東京・清澄白河の話題のスペイン料理店「eman」。
店名の「eman」とはスペイン・バスク地方の言葉で「与える」という意味をもつ。
スペインの郷土料理やスペインと日本の文化を大切にシェフたちの「想い」を料理や空間に与えるという意味を込めてある。
お店は清澄白河にある築60年の一軒家をリノベーションしている。
小林悟シェフは都内のスペイン料理店に勤務後、 スペインへ渡り、バスク地方のミシュラン三つ星「アスルメンディ」、ラマンチャ地方のミシュラン一つ星「エルボイオ」で計2年半研鑽し帰国。
奈良のガストロノミーレストラン「アコルドゥ」、東京「アロセリアラパンサ」の料理長を経て、2021年に「eman」をオープンさせる。
料理はまさに王道とオリジナリティを混ぜ込みeman独自の料理に仕上がっています。
魚介豊富なスペイン料理ってわりと日本人にも馴染みやすい味なのではないでしょうか?
この動画は一番下のリンクから
以下、いただいた料理。
・Sopa – とうもろこし / イディアサバル
右は冷たいコーンのスープの中にイディアサバルという燻製した羊のチーズのアイスクリーム入り。
とうもろこしの甘味を引き立てる清涼感と濃厚な羊のチーズ。
左はジャガイモのペースト揚げ。
・Tapas – タパス2種
一つ目はスペインの生ハム「ハモンセラーノ(23ヶ月熟成)」。下にはコカというドライイチジクを練り込んだパン生地。
上に乗せただけより一体感がある。
雲丹とカラフルトマトのタルト。アンチョビで作ったクリームチーズ、ニンニクの香りをつけたパイ生地。
口内調理で深まる多重層的な味わい。
・Bonito – 鰹 / パプリカ
ローストして甘味を引き出したパプリカ、皮目だけ香ばしく焼いた鰹、赤いのはパプリカパウダーに漬けた新生姜のピクルス、松の実。
鰹は身がしっかりしており、甘味やパプリカパウダーのスパイシーさなど色合いは赤だけど様々な味わいや香りを感じられる。
・Pulpo – 蛸 / ウジョア
淡路産の蛸を柔らかく煮込んでボイルしてある。下には甘くなるまで煮込んだ玉ねぎソースとパプリカパウダー、香味油。さらにウジョアという牛のミルクから作るチーズのスープ。
蛸の味わいを邪魔しないミルキーさと玉ねぎの甘さ。
ピリッとスパイシーで、さらにナッツもいいアクセントになってます。
・Pescado – アイナメ / モホベルデ
下から玉ねぎを甘く炒めたもの、青森県産のアイナメ、モホベルデというバジルのソース、ピーマン、木の芽、シェリービネガーでほんのり酸味を足してある。
酸味とスパイシーなモホベルデがフリットに合うわけだ。甘辛酸が夏っぽい味。
・Carne – イベリコ豚 プレサ / アンダルシア
炭焼きにしたイベリコ豚。
ソースはクミンやパプリカパウダー、コリアンダーなどを使用したアンダルシア地方の伝統的なソースで、スパイシーなもの。
・Paella – 夏野菜 / 穴子
夏野菜と穴子の夏のパエリア。
鶏出汁をふんだんに含んだパエリアは絶品。レモンも合います。
・Meloso – イベリコ豚 セレクト / たもぎ茸
蓋付の鍋やその鍋で作ったものを「オジャ」と言い、日本の「おじや」の語源にもなっている。
パエリアより出汁感や水分気が多い「メロッソ」という料理。「蜂蜜」を意味する言葉で、「蜂蜜のようにトロリとした」みたいなニュアンス。
鶏出汁、茸出汁の骨太な旨味にトマトの酸味でどこか軽やかさがある。
・Postre – パイナップル / サフラン
下はサフランの香りをつけたパインのスープ。
ビスコッチョ(スペインの焼き菓子)、アイス、ココナッツの泡、仕上げにラム酒のスプレー。
・プリン
ワタナベファームの濃厚な卵で作ったカラメルプリン。まわりはベリョータというどんぐりのリキュール。
お会計は1人約23,000円。
トータル、全部美味しかったという印象。
食材同士の組合せやアクセントの効かせ方、王道のスペイン料理を小林シェフのセンスで見事にモダンスパニッシュ化されており、誰が食べても美味しいと思えるコースになっている。それに加え、グランメゾンみたいな堅苦しさは一切なく、カジュアル。価格もめちゃ安くて企業努力の塊みたいなレストランだ。ごちそうさまでした。
コメント