京都駅から車で1時間半ほどの山の中にある「田舎の大鵬」へサロンメンバーと訪れた。
こちらは二条でミシュランにも選出されている中華料理店「大鵬」の二代目である渡辺幸樹さんによる自然一体型のレストランである。
2023年8月訪問「夏の田舎の大鵬」
自ら育てた鶏肉や豚肉、米、野菜などの食材を中華料理の技法を駆使し、素朴で美味しい郷土料理に仕上げる。ここでは決まったメニューはなく、その時にとれた食材を料理をふるまう。
さらに、畑を散策したり、平飼いの鶏を捌くといった他では味わえない体験も提供されている。
基本のスタイルは1日1組、4名から最大12名まで。
お任せコース一本で、税込11,000円のメニュー。
ドリンクは色んなビール、ワイン、日本酒、綾部紹興酒など。
「大鵬」の二代目: 渡辺幸樹さん
「父親は田舎が嫌で京都市内で独立したけど、息子の僕は田舎でこんなことやってる笑」。
基本的には食事は野外。雨が降った時のために屋根はあります。だけど横殴りの強い雨が降った時はずぶ濡れになりながら食事をすることになる。それもこれも全て体験である。こんな経験、都会では絶対にできない。
この農場で育てた無農薬の野菜。ミント、和山椒、花椒まであります。
目の前で鶏を締める。3年飼育の平飼いの親鶏だ。そして手際よく羽をむしり捌いていく。
一見、抵抗のあるシーンだが普段から鶏肉を食べてる私はこれを直視しなくてはと思った。
残酷だなんて言う人もいるかもしれない。けれど鯵一匹だって同じ命じゃないか。我々人間は彼ら一つ一つの命を頂いて生きている。果たして「残酷だ」と批判できるだろうか?
渡部さんはかつて四川料理を学んでいたが、飄香の井桁シェフを追い抜く事はできないと悟り、いまは中国全土の郷土料理を追い求めることになる。
自身で育てた食材で作られる滋味深い料理は、いわゆる中華料理にありがちな「化学調味料や脂っこさ」が全くない。
朝から晩までずっと食べ続けられるような優しい味わいである。
鹿ジャーキー、メンマと全てが自家製。
親鶏のハツ。ニラとハツでニラハツ。
三年平飼いの鶏のハツのサイズは小さいが、これが味が濃く、素晴らしい。
ほぼ流通しない腸。
納豆の胡瓜。
ジャガイモのガレット、発酵らっきょう、発酵唐辛子、発酵キャベツ、鰯のナンプラー。
これがジャガイモに酸味やコク、刺激とやたらとうまい。
そら豆。
初産の玉子。
ナマズのスープ。山椒と動物系がバッチリハマってます。
さらに冒頭で締めた親鶏の弾力と味の濃さは何物にも代え難い魅力がある。
こんなに生命力と旨味に溢れた料理はなかなか他で味わえない。
インディカ米と餅米をブレンドしたもの。
お店の空気感や料理に関しては是非とも私のYouTubeをご覧いただきたい。食べることに関心がある方ならきっと何かしら、いや、必ず何かを感じるはずです。
1人約20,000円。素晴らしい体験をさせてもらった。ごちそうさまでした。
2023年11月訪問「秋の田舎の大鵬は本当に素晴らしかった」
京都・綾部市にある「田舎の大鵬」へ再訪。
京都駅から車で1時間半ほど行った綾部市の山中に位置する。
ひと通り畑などを見学してから食事へ。
前回は三年平飼いにした親鶏だったが、今回のメインは烏骨鶏。
ここにはメニューなどない。その時にとれた食材で料理を作ってくれる。まさに自然まかせの料理。全く飽きる事がない環境だ。
渡辺さんは客をたくさん呼ぼうなんて考えてない。あくまでベースは農業。その軸はずっと変わらない。
前回は小雨と風で苦戦を強いられたが、この日は湿度もなく快晴。
まだ夏の名残りを思わせるほど日差しは強いが、日が陰ると一気に肌寒くなる。
そんな野外で乾杯するワインの味はまた別格だ。
飲み物はワインだけではない。ここで採れる香りのいいハーブを使ったオリジナルサワーや紹興酒なんかもいただいた。
料理は中国の郷土料理のような素朴で滋味深いものが並ぶ。過度な味付けはしない。必要ない。食材の有り難みを噛み締める。
こう言うと物足りないんじゃない?と思われるかもしれないが、全然!
だって大鵬の二代目ですよ?腕は一流です。特にメインの烏骨鶏はかなり肉質がハードだけど噛む度に旨みが溢れていく。もみじなどから出た出汁で作るスープも絶品。これをご飯にかけてズズッといただく。あぁ、美味すぎる。
この大自然の中で、皆んなでお酒を飲みながらワイワイいただく。暖かな日差しと酒でほろ酔い加減。まるで天国じゃないか。
決して説教じみてるわけではなく、生命や食材の大切を教えてくれ、生きてる事を実感させられる。やはり定期的に来て自分の中の毒を解毒してもらおう。
この動画は一番下のリンクから❗️
お会計は一人約25,000円。
絶対また来ます‼️
コメント