山形・酒田にある「ケンちゃんラーメン 本店」。

いわゆるケンちゃんラーメンの総本山。
小生が小学生の頃から通っているお店だ。初代は亡くなり、いまは二代目が腕を振るっている。

オープンは11時。10分前に到着したが、すでに店内は満席で3名ほど並んでいる。どうやら11時より前に店に入れるらしい。
外で待っていると煮干しのいい香りが漂っており、食欲が蠢くではないか。
メニューは中華そばのみ。
口頭注文で、料金後払い。

しかしケンちゃんラーメンも普通の中華そばが1,000円の時代か。なんだか感慨深いね。
・中華そば 大盛りこい口・油ぽく 1,100円

滅多に来れないからと言って大盛りにしてしまった。久々の再会に胸が高鳴る。
表面を覆う液体油も大量だ。「油ぽく」はこうなる。

具材はチャーシュー、海苔、葱、メンマ、脂身。
何十年も前から全然変わってないビジュアルだ。
ラーメンが「おかえり」と言っている。
「ただいま」。

あら?バラ肉が入ってる。大盛りだからかな?

さて、スープはと言うと豚を使用した動物系のコク、鼻を抜ける爽やかな煮干しの香り、カエシのキレと見事なバランスがとれた三構造。
「こい口」にしたからか塩味は強いが一口目からガツンとした旨味を感じる。
何軒か他店へ行った時に「煮干しが弱い」と感じることがあったが、本店はしっかり煮干しが効いている。

しかし油にも独特な香りを感じる。他のラーメンでは味わったことがない独特な風味だ。
なんなんだ、この掴めそうで全く掴めない味わいは。こういうスープが一番再現が難しいんですよ。

さて、麺だ。
超ピロピロ捻れ麺。
加水率は低く、すぐにスープを吸ってしまうこの麺。

「どん兵衛」と表現する方もいるがこの麺こそケンちゃんラーメンなのだ。
多加水が流行っていても私はこの麺が好きだ。

しかも麺にもちゃんと香りがある。
本当に見事としか言いようがない麺だ。
永遠に残しておいてほしい食の文化遺産。

チャーシューはバラ肉以外はパサ気味。
いいのいいの、これがケンちゃんラーメンのチャーシューなのだ。

脂身は腹脂。背脂よりも甘味がある。
麺量はどのくらいだろう?大盛りで350〜400gくらいはあるだろう。東の二郎とはこのこと。
テーブルで食べてる女性は相方に「減らないね」と小声で言っていた。
麺を完食する頃にはさすがの私も苦しくなった。
けどやはり本店は凄かった。二代目になってはじめての訪問だが素晴らしかった。
代が変わると味もガラッと変わってしまうことが多いが、ケンちゃんラーメン本店は以前よりさらに磨きがかかっているようにも思える。ごちそうさまでした。
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