東京・木場駅から徒歩5分ほどの場所にある看板のないイタリアンレストラン「commedia」。
こちら、同じ場所で「inetto」というお店でやられていたが、店内を改装したことをきっかけに店名も「喜劇」という意味の「commedia」に変更した。
「アロマフレスカ」などにいらっしゃった山口シェフと奥様の二人だけで営んでいる。
山口大輔シェフ
メインはカウンター席だがテーブル席の用意もある。
私が最初に山口シェフの料理を食べて感じたのは、まさに素材の核心を捉えたシェフだということ。それでいて決して過度に着飾ざることなく、イタリア料理の技法を使いその素材の本質を客に提示してみせる。
このスタイルに行きついたのはあの軽井沢の名店「フォリオリーナ・デッラ・ポルタ・フォルトゥーナ」の小林幸司シェフの料理を食べたことがきっかけだという。
ギアラを夜中の3時まで掃除する山口シェフだ。効率化なんてものは無縁である。だけど決して大箱には真似できない、ここでしか出せない料理がある。
本日ははおまかせコースにワインペアリング を追加して。
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以下、いただいた料理。
生ハムの盛合せ
ブラータチーズ
バターの様に濃厚なブラータチーズの上にアンチョビ、そえてあるのはカラブリアの柑橘のクレメンティーネのジャム。その上にフレッシュなオリーブをかけて。
このオリーブが酸化してないので見た目も味わいも凄く綺麗。シンプルな構成が故に素材のポテンシャルの良さが際立つ。
アオリイカの料理
表面を軽く炙った三重のアオリイカ、グリーンアスパラ、文旦、ハーブ。
この甘いアオリイカをベースに下が柑橘系、上が赤ワインビネガーという「2種類の酸」で構成されたサラダ。
ホワイトアスパラガスのフリット
アスパラの香り、甘味、ジュース、すべてをフリットで閉じてある究極的にシンプルな料理。
これ以上足す必要がないと料理が言っています。
新玉葱のロースト
メイラード反応による香ばしさと糖度、そしてこのチーズ。
米沢牛の内臓の煮込み
丁寧に下処理したセンマイ、ギアラのゆで汁に鶏出汁を加えて作った煮込み。
イタリア料理に用いられる香味ベースの「ソフリット」も使わなければ、白ワインも不使用。
鮮度のいい、ピュアな力強い出汁の深みである。
ズワイガニのタリアテッレ
本日は乾麺ではなく全て手打ちパスタ。
ツルリと舌触り良く蟹の甘さと香りづけのセリがいいアクセントに。葱も河豚葱だ。
カラブリアのトマトのオレッキエッテ
ちなみに羊の乳で作り燻製かけたリコッタサラータが主役。これがめちゃ香りがいいんです。
サラミのウンドゥイヤのピリ辛とコク、小さめの耳たぶ状の「オレッキエッテ」はモチモチで味も食感もクセになる。
菊池源吾牛
菊池の野菜や北海道の野菜など。
赤身肉って経験上、サッパリしてるけど味が抜けてることが多い。だけどこちらはフィレ肉なのに噛めば噛むほど味わい深い。
おまけに細胞感じる舌触りと肉質にワッと滲む肉ジュースにただただ驚かされる。
菊池源吾牛の品質の高さが伺える素晴らしいステーキだった。
バスクチーズケーキ
デザートで提供される奥様が作り出すバスクチーズケーキは甘さ控えめ、濃厚そのもの。だけど決して重過ぎず、チーズとしてのフレッシュさも備わっている。
本日のお酒
お会計は一人約26,000円。
純粋に美味しいものを出したい。そのシンプルな欲求こそがこれほどのピュアな料理に仕立てている。ごちそうさまでした。
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