本日は「鮨 全国制覇」第6弾として茨城県笠間市にある「松榮鮨」へ。
大将は東京で修行した後、インド、カタール、スイスを渡り歩きニューヨークのトランプタワーで働いていたという異色の経歴の持ち主。
伝統的な江戸前鮨にオリジナリティを加えた鮨をいただけるということで気になりすぎて二週間前に予約。
上野駅から友部駅までときわ号に乗って約1時間。乗り換えがないのでかなり楽だ。
日曜の夕方から茨城に行くのもなかなかドキドキする。
友部駅からは徒歩5分くらいか。
かなりアクセスはいい。
大きく目立つ外観。
18時予約で少し早めに入店。
常連さんがちらほら。
座敷席もいくつかあり店内は広め。
子供連れもいた。
ここはいまの大将の父が建てたお店を引き継いだ様だ。
大将は鮨でこの地を盛り上げたいという想いが強い方。
料理の見せ方は従来の鮨屋のそれとは若干異なりニューウェーブ的な感じで新しいことにどんどん挑戦していく姿勢がみられた。
まずは小ビールで喉を潤しお任せコースのスタート。
ノレソレ
ポン酢かな?つるっとしてクセがなくサッパリといただけた。
水蛸
北海道産。胡麻油と塩でいただく。
独特なトゥルンとした食感でかなり柔らかい。
生蛍烏賊
富山産。半生。
定番の沖漬けより余計な味が入ってないので本来の味わいを楽しめる。
タコの吸盤焼き
先ほどのタコの吸盤を炭火で焼いたもの。
とても柔らかく炭火のいい香りがいい。
磯自慢とも相性バッチリ。
サワラの藁焼き
「炭」の次は「藁」とはこちらも鼻で楽しませてくれる。
ねっとりとして鼻から抜けるスモーキーさと旨味。
あん肝
円やかで甘く濃厚。
あん肝の甘さと日本酒を楽しむ一品。
桜海老の変わり揚げ
駿河湾の生の桜海老を変わり揚げにしたもの。初物で特に香りが強い。
口に含むと香りと甘味が広がる微炭酸のお酒。
常盤牛の希少部位
(とうがらし、シンシン、とも三角)
なんと肉が出てくるとは。トリュフ塩と共に。中心温度は52度の低温調理。
3種類とも赤身の旨味が強く、とうがらし、シンシン、とも三角の順で脂がのっていく。
昆布麺
肉の後の口直し的な一品。ツルっとサッパリ。
本日の鮪は千葉県銚子産。
塊を見せたくれた。
ここから握りへ。
ガリとレンコン
甘みと辛味強め。レンコンは甘辛。酢はいつもは二種類らしいがこの日は仕入れの都合で一種類のみ。
アオリイカ
神奈川県佐島産。
まるでゼリーみたいにドロっと口の中でトロけた。
包丁を入れれば入れるほど柔らかく甘くなるそうだ。
シャリはモッチリとして口当たりもいい。
真鯛
ねっとりとして噛めば噛むほど旨味も出てくる。
小肌
3日目の小肌。
塩で〆といて握る直前に酢にくぐらせるとのことでフレッシュな味わい。
小柱
上には辛味大根がのっている。
こちらも噛めば噛むほど貝の旨味が増していく。
加えて海苔の風味もたまらない。
白海老
富山産。昆布締めにしてある。
ねっとりとしていてまるで濃厚なジャムの様だ。甘みももの凄い。
とり貝
ねっとりな食感の後はツゥルントゥルンのとり貝。まるで空気が入ったかの様な軽さ。
旨味も口内に広がり香りもいい。
赤身
銚子沖の本鮪。時期的にもまだ若くフレッシュな味わい。
中トロ
5日ほど寝かしたもの。
血合いの横にある中トロで中でも最も美味しいと言われる部分。
脂ものっており、十分にコクある。
大トロ
なんと一か月以上寝かしたもの。熟成もやられるとは。
綺麗に脂がまわっている。
砂ずり
鮪の腹の先で最も脂がのっている部分。
もはや霜降りの牛肉みたいだ。
かなり濃厚で味わい深い。脂のしつこさも全くない。
レタス
鮪が続いたので口直しでレタス。これははじめてだ。
酢漬けにしてあってさっぱりと。
玉子焼き
大将の祖母が作っていた味を忠実に再現したそうだ。
熱々でホクホク。凄く懐かしいようでほっとする。甘さ加減もちょうどいいです。
雲丹
北海道浜中産です。
馬糞雲丹
圧倒的な甘味が口内に広がる。ずっと口に含んでいたい。
UKG(雲丹かけご飯)
雲丹リゾットみたい。もはやスイーツ。
ほとんどカンヌキサイズのサヨリ
じゃあカンヌキと言っていいのかな。
サヨリ(ほぼカンヌキ)
プリッとしてクセがなく一見サッパリしてるけどよく噛んでみると味もしっかりしている。
かなり巨大な赤貝
赤貝
山口産。これほど大きい赤貝も珍しい。
口一杯に赤貝の旨味とみずみずしさがはじける。これだけデカいと香りも強い。
赤貝のひも
ひもを一貫にするとは…
コリコリとした食感でクセがない。
笠間いなり寿司
新作の様で茨城の食材が入ったいなり寿司。
レンコン、いくら、玉子、キュウリが入っており様々な食感を楽しめる茨城ならではのいなり寿司。
水ようかん
大将の奥さんの実家が和菓子屋さんらしくそこでの水ようかん。
以上が松榮鮨のおまかせコース。
量もかなりあって満足度も高い。
大将の握りのベースは江戸前鮨だけど海外で働いていたからか正統派にこだわりすぎず、まさに臨機応変、発想は縦横無尽。
美味ければ熟成もやるし、高級食材も使う。
客層は驚くことに7、8割が都内から。
東京人と茨城の人達では鮨の価値観のギャップがある様に感じる。
実際「烏賊や蛸が何故こんなに高いのか?」という批判めいた声もある様でなかなか苦労されている様だ。
(いい食材使ってて仕込みにも手間がかかってるからですよ)
だけど大将は父から譲り受けたこの店で茨城を盛り上げていきたいらしくそんな店を応援しないわけにはいかないじゃないか。
このブログが少しでも多くの人に広まりますように。ごちそうさまでした!
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