東京・虎ノ門ヒルズにある鮨屋?「鮨 すがひさ」。
神奈川県・溝の口からこちらへ移転。
月に3日しか営業していなかったタイ料理と鮨屋 を融合させた「変タイ鮨」のみで勝負する。
「鮨 おにかい」の真隣に位置する。
店内はL字のカウンター6席のみとわりとコンパクト。
2024年8月訪問
しかし料理は以前お邪魔した変タイ鮨にさらに拍車をかける変態ぶり。
ライスペーパーを使用する事で「鮨」と言い張る菅大将。
子持ち昆布のシャキシャキっとした食感が快感のグリーンカレー茶碗蒸しは絶品。サラダにナッツだとか違和感あるテクスチャーもタイ料理の魅力なんだとか。
現存するタイ料理をベースにして一度分解し、鮨に落とし込めないかを模索する。シャリは赤酢と米酢のブレンドで和のままで、あくまでタイ要素は上のネタで表現する。
つまり鮨屋としての仕込みとタイ料理としての仕込みのWワークを行うことになる。これがどんなに大変か…だって普通ならやらなくていいことじゃないか。
クミンと醤油をベースにし、中にひよこ豆にクミンを足したフムスを忍ばせる。説明してもあまりピンとこない方もいると思う。
あくまで「やり過ぎない」が菅さんの中にルール決めされており赤身の味にプラスαで香りや味が乗る感覚だ。
トロにネギトロ、ミントがのった「となりの中トロ」は唯一映える鮨。挽肉とミントのサラダ「ラープ」という料理からヒントを得たようだ。
中トロの脂の甘さに香り付けがいい塩梅。これもいいじゃん。
車海老とトムヤムクンは間違いない王道の組合せですね。個人的にこの車海老が一番しっくりきました。
おまかせコースは18,000円、ペアリング付きで23,000円。最後には高級テキーラもペアリングとして出される。
菅大将から出された鮨を食べて考える。その後に菅さんから答え合わせがある。
「美味しいのは当たり前。そこにエンターテイメント性を設けることでさらに楽しい空間になる。」
お決まりのタイ料理からマニアックなタイ料理まで鮨を通してお披露目される。
「日本のカレーライスになりたいんです。日本のカレーライスはもともとインドのカレーのアレンジ。それがいまインド人がCoCo壱のカレーを食べて美味しい!となっています。これって凄いこと。」
なるほど、鮨という文化はなにも正統派の江戸前鮨だけじゃない。だったらカリフォルニアロールの存在も否定しないといけなくなる。もっと広い視点で菅大将は鮨の文化を考えてるのかも。
最後の〆ものとして出されたのは昆布と海老出汁ベースのトムヤムに赤味噌となめこを入れた麺がまた最高に美味かった。
最後まで楽しい空間でした。ごちそうさまでした。
本日のペアリング
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