東京・六本木にあるフレンチレストラン「Takumi」。
場所は六本木駅からは徒歩10分ほどの西麻布。
シェフの大槻卓伺さんの名前は「食卓に伺う」と書いて「たくみ」と読む。それがそのまま店名となっている。
フランス料理ってジャンルはいまやクラシック以外は個人料理である。
だからフレンチというジャンルに何の意味もないと思っている。その中でも大槻シェフの料理は素直に好みです。
料理説明は口頭ではなくカードに記載されています。これはいいですね。
流れるようなスピードでまるで客に理解させる気もないオナニーのような説明をするサービスマンがいる中でちゃんとシェフの料理へのこだわりと想いが伝わってきます。
どの料理も味わいのバランス、香り、温度などが意識され単調さがなく、また食材の組み合わせなど新たな発見と気付きがあって、さらに美味い。
ただ綺麗なだけの料理がある中で「美味い」がベースにある。これが一番大事。
以下、いただいた料理。
2024年8月訪問
・鱧のセモリナ粉揚げ 水ナスのサラダ、鱧の出汁のかき氷
熱々の揚げたての鱧と水茄子のアイスの出汁という温度のギャップがいい。フリットのサクッとしてシャリっとしたアイスの組合せがなんだか新鮮です。
・アミューズ・ブッシュ 2種類
こちらもキャビアを温製と冷製の2種の仕立てで。
左の温製はキャビアとエシャロット、パルメザンチーズ風味のモチっとしたフレンチトースト。
シンプルにキャビアの塩味と旨味のフレンチトーストの組合せにニヤリと。
冷製はキャビアのジュレ寄せ、完熟アボカドとライムのタルト。口内で温と冷でリフレッシュ。
・パン
・前菜1
夏なので冷たくもふくよかな旨味のあるリゾットに鮎のポワレ。フレンチでは定番の鮎と胡瓜の組合せ。
鮎の肝と合わせたズッキーニやキュウリ。
そして途中で鮎の骨とカレー風味のエスニックスパイスで味変という一皿でどんどん味や香りが膨らんでいくのが凄いです。
・前菜2
ヨーロッパ産の真鴨の胸と腿の包み焼き。フォアグラはムースにして、上からオーストラリア産黒トリュフを乗せて。
サイドは枝豆のサラダ、オレンジ風味のそうめん南瓜。鴨とオレンジという定番の組合せもしっかりとおさえてある。
・魚料理
しっとりとしてうるおいのあるシマアジのポワレ。ソースはサフラン風味のバターソース。
フヌイユにはフェンネルシードを合わせ、イカは身、内臓、イカ墨と分けてそれぞれ調理してから合わせてたる非常に手のかかったもの。
・肉料理
仔羊を使った肉料理で3種類の部位で3種類の調理法で楽しませてくれる。
まずはしっとりした火入れによるロース肉のロティ。シンプルでダイレクトな仔羊の旨みを感じられるます。
そこにギリシャ産カラマタオリーブを使ったソースとアーティチョークを添えて。
緑は仔羊の肩肉の香草パン粉焼き。ほのかに辛いハラペーニョのソースがまた食欲をそそります。
赤いのは仔羊のバラ肉の煮込み。トマトとラディッシュのソースで仕上げてある。
・アヴァン・デセール
カップルで来たら「きゃー、綺麗」なんてワクワクするんだろうけど野郎3人で来てます。いい歳した野郎3人で。
こちらはバラのブランマンジェでスペシャリテ。
なんと無着色・無香料。
・グラン・デセール
赤、緑、白。そう、イタリアの国旗に見立てたカプレーゼを甘いデザートにしたデザート。
フルーツトマトのコンポートと透明なトマトのジュレ、オリーブオイルの甘いソース、フォカッチャのバジルソース和え、フレッシュチーズのアイス黒胡椒風味。
甘いデザートのなかに黒胡椒が違和感なく溶け込んでおります。
・茶菓子
いやぁ、だいぶ満足度が高いです。これでランチ13,200円ですよ?やり過ぎでは?
少し前までもっと安かったみたいで驚くべき仕事をされています。機会があれば今度はディナーにでも。ごちそうさまでした。
Takumi
050-5594-5442
東京都港区西麻布1-11-10 ビルマーサ 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13204624/
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