都内某所にある鮨屋「すし 田いら」。

本記事では、「すし 田いら」についてレポートします。
「すし 田いら」ってどんな店?
2021年4月26日オープン。元麻布のマンション1階に店を構える、元「海味」の平公一氏による独立店である。

「ザ・リッツカールトン 京都水暉」で料理長を務めた経験を持ち、「海味」の四代目親方として迎えられました。
現在、住所は非公開の隠れ家的な設えながら、内容は王道の高級鮨そのもの。
鹿児島県徳之島出身の平氏が、九州産の鮮魚や「やま幸」のマグロを軸に組み立てる握りは仕込みと温度、流れで見せる実直な江戸前鮨そのもの。
店内は樹齢300年以上の木曾檜を使ったL字カウンター9席。空間は静かで温度感が整っており、握りに集中しやすい。
シャリは赤酢・米酢の2種類をネタごとに提供。平氏が一番好きなトップバッターの小肌や丁寧に扱う光り物、九州由来の魚の持ち味をきちんと引き出す構成に強さがあり、つまみから握りまで無理なく一本の流れで食べさせる。
実食レビュー【2023年10月訪問】
サロンの貸切会で久々に「すし 田いら」へ。
住所非公開の人気店です。
プライベートでよくご飯食べに行ってる平さんの握り、久々だ。

平さんは相変わらず楽しそうに接客するし、楽しそうに握る。おまけに鮨を握ってる姿がサマになる。
力士じゃなくて鮨屋になるために生まれてきたような方だ。
前回はいつだったか。海味からこちらに変わり、シンプルになったなという印象だったがそれがさらに磨きがかかった。
素材のクオリティが浮き彫りになり、より素材感を楽しめる料理スタイルになっている。個人的には今の平さんの料理の方が好みです。あの玄米キャビアも美味かったけど。
動画を観るなら一番下のリンクから❗️
以下、いただいた料理。
・トウモロコシの擦り流し 唐津の赤雲丹

あわ醤油と赤雲丹。
とうもろこしと雲丹、種類の異なる2種類の甘みを、あわ醤油が引き立てる。
・トロと胡瓜の手巻き

すき身と包丁で切れ目を入れた胡瓜一本を手巻きに。これ、シンプルに胡瓜の清涼感がいいっすね。サッパリと。
・坊主殺し

坊主殺し。そう言う名前の海藻なんです。
由来は
昔々、法要に呼ばれた和尚さんがこの海藻をごちそうになり、あまりのおいしさに食べ過ぎて亡くなってしまったから
または
体にいい海藻のため、たくさん食べると坊主の出番がなくなるから
前者だとアホ過ぎるため、後者の説が有力だと思われる
繊維が太くて美味しい海藻です
貝出汁とかと合わせていただけば最高かと思います。
・メイチダイといしかげ貝

・フエフキダイ

数日寝かせたものでしっかりと旨味がまわり、余韻もある。
舌触りもねっとりと。胡麻の香りがまたいいんです。
・紫雲丹

奥尻島。土佐酢のジュレ、花穗紫蘇。酸味と甘味、紫蘇の香り。
・小肌

一番最初の握りに小肌をもってくるあたり、江戸前に対するこだわり感じます。
わりとしっかりと〆てあり、酢加減とシャリの酸味、そしてじんわりと脂の甘味と綺麗な流れ。
・海苔の茶碗蒸し

一年でこの時期しか採れない海苔。
食べる前から磯の華やかな香りにうっとり。出汁の風味も良く、シンプルながら力強さのある茶碗蒸し。
・真鯛

明石の鯛。脱水されもっちりとして、そして香り高い。いやぁ、旨い。
・蝦蛄

なんとオスとメスのダブルで食わせてくれます。個人的にオスの方が好きだけど、メスの卵と合わせていただく贅沢な一貫。
・鯖

脂ののりもよく、赤みのようなねっとり感も特徴的。
・新イカ

少し大きめの新イカに包丁を一切必要としないサクッとした快食感。
・甘鯛塩焼き
シンプルな炭焼き。たまらんね。
・煮帆立

立の甘味と香りが素晴らしい。
・赤身漬け
ボストンの鮪。漬け加減の塩梅がいい。
・中トロ

・大トロ

赤身と同じボストンもの。
・赤雲丹

由良。甘さよりクリーム感強めの印象を受けましたが、これはこれでメッチャ美味かったです。
・車海老

わりと大き目。旨味と香りの余韻が素晴らしい。
・ホシガレイ 昆布締め

締め加減が絶妙で、旨味と香りの余韻がこれも素晴らしかったです。
・味噌汁

すっごい濃厚。今日の魚のアラで作った味噌汁旨すぎる。
・穴子

・玉子

・メロン

だいぶシンプルに、王道に。ごちそうさまでした。
実食レビュー【2022年3月訪問】
3月14日にオープンしたばかりの「すし 田いら」へ。
大将の平公一さんは京都のリッツカールトン、東京青山の海味を経て独立。
以前の海味のテイストからどのような変化を見せるのか注目が集まるところ。
場所は住所非公開の為、港区某所。

エントランスが少々わかりづらく隠れ家的。

店内はカウンター9席に個室あり。またピカピカの新店で清潔感あります。
大将: 平公一さん

やはり平さん、画映えするなぁ。
力士か鮨屋になる為に生まれてきた様な方ではなかろうかというくらいサマになってます。
そしでいて柔らかな接客。
来た人がみんないい気分で過ごせるんじゃないかな。
以下、いただいた料理。
白魚の漬け

透明感ある白魚は仄かな苦味からの穏やかな甘さが印象的。
牡丹海老、雲丹、キャビア

塩味穏やかで円やかなキャビア、ねっとりとして甘みのある漬け牡丹海老に雲丹。
綺麗に重ねていった旨味の足し算。
玄米

かなり熱々の玄米に海苔を巻いたもの。
海味時代はこれにキャビアを乗っけていたが、玄米、海苔とそれぞれ香りが引き立つ極めてシンプルな二重奏に。
マハタ、ホシガレイ

10日間寝かせ脱水したマハタはねっとりとして旨味の余韻感じるもの。
それに対しホシガレイはサクッ、プリッと強い食感に若めの味。刺身もコントラストですね。
鰆

玉葱醤油によるコクの相乗効果、藁で炙った香ばしい皮目、脱水によるねっとり感と旨味の塊は最高の当て。
牡蠣のオイル漬け

仙鳳趾ならではのクリーミーさ。
小肌

握り一発目は平大将が一番好きな小肌から。
身はふっくらとしてジューシーな仕上がり。
酢の酸味がしっかりと主張。
海味時代は朧をつけていたが、より酸味の方向性にいったようで赤酢のシャリと合わせることでインパクトもある。
握りの貫数が増えたという事で多少はシャリが小さくなっと言っていたがそこまで小さい感じなかったです。
ちなみにシャリはネタによって赤酢と米酢の2種類を用意。後期の海味ではシャリ一種類だったのに対し、よりタネとの調和に狙いを定める。
のれそれの茶碗蒸し

このこ(ナマコの卵巣の塩漬け)の餡がまたいい塩味。酒飲みが考案した酒飲みによる肴。
真鯛

明石の鯛の昆布〆。
シャリは変わり、こちらは米酢に香り付け程度の赤酢を効かせたもの。
鯛は5日目で身は柔らかく適度に香りも放つ。
シラカワ

塩と酢〆。
ある程度身はしっかりと食感を保ちながら味も抜ける事はなく。
鯵

横須賀。脂と香りのバランス良し。
ノドグロ

脱水してるため身自体は意外とあっさりと。
だけど皮まわりに旨みが凝縮。ノドグロは脂っぽいので苦手だけどこれなら好きだ。
金目鯛

勝浦。もっちりと適度な脱水、香りの余韻も。
小柱

子持ちヤリイカ

銚子。余計なことはせず古典的な調理法で。
やはりヤリイカはこれですよ。ねっちりとコクも豊富。
マカジキ

湯霜漬け。寝かせることでジワジワっと水分を抜いていき、シャリと馴染ませる。
大型魚だが鮪とも異なる独特の味わいと旨味。
大トロ

卸は海味時代に引き続き、やま幸。
釣りの鮪でガッツリ脂。
だけど脂だけじゃなく、香りの存在もしっかりと。脂のある大トロでこれほど香りがあるなら中トロが楽しみだ。
墨烏賊

と思ったら中トロでなく墨烏賊で一旦ジラしてきた。ここらでスカッと食感と米酢で変化を。
赤貝

噛んだ瞬間の閖上特有の爆発的な香り、ツーンとした山葵、赤貝特有の瓜っぽさ、そして甘み。
目まぐるしいほどの口内刺激。
何事も攻めるなら一箇所だけじゃなく数カ所が鉄則。
中トロ

再び鮪に戻る。
甘さ、香り、赤酢と鮪が最も輝く握り。
大トロもいいけどやはり脂でなく鮪としての余韻を楽しめるのはこちら。今日のMVPはこちらの中トロ。
赤身の漬け

鉄っぽく酸味のある鮪。これですよ。
本来鮪は酸っぱいものなんですよ。
雲丹

羅臼。
お吸い物

本日の魚の出汁のお椀。島根の十六島(うっぷるい)海苔が入り。
車海老、帆立、ネギトロ胡瓜巻き



茹で置きによる旨味と甘味を口いっぱいに感じるまさにこれ口福。
ネギトロ胡瓜も葱の香り活きる。
ロイヤルクイーン、干瓢巻き、中トロ巻き



お会計は約35,000円。
つまみはさらにシンプルに、握りより目立つ事もなく、だけどしっかりと仕事がされたもの。
酢飯はかつての海味時代の2種類に戻し季節によって酢を調整する。
海味時代より見せ方はシンプルに、だけどさらに手間はかける。
充電期間に得たもの、平大将の人柄全てが反映された様なコースでした。
また季節を変えて。ごちそうさまでした。








