とんかつは、肉の質、脂の甘み、衣の軽さ、揚げの技術、そのひとつでまったく別の料理になる奥深い料理だ。
東京には老舗の名店から新世代の実力店まで、驚くほど多くのとんかつ店が存在する。
しかし情報が多すぎて「結局どこが旨いのか分からない」という声も多い。
そこで本記事では、私が実際に食べ歩いた都内のとんかつ店を厳選し、本当に旨い名店だけをまとめた。
サクッと軽い衣、肉の脂の甘み、揚げの完成度。
その店ごとの個性を味わいながら、自分に刺さる一皿を見つけてほしい。
とんかつ成蔵|予約してまでも食べたい人を感動させるとんかつ!

高田馬場から南阿佐ヶ谷へ移転し、東京のとんかつ界を代表するお店。OMAKASEからのみの予約制。
店主の三谷成藏氏は「低温揚げとんかつ」を極めるとんかつ界を代表する料理人。
プチコース仕立てになっており、砂糖を減らして芯の柔らかい部分のみを使用したパン粉なども楽しめる。
特徴は砂糖が少ないパン粉でじっくり低温で揚げられた白い衣。そして潤いに満ちた理想的な赤身と脂身の比率。
中粗の衣はサクッと音を立て、しなやかに溶けていく。歯が綺麗にめり込む豚肉はジュッと肉エキスを生む。
特ロースかつ、シャ豚ブリアンかつ、ミルフィーユかつなど数種類選択できるのも嬉しい。
87°で常に管理されている味噌汁など全て置いて非の打ち所がない。

Katsuプリポー|歌舞伎町のど真ん中にあるプリティポークなファクトリー

「東京肉しゃぶ」がプロデュースするとんかつ屋で、オープンしてから瞬く間に話題となった店。
店名の「Katsuプリポー」とは「かつプリティーポーク」の略。
銘柄豚分布図があり、好みの豚肉を選ぶ際わかりやすい。
千葉県のダイヤモンドポーク 肩ロースは狐色にまで揚げられた中粗の衣に、艶っぽいピンク色残る赤身肉。
サクッと軽やかな衣が崩れる音と共にラードの香り、豚肉の甘い香りが鼻腔内に広がる。
さらに蛤出汁の味噌汁、お米は滋賀県のミルキークイーン。
最後に出汁を持ってきてくれ、茶漬けにしてサラっといただけるのも嬉しいサービス。
一斉スタートのため、予約しておくことを推奨します。

丸一|蒲田で常に大行列。林SPFの真髄。

蒲田でランチのピーク時は大行列ができる人気店。大森の「味のとんかつ 丸一」で修業した店主の独立店。
こんがり揚げられたとんかつは千葉県の林SPFを使用。
一応はレアでも食べられる豚肉で中心は余熱で火入れする技術が光る。
きめ細かいしっとりとした肉質からジュワッとエキスが溢れてくる驚きの感覚。
具材こそ小さいが豚汁のクオリティも素晴らしい。
とんかつ まさむね|極厚上ロースは食べ疲れがない素晴らしきとんかつ

こちらも溜池山王でランチタイムは大行列ができる。
「和豚もち豚」を使用し、桑名のこめ油を使用。カリッと。サラッと仕上げる。
極厚カットの上ロースかつは、サクッと音を立てる衣、きめ細かく、歯がめり込めばみるみるとエキスが溢れてくる豚肉。
普通、これほどの大ぶりなとんかつなら後半やや脂でしんどくなるはずだが不思議とそれが全くない。
味噌汁はまるでラードかよというくらい熱が保たれているのでご注意を。

もち豚とんかつ たいよう|丁寧に揚げられた渾身の上ロースカツ定食に感動!

目の前で店主が一つ一つの豚肉を軽く叩き、塩をふり、小麦粉、卵、衣をつけているのが見える。
その動作は非常に丁寧で心のこもった調理に好感が持てる。
上ロースカツ定食は豚肉にぴったりとひっつき、サクッと軽快な衣、極厚な豚肉はきめ細やかで噛み切れば保持されたエキスがジュワッと。
ソースはフルーティで美味いが衣の食感とど真ん中部分は是非塩でいただきたい。
ご飯は硬めに炊かれており、粒の甘みを感じられる。
全てにおいてハイクオリティのとんかつだ。

丸五|行列必至!火入れ、肉質、ホスピタリティと全てが理想的なとんかつ屋

1975年に水道橋の「かつ吉」から独立開業したお店。もちろん秋葉原エリアということで行列も覚悟が必要。
付け合わせはキャベツ、レタス、トマト、レモン。キャベツだけの店も多い中、なかなか気合が入っている。
胡麻油でじっくりと長い時間かけて揚げる衣は色が薄く白っぽく、サクッと音を立てる。
ストレスなく肉にめり込んでいく。噛みしめる度に肉汁が出、ソースで食べても脂身の甘さを感じるほど。
そう、ここの脂身の甘さに心奪われる。
ずば抜けたクオリティにただ唸るばかりだ。

あげづき|神楽坂に行列ができるとんかつ屋!かなり待つが十分その価値がある名店

店内に入っても長時間待たさせる。理由は2回に分けて余熱で揚げているからだ。
低温でじっくり揚げたあと別の鍋で再度揚げていく衣は白く美しい。
衣は厚く粗めだが刺さる感じはなく、舌の上で溶けていく感覚であり、重さはなくしっかりと豚肉と密着し抱き合う。
使う油はカメリアラード、オリーブ、キャノーラ油を配合したもの。
農林大臣賞を受賞した宮崎県産ブランド「南の島豚」は通常より長く熟成させることで、香りと旨味を引き出している。
高級ラードを使ったブレンド油で低温でじっくり揚げるため、衣は薄く、肉は柔らかく、脂はさらっとしている。
神楽坂・飯田橋エリア屈指のとんかつ店である。

とんかつ ひなた|とんかつ激戦区の高田馬場で行くべきとんかつ屋は今年もミシュラン ビブグルマンに選出!

とんかつ激戦区である高田馬場の人気店。
豚肉はすべて宮城県産の漢方豚を使用。「らんぷ」や「いちぼ」など他のとんかつ屋では見られないような部位もメニューにある。
真ん中の断面を見せた状態でやってきた上ロースの衣は狐色できめ細かいもの。
ぴったり豚肉についていて剥がれることはない。
サクッと薄い衣、きめ細かい赤身、そして甘い脂がジャワっと滲み口内で混ざり合う見事な調和。
間違いなく高田馬場の馬場で屈指の実力である。

ポンチ軒|特ロース豚かつ定食!口内に肉汁がほとばしる衝撃的な美味さ!

2012年に洋食のシェフが開いたとんかつの有名店。
創業は比較的新しいが、店名自体は1929年(昭和4年)に御徒町でとんかつを和定食スタイルで提供した老舗洋食店「ポンチ軒」に由来している。
この初代「ポンチ軒」はとんかつの原型を考案したとされ、現在の「ポンチ軒」は、その歴史を受け継ぎつつ、本格的なとんかつ料理を提供しているのが特徴。
肉質がよくきめ細かく、口内に豚のエキスがジュワッと溢れ、脂の甘みの余韻もいい。
決して筋張るということもない。ひたすら豚肉の旨味が際立つ非の打ち所がないとんかつがいただける。

tonkatsu.jp 表参道|マニアも歓喜する日本全国の豚肉が食べられるまさに旅するとんかつや!

こちらは全国の銘柄豚をその日ごとで楽しめるのが特徴。
豚肉の特徴を表にしてわかりやすく提示しており、その種類の豊富さととんかつ愛に驚かされる。まさに豚肉ソムリエ。
キツネ色まで揚がったかつは縦に置き、じっくりと油を落としていく。
北海道産の「どろ豚」はサクッと目の前で切ってからそのまま皿に盛り付け、全て断面を見せてくれる提供だ。
潤いのある断面はかすかに薄桜色を発し、7:3の見事な赤身と脂身がこちらを向いている。
サクッと細やかな衣、グッと力強さのある弾力、噛むごとに増していく味わい、全体的に派手さはないものの実直な旨さのある豚だ。
油はラードと大豆白絞油を使用し、適度な香ばしさと軽さを兼ね備えている。
丁寧に時間をかけてじっくり油を落としたおかげで食べた後の重さがない。正直言ってこのあとラーメンでも食べられる余裕さだ。とんかつ食べてこの経験ははじめてだ。

黒豚とんかつ ほり壱|安納芋を与えて育てた島安納黒豚は必食

こちらはシンプルに鹿児島の黒豚と島安納黒豚の2種類のみ。島安納黒豚は安納芋を与えて育てた豚。
こんがり狐色になるまで揚げられた島安納黒豚は、粗挽きのパン粉米油100%の低温の鍋で火を入れ、それから米油にラードを加えた高温の鍋で衣をからりと揚げる。
衣は粗挽きだがサクッと軽く、口溶け感もいい。
米油の香りと豚肉の旨みが合わさり何とも言えない余韻がある。
豚肉は余熱で芯までしっかりと火を通してあり、少々柔らかめのご飯と共に最後まで一気に駆け抜ける。
豚汁も味付けはほんのり甘め、具材は丁寧で理想的な薄さのカットで具沢山。

豚組食堂|六本木ヒルズで美味しいとんかつランチならここでしょ

六本木ヒルズ内にある人気店。
驚くのが衣の口溶けの良さ。中粗衣はジュワっと口の中で溶けていき、それと同時に脂の香りにも品を感じさせる。
太白ごま油と綿実油のオリジナルブレンドだ。
山形豚の身はほどけるような優しい身質でとても柔らかく、ロースにしてはややあっさりとしてるがこの口溶け衣がカバーしている。
間違いなく六本木で美味しいとんかつをいただける。

銀座かつかみ|とんかつをコースで味わう革新店

最後に変わり種を一つ。こちらは蟹料理の名店「きた福」の姉妹店として誕生し、日本ではじめてとんかつをコースで提供したお店である。
とんかつを部位ごとに揚げたてで提供するコース仕立てが特徴。
豚肉は山形県産「米澤豚一番育ち」を使用し、肉の旨味を最大限に引き出している。
一般的にとんかつ屋ではロースかヒレのみなので色んな部位をいただけるのは嬉しい。
ソムリエがおり、厳選したワインとのマリアージュも楽しめる。
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