静岡県焼津市の日本料理の名店「温石」へ一年半年ぶりの再訪。
場所は焼津駅よりタクシーで5分ちょい。歩くと20分くらいの閑静な住宅街の中。
いまや静岡県を代表する屈指のお店となった「茶懐石 温石」。
店内へ続く庭のアプローチがなんとも美しい。そうか、茶懐石は既に店に入る前に始まっているのですね。
店主:杉山 乃互さん
代々料理人の家系に生まれ、物心着く前から料理人になることを運命づけられた方。
あくまで静岡の食材を際立たせ、自身は黒子に徹する。時には斬新な食材の組合せを見せで驚かせるがそれが全く嫌味にあらず。努力とセンスに恵まれた方。
以下、いただいた料理。
落花生豆腐と無花果
生の落花生をすりつぶして絞ったものを葛で固めたもの。さらに上には1時間ローストした落花生のペーストという同じ落花生で2つの調理法を楽しめる構成。無花果と銀杏を添えて。
真イカの肝和え
活イカの肝はクリアで旨味に溢れている。これはまさに肝が主役の料理。
太刀魚のお椀
近海でとれた太刀魚、シメジ、結び三つ葉。出汁の鰹の香りはなんとも直線的で綺麗です。シメジの香りも華やか。
ハタ
脂がしっかりとのっている。
麻機蓮根の揚げ物
麻機地区の在来種の蓮根。シャキッとした食感、開く香り、蓮根の持つ水分。揚げも完璧で蓮根の魅力をストレートに伝えてくれるまさにこれ、料理。
神経〆したエボダイ
春菊と共に。神経〆したエボダイって他にないんだって。なんだかエボダイじゃないみたい。
藤枝の椎茸
エキスを絡めて。椎茸の香りとグルタミン酸を存分に堪能。
蕪の丸焼き
直火で焼いた蕪の丸焼き。シャリっとして、香ばしさと蕪の水分、甘さ。これ以上ない蕪の味わい。
金目鯛の鱗焼き
実山椒醤油。パリパリで香ばしい鱗、ふっくらジューシーな身。火入れが素晴らしいです。
脂ものってるので実山椒ともよく合います。
柿の白酢がけ
白和えの旨味、酢の酸味、柿の甘味、そして柑橘の香り。超シンプル過ぎるのにめちゃ味と香りの構成バランスが優れてます。
知床牛・海老芋
北海道の知床牛と岩手の海老芋。鰹出汁の海老芋も清らか。
牧之原のコシヒカリ
炊き立てを一口。本当香りが素晴らしすぎる。
蓮根ご飯
中に金目鯛も入っているがあくまで蓮根の引き立て役。
蓮根の香ばしさはなんとも華やかだ。
どうまん蟹と内子の汁かけお煎餅ご飯
幻とも言われている「どうまん蟹」。無心でいただく。
おにぎり
玉葱醤油漬けのおにぎり。旨すぎる。
ラフランスとシャインマスカット
焦がしくるみ餅
もちろん自家製です。香ばしさと黒糖。
お抹茶
最後は杉山大将自ら点ててくれたお抹茶でコースを〆る。
本日のお酒
杉山大将から感じるのは静岡食材へのリスペクト。最大限の努力と最小限の構成要素で素材のポテンシャルを巧みに引き出す。
料理はどれもドキッとさせられるくらいシンプルだ。試行錯誤によって生み出された杉山大将の料理はこれ以上ないほどの素材の旨味と香りに富む。
シンプルこそ一番難しい。まさに焼津、いや、静岡を代表する素晴らしき日本料理店でした。
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