東京・東麻布にある鮨屋「東麻布 天本」。

2024年8月訪問
横一列の8席のみのカウンター。
目の前では鰹を炭で炙る天本大将。客足来も見事。

かつて「海味」で研鑽を積まれ、いまや食べログでもGOLDを獲得する日本を代表する鮨屋となったが、
まぁ、そんな説明は今更だし評価が先行して期待して行くとロクなことにならないのは長年の経験で知ってるので何も考えずに訪問する。
もはや庶民が頑張っても行けるような鮨屋ではない。ここに来れる方は「繋がり」がないと来れない所謂「持ってる人」。これもいまの鮨屋の形なのか。


店の大きさに対してスタッフの数も多く接客も行き届いている。
凛とした空気感の中、常連さんとニコニコ話す天本大将。


季節を知らせる魚はどれも一級品。香りも抜群。




2時間が経ったところでようやく握りへ。2時間。鮨屋でこの時間経過は多分はじめて。

シャリは塩と酸がバキッとキマったものでネタと見事に調和。握りの形も綺麗です。




藤田さんの鮪は藤田さんの鮪の味がするし、
天本でもしっかりとその存在感を放っていた。




そのなかでもこの日は舞阪の新子がフワフワで抜群だった。新子ってこんなに美味いんだ。と改めて思わせてくれる新子だった。




お決まりの天本の車海老も含めて、かなりのボリューム感と旨味の連続、そして天本さんの接客。そりゃ人は来るわな。


と言うか非の打ち所がないお店です。欠点が見当たらない。
高級店ってどんなに旨くても一つ気になる事があると自分の中で悪いイメージが先行してしまうんだけど特に見当たらなかった。
とは言ってもコースは約5万円で予約もほぼ取れないお店なので絶対的に気軽にはこれないのだけども。

ごちそうさまでした。また機会があれば。
2025年1月訪問
ということで再訪。

コースの値段が以前より上がり57,600円+サービス料10%となった。つまり63,360円がコース代だ。ここに飲み物を頼めば7万〜8万円という素敵な価格となる。
さて、日本人はこの金額について来れるのか?と思ったら相変わらず満席が続いている。物凄い店だ。
親方:天本正通さん

福岡・春吉「鮨割烹 高玉(こうぎょく)」、東京・赤坂「とゝや 魚新(ととやうおしん)」を経て、「高玉」時代の兄弟子だった、福岡「鮨 さかい」の堺さんの誘いで「海味」へ。厳しい修行を経て伝説の鮨職人・長野充靖氏の二番手を務めるようになる。
そしてついに2016年6月、東京・東麻布に「東麻布天本」を独立開業。
今回は前回を凌ぐクオリティでぶったまげた。もちろんネタ的にもベストシーズンだが全てのネタの香りが色濃い。特にフジタ水産のマグロのクオリティはここ最近のマグロの中でもぶっちぎっている。強烈な甘い余韻は鼻腔を通して脳内に染み込んでいくようだ。
三厩の大トロ。腹上の筋の溶け方が異次元。香り甘く、余韻も甘い。このマグロは絶対に忘れない。
「2025年1月に食べたマグロは凄かった」と藤田社長にメッセージしたら「いつもの事」だって笑
あとはホスピタリティが秀逸だ。たった8席のカウンターのお店なのにスタッフが充実してる。サービスが行き届いている。
これは三つ星の「ロオジエ」でも思ったことだが料理が美味いうえに、サービス・ホスピタリティがとても充実してる。いや、完璧だ。天本さんの客足来も見事。だからここに来た客は全員気持ち良くなって帰ることができる。これって物凄いこと。
美味しいだけのレストランなんてリピートはない。なぜ人は高い金を払ってでもリピートするのか?それは特別な体験を求めにやってくるからだ。天本や一流と呼ばれる店はそれをしっかりと理解している。だから一流なのだ。
この日はそう思わせてくれる一夜だった。
・のれそれ

穴子の稚魚のことでつるんとしたところてんのような食感と舌触り。
味としては淡泊だがどこか玄妙な甘味がある。
・蜆出汁の茶碗蒸し

上には能登のこのわた。コハク酸による旨味とこのわたのふくよかな塩味。どう考えても美味すぎる。
・無洗白子

無洗白子とは活〆の鱈から白子を取り出し流水で洗わない白子のこと。
なんたる典雅な旨味だろう。そしてこの粗くカットした辛味のある葱が一層白子のふくよかな旨味を引き立てている。見事だ。
・蛸

三浦半島、鴨居産。旨味をしっかり持ち合わせた食感はプルプルだ。
・平目とあん肝

平目も香り高く、さらに甘く仕上げない余市の鮟肝の旨味が鮮烈。
・ニタリクジラ

ネガティブな要素なし。香り、イカとイワシをたくさん食べてる。
・牡丹海老の紹興酒漬け

北海道増毛の牡丹海老。サイズも大きく旨味甘味は鮮烈。紹興酒漬けが合う。

・天然帆立の海苔巻き

カラスミをふんだんにかけて香り高い海苔巻いてパリッと。
もはや海苔が鼻腔で爆発しとる。肉厚な天然帆立にカラスミと最高のコンボ。
・白子

下関のフグの白子。皮がうんまい。

・白甘鯛

ひと噛みの時点で香りの濃度が濃い。それがずっと継続する。
酸が立ち、粒がしっかりとしたシャリが完璧な調和を生み出している。
つまみがあれだけ好印象だったがゆえに、握りは一発目からかなりのインパクトを残す。
・サヨリ

この1月が一番時期ということもあり味の濃さが際立つ。そして凄いのが山葵と鴨頭葱のバランス。
この一貫で物語が構成されているようだ。
・鰆

松前昆布とスルメ醤油に漬けた師匠・長野氏のオリジナル。ねっとり濃厚旨味の塊。
・墨烏賊

江戸前の墨烏賊。鹿児島のものよりハリはあるが味は濃い。パキッとした食感も綺麗。
・中トロ

さすがのフジタマグロ。香りが超濃厚。
・大トロ

腹上の大トロ。筋が異次元に柔らかい。なんじゃこりゃ。このマグロで8名は黙りました。まさに会話を止めるマグロ。


・鰯

酢〆は二分ほど。口内に入れればドローっと溶け出す。
・キタムラサキウニ

澄んだ旨味。

・車海老


・穴子

ぶどう山椒の香りがエレガント。パリッとした食感もいいです。
・玉子焼き

芝海老、卵、砂糖、塩、そしてメレンゲでツイーツ化。
さらにカンボジア産の貴重な蜂蜜「クメールラビットハニー」をかけて。
お会計はビール、ワインボトル(2人シェア)や、焼酎ソーダ割りなどで約82,000円。
普段使いできる金額ではないが、全てにおいての満足感と多幸感で納得の値段。
そもそも滅多に来れないが。
また機会があれば是非この時期に来たいなぁ。
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