00(L.O. 23:30)
・定休日:なし
・席数:24席(カウンター14、個室10)
・備考:個室あり/貸切可(20名以下)
・予算:10,000〜14,999円
・カード:可(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners、UnionPay)
・電子マネー:可(Suica、楽天Edy、WAON、iD、QUICPayなど)
・QR決済:不可
・オープン日:2024年11月25日







