東京・飯田橋にある天ぷら屋「てんぷら 拓」。

2025年2月訪問
飯田橋駅より徒歩5分ほど。
もともとは埼玉県春日部でお店を営業していたが、一年前の2024年2月にこちらに移転。
速攻でミシュランガイド東京2025にてセレクテットレストランに選出された実力店です。
店主:増田拓実さん

親方はまだ32歳。高校で調理師免許を取得し、山梨県河口湖の日本料理屋など旅館や複数の和食料理店で修業を重ねた後、独学で天ぷらを学び、埼玉県春日部で2022年に「てんぷら拓」をオープン。
開店からまもなく食べログの天ぷら百名店2023に選ばれるなど注目を集め、すぐに人気店の仲間入りを果たしたが「いつか東京で勝負してみたい」という想いが募り、2024年2月に名店の集まる神楽坂に移転を決めた。
独学と言えば人形町の「江戸前晋作」が有名だが、増田親方もまた個性的な天ぷらを揚げてみせる。
店内L字カウンターはわずか8席のみ。
コースは17,600円税込み+サービス料5%。
増田親方が目指すのはまさに「軽やかな天ぷら」。
冷やした炭酸水で卵を溶き、空気を含ませ、作り立ての衣はできるかぎり薄くまとわせる。
油は太白胡麻油。炭酸水を使い気泡を駆使した衣は歯触りこそ感じるが素材の旨味をコーティング、または蒸しながらジュワッと溶け出し、ストレスがない。
強い火入れよりも繊細な天ぷらで、二、三品ごとに衣を作り替える。
・スッポンのお出汁

「まずは天ぷらの前に元気になってもらいたい」。ということでスッポンのスープから。旨味のなかに生姜が効いたスープで胃がほっこりと。
・キュウリの甘酢漬け

お口直しに。
・梅肉ポン酢

こちらは同店のオリジナル調味料。これがのちのちいい味を出してくる。
・車海老

すごい大きな車海老。衣の存在は感じるけど解ける感覚。
甘味よりも旨味が強くプリプリの海老の旨味をしっかり残して溶けていく衣。
・海老頭

内側だけ粉をつけて。サクッとかぐわしい甲殻の香りで酒をクイッと流し込む。
ここで本日の天ダネ

・菜花

サクッと歯ざわりよく、春の香りとほろ苦さ。
・鱚

皮目の方に衣を厚くつけることでサクッと食感よく、身はフワッとしてコントラストができる。
さらにザクっとした厚い衣はジュワっと溶けていき、皮目の旨味を閉じ込める。
・聖護院蕪

京都の聖護院蕪。鰹出汁で炊いてから揚げており、ジュワっとジュースを衣が閉じ込めている。
この辺は江戸前晋作とまた若干異なるアプローチだ。
・そら豆

衣はかなり薄く、程よく脱水されているのでそら豆の味わいがより濃くなっている。
・椎茸芝海老入り

肉厚な椎茸に芝海老を入れ込んだ独創的な一品。椎茸ジュースの旨味と芝海老の香りが調和する。
・ホタテ

本当衣が軽い。そして火入れでものすごく甘い。梅肉ポン酢がまた甘さと調和する。
・牡蠣

最後に高温でカリっと揚げる。縮まない牡蠣で旨味も濃い。
・蕗の薹

香りがあって、苦味があって、最後に甘くなる。この一連の物語が美しい。
・虎河豚の白子

サクサクの衣にトロットロの濃厚な白子の食感コントラスト。凝縮された旨味の塊。
わかっちゃいるがガブリといきたくなる。当然、火傷しそうになる。ホクホクと。熱さの果てに旨味があるんだよ。
・穴子

食感が楽しい。
ザクっとして、ジュワっとして、身と皮がトロっとして、旨味と香りの余韻を残して消えていく。
重さがない。これが増田親方の軽い天ぷらだ。
・ジャガイモ

メイクイーン。じっくりと長時間揚げることで糖度が上がり、油を吸い込んだことで独特なスイーツのような味わに。
・卵黄醤油漬け

・天茶

かき揚げは芝エビと三つ葉とレンコン。味変で卵黄を崩せばちょっとしたおじや感覚に。
・ほうじ茶アイス最中

伝統を継ぐ天ぷら職人、そして独学で新たな道を作る天ぷら職人。いま、若手の天ぷら職人による天ぷらが面白い。間違いなく、増田親方は次世代を担う天ぷら職人でしょう。
お会計はビール、焼酎ソーダ割り3杯程度でお会計は約23,000円。ごちそうさまでした。
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