東京・三越前にあるスペイン料理店「acá 1°」。
京都で誕生し、一躍人気を博したスペイン料理店「acá 1°」。
2013年に京都・烏丸御池で創業し、ミシュラン一つ星を獲得。その後2020年夏、日本橋(三越前)に移転し、東京でも屈指の予約困難店となりました。
「acá 1°」ってどんな店?
シェフの東鉄雄さんは1978年生まれ。
輸入車の営業マンからキャリアをスタートし、25歳で料理の道へと転身。
スペイン料理「La masa」および同グループ店で9年間にわたり基礎を磨き、34歳の時に退職。その後、スペイン・サンセバスチャンの名店 「Mirador de Ulia」 にて研鑽を積みました。
帰国後の2013年、京都で「スペイン料理をコースで楽しんでもらいたい」との思いから「aca 1°」を開業。瞬く間に注目を集め、2016年には「ミシュラン京都・大阪」で4年連続一ツ星を獲得。
さらに2018年からは「The Tabelog Award」において3年連続GOLDを受賞するなど、国内外から高く評価されてきました。
2020年1月に京都店を閉じ、同年8月より東京・日本橋に移転。以降は全国から食通が訪れる名店として存在感を放ち続けています。
ちなみに「aca」の正式表記が 「aca 1°(アカ プリメロ)」 となっているのは、スペイン語の 序数 “primero(1番目)” を意味する記号 「1°」 を加えているからです。
京都で生まれ、東京に移った本店・旗艦店であることを示すために、この名称が用いられているようです。
aca(アカ)の料理スタイル
東シェフの料理は「モダンスパニッシュ」と呼ぶにふさわしい革新性を備えています。
季節の蟹、のどぐろ、白子など、日本ならではの食材を積極的に取り入れる スペインの伝統技法と融合させた、唯一無二の皿に昇華 コースは全13皿前後。驚きと余韻が連続する構成。
スペイン料理を超え、日本料理やフレンチの文脈とも響き合う料理は、食通を唸らせる完成度です。
2025年9月訪問
今年1月の新人たちの新年会以来の訪問。
満を持してのアカでございます。
20時半からの回でギリギリにならないと扉は開きません。
店内は横一列のカウンター席と個室がある。
目の前には炭火や薪火、そしてパエリアを作る鍋が振られ、カウンター席ならではの臨場感があります。
こちら、コース値段は時価なのでわかりません。やだ、怖い!
・梅ジュース
6月から漬け込んでいる梅ジュースでまずは口内さっぱりと。アルコールは入っていません。
・北寄貝
薪火で火入れした北寄貝は凄まじく甘く、生ハムをスープにして泡状にしたもの。オクラはこの甘味に寄り添い、バランスを取っている。
シンプルにオクラの粘りとプリっとした北寄貝の食感の組み合わせもいいです。
・ボカディージョ
スペインのサンドウィッチ。天草の赤雲丹、あいだにバター。
パンと雲丹とバターの相性がめちゃいいんです。これは思わず泡が欲しくなる。
ここで本日のお肉2種類から選択。島根県産のヒレ、佐賀県産のサーロインから。
今回はヒレ肉をお願いする。
・秋刀魚のパエリア
肝による苦味、濃厚な旨味、脂、そしてレモンによる酸味。塩加減もベストで五味によるバランスが秀逸です。
イカとホタテも食感のアクセントになっており、お米も2種類による食感変化も飽きさせない。
・クロケッタ
スペインのコロッケのこと。ハモンセラーノ(生ハム)を使ったクリームコロッケ。
そもそもこのハモンセラーノが旨味に溢れてる。
クリームコロッケの甘味や旨味に生ハムの塩味が絶妙な調和を果たす。
・ソプラサーダ
薪火で外側だけを炙った馬肉のパテを崩し、ミガスと呼ばれるパン粉をオリーブオイルと炒め、パプリカパウダーを加えたスペインの南の郷土料理。タルタル状にしてパンの上にのせて大葉やエゴマと共にいただく。
あっさりとした馬肉の食感、エゴマや大葉の香りやパプリカパウダーなどが交わる病みつきになる料理。
岡山の晴王のシャインマスカット。
・松茸スープ
ハモンセラーノを使った松茸スープ。塩味は生ハムの塩味だけで旨味を抽出。
こんなにも生ハムの旨味って出るんだ。燻してるから鰹節のようなニュアンスなのか。
・ヒレ
これは肉質もいいんだけど、そもそも東シェフの焼きの技術が素晴らしい。
中までしっかりと火は入っていてジューシーさを残し、外はカリっと。
さらにフワッとした薪の香りに肉の香りが重なり、余韻となる。
ヒレは単調になりやすいがこれほど抑揚をつけて焼けるのは素直に技術です。
・毛ガニのパエリア
脳天突き抜ける甲殻類の香りと旨味。
レモンの酸味が強烈な旨味を引き立てる。
アリオリソースのコクも旨味をブーストさせる。
・シャインマスカット
・イチジクとミルクアイス
キャラメリゼしたイチジクの上に山羊のミルクのアイスクリーム。
・アマゾンカカオを使った生チョコレート
コース代が57,500円にワインボトル3本を3人で割って約43,000円。
合計約10万円という素敵なお値段。一生に一度はのレベルの金額だが確実に味蕾にも記憶にも最高の体験として刻まれることだろう。ごちそうさまでした。
店舗情報
住所:〒103‑0022 東京都中央区日本橋室町2‑1‑1 三井二号館 1F
アクセス:
東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」A8出口より徒歩約2~3分(約146 m)
JR「新日本橋駅」や東京メトロ「日本橋駅」からも徒歩圏内
営業時間(2部制): 月~金:第1部 17:00~/第2部 20:30~
土:第1部 12:00~/第2部 17:00~
定休日:日曜日・月曜日
席数・構成:カウンター中心で8〜12席(状況により若干変動)、個室(4人可)あり
料金・予算:ディナー1名あたり約¥60,000〜¥80,000
支払い方法:各種クレジットカード対応(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)、QRコード・電子マネーは不可
その他事項: サービス料 10%(チャージなし) 完全予約制、予約は Omakaseを通じた抽選制などの方式で実施
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