外苑前から恵比寿へ移転した「天ぷら 元吉」。
意外な場所でしたねと話すとたまたま縁があって見つけた場所だそうだ。
場所は西口より徒歩5分ほどのビルの3階。
来てみると以前の内装からさらに元吉大将の世界観が色濃くなった様な感じだ。
緑がワサッと店内を彩りお店にいるのにマイナスイオンを感じられる様な作りとなっている。
もはや元吉さんのやりたい事を全て詰め込んだ職人からすれば夢の様なお店。
↑ライトアップもされ、上からスプリンクラーで緑を濡らす。
カウンター席から潤いに満ちた緑がくっきりと浮き上がるのが感じ取れる。
もの凄い金かかってます。
コースは24,000円。
本日の天タネ
約半年ぶりに訪問したが移転後の元吉さんの天ぷら、たった半年でまた物凄い進化を遂げていた。
前回よりもさらに天ぷらの表現が深められ、発想はより自由に。
時には油の中に水を入れたりセオリーをとことん壊しにかかる。
大将の頭の中は常に天ぷらの事ばかりなのがよくわかる。
らっきょうの塩漬けと共に頂く春子鯛はタルタルソースのニュアンスで食べさせ、実山椒のオイル漬けをのっけたシラスの天ぷらはふっくらとしてその相性と余韻がなんとも素晴らしい。
稚鮎の強烈な苦味からまるで砂糖が入ったかの様な強烈な甘味に変化する流れは稚鮎の完成形。
ジャガイモの天ぷらは甘さではなく皮の香ばしさを強調させる。「甘い芋はサツマイモに任せておけばいい」。たしかに。
常にどの天ぷらも香りを活かし鼻から抜ける深い福香の余韻に浸れる。
相変わらずブロック状に形成した天ぷらも健在でそのレパートリーも増えている。
メニューの日本酒を片っ端から頼んでいってお会計約31,000円という金額はもはや敬服に値する。
以下、いただいた料理。
スズキ
昆布〆、3日目。
新銀杏
衣じゃなく銀杏がホロホロっと溶け出す。
後に残る香りがまた余韻深い。
海老足
華奢で繊細な脚の香りは鮮烈。
海老
海老
衣をつけたバージョン。
グリーンアスパラガス
瑞々しく潤い十分、アスパラの香りの存在感際立つ。
春子鯛
身はホロホロと溶け出し、らっきょうの塩漬けと共に食べるとまるでタルタルソースを彷彿とさせる。
春子鯛
玉葱醤油と共に。
あおりいか
細やかな包丁による溶け感と甘み。
中に生姜の塩漬けを忍ばせ後味スッキリ。
ペコロス
メイラード反応による香ばしさと強烈な甘さを
堪能。
そら豆枝豆
細かくカットしたそら豆を四角くブロック状に形成した。細やかな仕事のおかげで香りナイスですねぇ。
シラス
実山椒のオイル漬け。
釜揚げシラスかって程ホクホクのシラスに実山椒と揚げ物の相性がハマってて淡白になりがちなシラスに強烈なアクセントを刻んでます。
ジャガイモ
熱くなり過ぎないように冷ましそれぞれ味付けを変えて。
甘さではなくちゃんと皮の香りの余韻を残すこと。しっかりとやりたいことの方向性が定まってますね。
もう青海苔は間違いない。
稚鮎
苦味が強い!と思った瞬間今度は猛烈に甘々になってく魔法の天ぷら。某名古屋のお店を思い出した。
白海老
生と揚げを合わせて提供するスタイルは元吉さんがはじまりなのです。
湯葉、賀茂茄子、海老、トウモロコシ
湯葉で賀茂茄子の煮浸し、海老、トウモロコシを包んだもの。完全なる創作でありオリジナル。トロンと溶け出す賀茂茄子が全体のまとめ役。
ヤングコーン
ヒゲの香ばしさも狙ってる所がパナイす。
トマトと玉ねぎのおかゆ
ソースの役割であるトロミはご飯でつけてます。
太刀魚
水茄子
温度は冷やされまさに水茄子。
だけどサクッと衣もついてるのでやっぱり天ぷらだ。
雲丹
新蓮根
穴子
一尾丸々いただく幸せ。
角モロコシ
食べやすく一つ一つを積み重ねブロック状に仕立てた。鮮烈な甘さと香ばしい香りを兼ね備えたトウモロコシ天ぷらの完成形。
食事
マンゴーのアイス
メニューで日本酒片っ端から飲んでお会計約31,000円。お酒はかなり良心的な金額なのも好印象。酒代じゃなくあくまで自分の腕でお金を取ろうとする職人の鑑。
こりゃまた来なきゃ。
天ぷら 元吉の動画を観る⬇️
コメント