恵比寿は、焼鳥やイタリアンの街という印象が強い一方で、実は高級寿司の実力店が密集するエリアでもある。
駅近の隠れ家カウンターから、予約困難な江戸前鮨、深夜営業の鮨店まで、その幅は広い。
銀座ほど肩肘を張らず、それでいて仕事は本格派。恵比寿の鮨には、独特の距離感と色気がある。
そこで本記事では、実際に食べ歩いた中から、会食・接待・記念日でも使える恵比寿の高級寿司店を厳選。
価格帯や空気感、店ごとの個性も含めて整理した。
新店や移転、営業形態の変化があれば随時更新していく。
恵比寿 えんどう|水谷・さいとう・長谷川稔を経た遠藤親方の鮨

「鮨 水谷」「鮨 さいとう」「長谷川稔」など、日本屈指の名店で経験を積んだ遠藤記史氏による鮨店。

素材を主役に据えた独自の鮨で多くの食通を惹きつけている。
特徴は足すよりも引き出すことに重きを置いた構成。
産直と豊洲を使い分け、魚の状態を見極めながら、神経締め、火入れ、熟成、香りを繊細に組み立てる。
シャリは米酢の穏やかなタイプで、ネタの輪郭を崩さず、あくまで素材の本質を引き出す方向へ振られている。
また、穴子ではなく鰻を握る、玉子焼きを出さない、巻き簾を使わず手巻きにするなど、「伝統だからやる」に疑いながら、自分なりに鮨を再構築している点も印象的。
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恵比寿 鮨 ふじまさ|酒肴と握りを丁寧に味わう寛ぎの鮨

2020年10月オープン。恵比寿駅西口近くにある「恵比寿 鮨 ふじまさ」は、鎌田研氏が手がける鮨店。
鎌田氏は日本料理を学んだのち、鮨の世界で経験を重ねた職人。料理の説明が非常に丁寧で、カウンター鮨に慣れていない人でも安心して楽しみやすい空気がある。
コースは、定番のトロの手巻きから始まり、刺身、焼き物、揚げ出し、茶碗蒸しご飯、握りへと流れる構成。日本料理の経験を活かしたつまみが多く酒肴としての満足度が高い。
握りは赤酢シャリを軸にネタを引き立てる。特に鮪の連続や、片面を炙ったホッキ貝、塩柚子とツメで出す穴子など、仕事の意図が伝わる構成になっている。
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鮨 くりや川|和食経験を活かした「つまみが強い」隠れ家鮨

恵比寿ビール坂近くの地下に構える「鮨 くりや川」は、正統派江戸前鮨を軸にしながら、和食経験を活かした独創的なつまみで存在感を放つ一軒。
特徴的なのはシャリの使い分け。赤身や脂の強いネタには赤酢、白身魚には白酢を合わせるなど、ネタごとにシャリを変える繊細な仕事を行う。
鮪は「やま幸」を使用し、中トロや大トロでは赤酢の酸が立つシャリと合わせて力強くまとめる一方、新子や白身では柔らかな酸味でネタを引き立てる。
一方で、つまみはかなり自由度が高い。夏野菜と毛蟹の酢物、冷汁を鮨へ落とし込んだ一皿、温玉醤油と雲丹を合わせた烏賊そうめん、番茶燻製の鰆など、和食の技法をベースにしながら鮨店の枠に収まらない発想を随所に盛り込む。
握りの軸はあくまで江戸前であり、魚の香り、温度感など基本が非常に強い。そのうえで驚きを加えているからこそコース全体の完成度が高い。
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鮨 結う翼|飲み放題付きで楽しむ、恵比寿の次世代鮨

「鮨 結う翼」は、六本木「鮨 由う」の暖簾分けとして誕生した鮨店。
若手職人が腕を振るう場という位置づけで、由う系譜の味を比較的手頃に楽しめる一軒である。
特徴は、飲み放題付きのおまかせコース。嶺岡豆腐、銀鱈西京焼き、穴子の茶碗蒸しなど、由うらしいつまみを挟みつつ、握りは赤酢を使い円やかに仕上げたシャリとネタを合わせる。
プリン巻き、港区巻き、カマトロ巻き、福巻きなど、遊び心ある追加メニューも魅力。
シャリや切り付けはやや大きめで、握りをしっかり食べたい人にも向く。
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鮨 竹半 若槻|継承と現代感覚が重なる実力派江戸前鮨

2017年6月リニューアルオープン。恵比寿の「鮨 竹半 若槻」は、二代目・若槻剛史氏が暖簾を継ぐ江戸前鮨店。
若槻氏は島根で料理の世界に入り、和食と鮨を経験。その後、江戸前鮨を学ぶため上京し「鮨竹半」で研鑽を積んだ。初代亡き後、店を受け継ぎ「鮨 竹半 若槻」として再始動している。
特徴的なのはシャリ。砂糖を使わず、米酢、赤酢、10年熟成の柿酢を組み合わせることで、コクを持たせながらも後味はすっきり。タネを押し潰さず、綺麗に引き立てる酸が印象的だ。
一方で、ノドグロと春キャベツ、塩昆布を使った真鯛、山わさびを合わせたトロタクなど、伝統だけで終わらないアレンジも随所に見える。奇抜さに寄せるのではなく、江戸前を理解したうえで少し現代へ寄せるバランス感が上手い。
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