東京・銀座にある日本料理店「まとい 銀座」。
こちらは神戸牛などをメインにブランド牛や和牛と旬の食材を使った高級肉割烹のお店。四季を繊細に表現するため、コースは1か月に1度変わります。
エレベーターを降りた瞬間から和を感じるゴージャスな空間。店内は広々とした横一列のカウンターで目の前には立派な盆栽があり高級感あふれる雰囲気。
料理長の伊藤平さんはもともと「SATOブリアン」にいた方。焼肉では表現できない別のアプローチで牛肉を突き詰める。
神戸牛は「扇矢」という神戸の精肉店から直接仕入れている。毎週のように競りで肉の状態を見て買付されてるそうです。
2024年9月訪問
おまかせコース28,000円+ペアリングコース15,000円。
本日も但馬血統の素晴らしいお肉が揃っています。
先付 : 鰆 山わさび
備長炭で表面を軽く炙った鰆。脂も乗ってるのでホースラディッシュや紫蘇の清涼感。
下の但馬牛のコンソメのジュレは透明感ありながらも程よいコクが鰆に寄り添う。
刺身 : 神戸牛ロース
出汁醤油が塗ってありそのまま山葵を包んで。
潤いとシルキーな舌触り、口内で溶け出す融点の低さと和牛本来の持つ甘み。温度管理も完璧だ。
椀 : 白甘鯛 松茸
腕の中にはシラカワと松茸。
シラカワの旨味が腕に溶け出し松茸の香りといただく口福。お腕自体、わりと味わいの輪郭はハッキリとしてます。
温 : 神戸牛カタシン 加茂茄子 銀杏
ホロホロになるまで煮込まれ引き立つ赤身とトロトロの甘い脂。但馬は煮込んでも味抜けしないそうで確かに濃厚な味わいが宿ってます。
そしてそれに負けないトロリとした加茂茄子の存在感。
冷 : 神戸牛リブロース 舞茸
神戸牛リブロースをしゃぶしゃぶにして、あえて常温に戻すため少し冷やして提供。熱々よりも冷やした方が肉の味がハッキリしたという伊藤料理長の経験が活きた一品。
巻きロースは舌の温度で蕩けていき、芯の部分は味わい深い。
黒舞茸の焼きびたし、土佐酢のジュレと共に。
鮨 : 神戸牛モモ カマス 雲丹 いくら
思った以上に雲丹と牛モモが甘く溶け合い、酢飯の酸味が引き立てる。
かつサンド : 神戸牛のシャトーブリアン
あえてカットしないで提供する意図わかりますか?
実際に噛んでその柔らかさ、食感を感じてほしいという狙い。
もはやかつサンドとしては完璧な火入れでサクッとしたパンと渾然一体となる。SATOブリアンの頃の仕事も活きてるのかな?最高に美味しいかつサンドでした。
炭火焼き
サーロンとヒレ
生産者が異なる但馬血統神戸牛の食べ比べ。
素晴らしいね。
サーロンの脂は甘くスッと脂切れしていく。
ヘレことヒレは噛めば噛むほど円熟したような甘い和牛香を感じる。
高知の「田野屋の塩二郎」の塩は粒子が粗いが塩味に尖がなく円やか。
生の粒胡椒はこれだけで赤ワインが進みます。なんでも一度水で辛みを抜いて塩漬けされた粒胡椒なんだとか。
〆のご飯 : 穴子 牛蒡 セリ 三つ葉 ズッキーニ
穴子は脂がのってあり、芹、牛蒡の香りがいい。
甘味 : 芋羊羹
キャラメリゼされた芋羊羹。
シャインマスカット 白ワインゼリー ミントアイス
さっき芋羊羹食べたのにシャインマスカットの甘さがくっきりと。
お会計は1人約52,000円。
和牛、素材同士の組み合わせ、香りと余韻、温度管理まで全てにこだわりが詰まったコース。銀座でたまにの贅沢に。ごちそうさまでした。
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